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三十六話

決闘の会場は学園内にある剣術指南にも使われる場所で観客席もあり、決闘の行方を見守るにはピッタリな会場だった。


王子とS級冒険者の対決という事で否が応でも注目は集まり、観客席は満席となっていた。決闘場の真ん中で立会人が手を挙げる。


「私、ザックは決闘立会人として清廉潔白にこの日を迎え!!今日の決闘を絶対公平に審判する事を誓います!!」


立会人が宣誓を終えると手を下げて向かい合ってある入場口を見て、再び口を開く。


「これより決闘を始める!両者この場へ!!」


立会人の合図で両者が入り口の相対する両側から現れる。片側からはレリアナとリーグストとメルディックが、もう片側からはアルマリアとラインハルト、ロギアとエリレントにリリーヴが現れて立会人の挟んで横並びに止まる。


「では、今回の決闘のルールを説明する!今回の決闘は姫と騎士というルール!相手の騎士を突破し、そして自軍の囚われの姫を助け出す!それが姫と騎士のルールだ!勝利条件は自軍の姫の手を掴む、又は全ての騎士が全滅させる事!騎士の打倒する方法は首に木剣や杖を当てる事だ!次に禁止項目!姫への攻撃!騎士による姫への攻撃!姫の相手騎士の妨害!姫自ら牢を出る事!相手を死を至らしめるような攻撃!これらのルールに違反した場合、敗北と見做す!双方ルールは理解したか!?」

「ああ」

「問題ない」


リーグストとラインハルトが互いの陣営を代表して答え、立会人は頷く。


「では先ずは姫の交換を!」


立会人の言葉でレリアナとアルマリアは立ち位置を交換する。


「次に姫を牢へ!」


牢とは言うが実際は四角形の木の板の上へと其れ其れ姫を乗せる。


「では最後に騎士達の準備が出来次第決闘を始めます!準備が出来次第お教え下さい!」


リーグストとメルディックのチームはリーグストを前衛とし、メルディックが姫を守る陣形となる。


「此方!準備出来ました!」


ラインハルト達は彼等の陣形を見ると互いに頷き合う。


「予想通りだ。私がメルディックへ攻めてマリアを取り戻す」

「ああ、そして俺達三人死に物狂いでS級冒険者をラインハルトがマリアを取り戻すまで足留めする」

「はい。僕達なら出来ます。彼女を守りたい気持ちがあれば必ず勝てます」

「ああ、それに足留めだけでは足らない。私達ならS級冒険者でも勝てる。そして、全員で彼女の手を取りますよ」

「「「おう!!」」」


四人は士気を高める、自信と勝ち気に溢れた表情でリーグストを睨み、陣形を組んだ。前衛はラインハルト一人。後衛は三人でレリアナを守る作戦。明らかにリーグストを意識した陣形にメルディックは内心舌打ちをする。


(舐められたものだ。いや…正当な評価か。倒せる可能性があるのは私の方だ。けれど、教えてやろう。可能性があるだけで確率は低いという事を!)


メルディックは負けないという強い意志の元、木剣を腰から勢いよく引き抜く。


「殿下を頼みましたよ、メルディック様」

「レリアナの事を頼みます、リーグスト殿」

「準備出来ました!」

「では、決闘試合……開始!!」


こうして決闘の火蓋が切って落とされた。


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