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四十五話

「全軍!!魔王城への道を切り開け!!我等の邪魔をさせるなぁぁぁ!!!突撃!!」

「うぉぉぉーーーー!!!」


王太子であるアインバルトが馬上で切っ先を魔獣達に向けて軍に発破を掛けると兵士達が魔獣達へと向かって駆けて行く。王太子の晴れ舞台を見届けるとグエインは馬上からレリアナとリーグストに話し掛ける。


「計画通り。兵士が魔獣を屠り、その間に空から二人は魔王城へと突入する。頼むぞ」

「はい。御父様」

「必ず勝利の報告を届けに帰ります」

「楽しみにしている。ハッ!」


グエインは手綱を振るい、馬で戦場へと駆ける。


「…それじゃあ俺達も行こう。フワリ」

「ええ。ライト」


二人はフワッと浮き上がり、周囲に吹き荒れた風の盾が覆い、戦場の上を飛行して魔王城へと一直線に目指す。


上から戦場を見下ろすと平野にミッチリと魔獣が敷き詰められており、流石にこれを相手に犠牲なく勝つのは難しい。だから、勝てる可能性を高める為にリーグストはタイタンを呼ぶ。


「タイタン、十秒後に魔獣の群れに炎の大玉を落とせ」


十秒という時間を使い魔王城へと飛ぶと、頼んだ位置から魔獣達へと太陽のような炎の大玉が落下する。炎の大玉は魔獣達へと着弾すると炎の大玉は波のように横へと広がり次々へと焼いていく。いつの間にか魔獣の三分の一を炭へと変えた。


S級冒険者の力の一端を見た兵士や王太子は顎が外れそうな程に口をあんぐりと大きく開け、グエインは冷や汗を流し、口角が引き攣っていた。


「リーグスト殿の実力は知っているつもりだったが…。これ程とは…。だが、味方なら心強い」


グエインは戦場全てに声が響き渡るようにすぅーと深く息を吸い込み、大声で全軍に鼓舞をした。


「皆の者!!魔獣共が困惑している今が好機!!攻めるぞ!!」

「おおおぉぉぉーーー!!!」


兵士達の士気は最高潮にまで高まり、次々に魔獣を殲滅していった。リーグストは振り返りながら戦況を見ていたが人間側の優勢で戦いは進んでおり、これなら安心して挑めると魔王城へと向き直る。


「あっ…。もう直ぐ魔王城よ」

「ああ。気を引き締めて行こう」


魔王城へと近付くと城を守っている二足歩行の魔獣達がレリアナ達に矢を放つが全く届かず、例え届いたとしても風の盾で防がれ、巻き取られて矢が射った者へと戻り、脳天を貫かれる。


「ウンディーネ!殲滅しろ!」

「は~い♪」


ウンディーネはご機嫌な様子で現れ、氷結の矢を無数に作り出して魔王城へと降り注ぐ。氷結の矢で射抜かれた魔獣は瞬く間に氷付けにされて絶命していく。こうして外で魔王城を守っていた魔獣は全て氷付けとなった。


「それじゃあ降りるぞ」

「ええ」


二人はゆっくりと魔王城の前で着陸し、その古城を見上げる。


「……これだけデカいんだ。中にも大勢の魔獣が居る可能性はある。一気に扉を開ける。レリアナは後に続いてくれ」

「分かった」


リーグストは扉を蹴り飛ばしながら中へと突入した。


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