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Real Game  作者: 片倉葵
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14章・とりあえず第二部スタート

第二部がスタートしました。予定としては第一部が異世界での生活。第二部が謎あわせ。第三部が決着編と考えています。大体のストーリーとかEDとか考えてはいるんですが・・・書くと難しくなりますね(苦笑)スラスラかける人が羨ましい。






あの襲撃事件から1ヶ月経った。

あの日、奇跡的に死者は出なかったらしい。

怪我人のみで重傷者もいたらしいが命に別状は無かったと聞く。


結局のところ、リザードマンを操っていた魔導師は発見できずにいた。

だが、まったく手がかりが無かったわけではない。


双竜の1人、アリアス・ファウストが結界の綻びを発見したのだ。

その結果、精霊の結界石に傷が付いたために守りが弱くなりリザードマンが進入した。そう世間には発表された。


もちろん、結界石が簡単に傷つかないという事はレガードから説明を受けている。

あの侵入者達も言っていた。狙いは女神ノ命。つまりあたしの命だと。


となれば……今回の事件の首謀者が結界石を破壊しようとした。もしくは傷をつけた。

そう考えるべきだとセリオスは言う。


あたしもその考えに賛成。

あたしの命は狙われている……あたしを疎ましく思っている人達に。


そして、この1ヶ月。






……いまだに犯人はつかまらずにいた。




































この世界に来て3ヶ月が経った。

後、9ヵ月。


長いようで短かったと思う。大分この世界にも慣れてきた。

でも……


「…………ひま」


そう。ひまなのだ。

分かっている。危険なのは分かっている。

むやみやたらに出歩けないのも理解している。

理解はしているのだが……クソォ……!!


盛大なため息をついて窓の外を見つめた。

城下町はかなり大きい。他国と同じぐらいなのかどうなのかとりあえず分からないけど見た感じは大きい。

つーことは、楽しみは一杯あるはずだ。

ショッピング・散歩・見世物。

目の前にあるのに遊べない……うぅ~つらい(泣)


「嬢ちゃん、ひまそうだな」


「……ひまですよ。この3ヶ月、城の中で入れるところはほとんどコンプリートしちゃいましたもん。あ~あ、城下町いってみたい……ねぇ、ディオス」


「ダメだ」


「………………まだなにも言ってないのに……」


「嬢ちゃんの考えることなんてお見通しだっつーの。ほれ、今日の土産のパブトンだ」


「うわぁ、嬉しい!!……って、あのね」


「ん?なんだ?」


「これ、どうやって食べるの?」


ディオスがお土産と渡したのはこの世界でもっともポピュラーな果物、パブトン。

見た目はパイナップルに似ている。

トゲが殻のようになっていて……これ、どうやって食べていいのか分からない。

試しに2つに割ってみようと試みればトゲが刺さって痛い(泣)


「ったく……嬢ちゃんほんとにどっから来たんだ?パブトンの剥きかたも知らねぇなんて……よっぽどの田舎育ちじゃねぇかぎりありえねぇぞ」


「アハハハハハハ……(汗)」


とりあえず笑ってごまかそう。

異世界人ですから知りませんって!!

食べたことあるけど(食事のときに)その時は皮むいてあったし。


その果物をディオスはナイフで器用に皮をむいていった。

色はオレンジ色。味はマンゴーに似ている。

甘くて美味しい。程よい酸味がまさに絶品なんだよね!!


「ほれ」


「サンキュー。ありがとう」


黄金色の果物。そのあまりの美味しさに思わず手掴みをしてしまう。


……ヤバイなぁ思わず癖でやっちゃった(汗)


こんな食べ方、ミシェル先生に見られたら『はしたない!!』って怒られて叩かれちゃうよ。

けど、この場にいるのはあたしと護衛のディオスだけ。

チロリッとディオスを見れば特に気にした様子は無い。


……良いよね、これでも。手で直接摘んじゃおう!!

この食べ方が一番美味しいもん♪♪


「―――ん~~!!あまぁい!!!」


「オイオイ……マジであんたどこから来たんだよ……」


「ん?」


果汁の付いた指をぺろり舐める。

……ちょっと、その顔はなに?


「嬢ちゃん、正直に答えてくれ」


なになになんですか?


「あんたはセリオス殿下の婚約者でシェルダー公爵家縁のご令嬢なんだよな?」


「…………!?(はぁ!?)」


ちょ、ちょっと待って!!


シェルダー公爵家ってかなり身分の高い家じゃん!しかも、王家の血も入っていると言われる由緒正しいお家柄の!!

……そういえばあの事件の後、念のために身分を偽造しておくって言われた。あたしが犯人にされないようにと(あの後一部の貴族があたしの自作自演じゃないかって噂していたらしい)


そりゃね、異世界の事は軽々しく言えないし、王家の秘密ってものもあるから賛成したよ。

それでもね、いくらなんでもやりすぎ!!なんちゅー設定にしますか!!

道理でこの頃ジロジロ見られるわけだ。嫌味言われるわけだ。

かの有名なシェルダー公爵家縁のご令嬢が礼儀作法できない。手づかみで果物を食べる。

そんな事はありえない。クソッ!!


「……その情報源どっから?」


「あ?レガードさんだけどよぉ」


やりやがったな、レガード!!


「……ディオス、あたしちょっと用事が思い出したから」


「はっ!?オイ、ちょっと待て!!!」


待てません。


礼儀作法もなんのその。

長いスカートを下着が見えないギリギリまで手繰り寄せ、レガードの私室まで全速疾走した。

この時間なら多分休憩しているはずだ。ヘタな所を探すより私室に行ったほうが確率は高い。

誰にもこんな姿見られませんように~!!見られたらミシェル先生が怖い……!!


そんな事を考えながら走れば目の前にはレガードの私室の扉。

……あれ?護衛がいない。置いてきちゃった?……まぁ、いっか。


あたしは足でドアを蹴り開けた。


「……アイ様」


部屋の中にはまたしてもいやらしい格好をしたレガードがベッドに腰掛けていた。

……ヤバッ(汗)もう少し早かったらお楽しみ中を邪魔する所だったよ……次からはノックをしてから蹴り破ろう。


「蹴破らないでください(怒)それから、口に出てますよ」


「……あれま!」


「まったく……護衛はどうしました?」


「走ったらついてこれなかったみたいです」


「……はぁ(あきれました)で、なんの用ですか?」


「話があって来た!」


「……どうやら面倒そうな話のようですね。まぁ座ってください。紅茶でもいれましょう」


その言葉にあたしは部屋の中央に設置された椅子に腰掛け、レガードが淹れる紅茶の音を聞きながら、どうしたものかと頭を押さえた。











アイは身分を手に入れた(チャララン~~♪)

設定・田舎貴族の娘でセリオスの側室候補→由緒正しき公爵家の娘。正室候補。

他の側室候補からはさらに嫌味のオンパレードを受ける羽目になるでしょう。

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