エピローグ2
民衆の中を馬車で通り抜けると教会へと辿り着いた。教会の前へと着いた二人は馬車から降りると教会の扉が開かれ、二人は並んで教会へと入る。
大聖堂の中をレッドカーペットの上で歩く。心像の前には国王と司祭が待つ。レリアナとリーグストは並んで二人の元へと共に同じ歩幅で前に進んで行く。参列者の中には良く知らない貴族。見知った兵士。ティエラ、リリス、ミアリの心から愛している親友三人。シエラとアストン達という心から信頼している使用人達。メルディックと両親という家族。隣には家族になる誰よりも愛しく、尊敬して手放したくない、誰にも渡したくない存在が一人。そして、自分の近くで守ってくれる我が子。
前まで大切なのは一人しか居なかった。一人居れば充分だった。しかし、その大切な者を失って打ち拉がれる。けれど、そのお蔭で自分の弱さと闇に気付いて、周りにも大切な人が居る事に気付いて、一番大切な者が誰なのかも気付く事が出来た。
「それでは誓いのキスを」
触れる唇の温もりを感じ、想う。
(ああ…好きだな…)
離れる時に口惜しさを覚える。
「聖女レリアナ!勇者リーグスト!二人の結婚の儀を国王である私、オリエント・アリスロイヤ!」
「我が主、女神フレアディーテ様!」
「「二人の誓いは神と国王が見届けた!愛の誓いに背く事なく愛を育み、次代を育てよ!さすれば更なる繁栄が約束されるだろう!」」
レリアナとリーグストは女神と国王に恭しく傅き、頭を下げる。すると、レリアナとリーグストの頭上から光の輪が顕現し、オーロラカーテンが降り注ぐ。神が直々に祝福してるのが一目瞭然。その光景に誰もが息をする事を忘れるほどに見惚れる。
「あっ。…わ、我が主も直々に祝福をして下さりました。彼等は偉大なる聖女と偉大なる勇者として語り継がれるであろう!!盛大なる拍手を持って二人の門出を祝いましょう!!」
司祭の言葉で二人は拍手に包まれ、レリアナとリーグストは世界に祝福されてると錯覚するほど浮かれた気分になり、二人はこっそりと見詰め合い、笑った。
その後、王城で披露宴パーティーが行われ、終わると二人は王都の屋敷へと戻りーー……
「リーグスト…」
「レリアナ…」
永遠に愛し合った。
~fin~