十八話
学園内のテラス、其処にはレリアナを中心にして沢山の生徒達が集まっていた。
「お姉様!お姉様の言う通りにしたら妖精様が懐いてくれましたわ!」
「レリアナ様!最近、妖精様がお姿をお見せしてくれないのです!どうすれば宜しいですか!?」
「レリアナ様!貴方は正しく桔梗の華のように可憐だ!良ければこれから私と貴方という妖精の話を聞かせて貰いたい!」
「ちょっと!伯爵男児如きがお姉様に言い寄らないで!それよりお姉様!私と二人だけで語らいませんか!?」
「え~…と…私は一人しか居りませんから…一人ずつお伺いします」
何故ここまでレリアナが人気を集めたのかというと、それはレリアナが話掛けてきた女子生徒とティエラ、リリスにリーグストからシエラ伝に教わった神を崇める人達含めて教えられる方法で三人に妖精の存在と魔法という物を教えた事が始まりだった。
「なるほど。私達は神の代行者である精霊様や妖精様のお力を借り、その対価に魔力を与える事で魔法を放っていたのですね」
「ええ。そうらしいです」
「流石はレリアナ様!」
「世界の真実さえ解いてしまうのですね!」
「いえ、これは私の先生が発見したものですから…。じゃあこれから…妖精様を呼びましょう。ですがその前に魔力を切るイメージをして下さい。具体的には魔法を放った後の感覚を思い出して下さい。魔力の放出を抑えられないと魔力切れで倒れてしまいますから」
「「「はいっ!!」」」
三人はレリアナの言葉通りに魔力を放出し、暫くすると一人ずつに妖精が一体目の前に現れて魔力を食べる。
「そこで魔力の放出を止めて」
レリアナのアドバイス通りに魔力の放出を抑え、体内に循環し直す。三人は魔力切れする事なく倒れなかったが、疲労感で身体が重くなる。
「それじゃあ契約しましょう。皆さん、妖精様の方に掌が上になるよう手を差し出して下さい」
三人共に妖精へと利き手を差し出すと掌に妖精が載り、妖精達は一斉に呪文を唱え始める。言葉のような音はライトの時と違い、自然のざわめく音のようなリラックスする音が鳴り響く。レリアナはライトの時の音と何故違うのか疑問が浮かぶ。しかし、悩んでいる暇はない。呪文は終えて明確な言葉を妖精達は話す。
「皆さん、名付けを」
「私はガーネット」
「私はウインディ」
「私はマリンにしますわ」
妖精達はピカッと輝き、その姿を変える。
(こう見ると妖精って名付けとかその人によって随分変わるのですね。…先生はその事を含めて知っておられるのでしょうか?)
無意識にリーグストを考えた事にレリアナは恥ずかしくなり、顔を横にブンブンッ!と振るって思考の外へと追い出す。
「凄いです!可愛いです!」
「ええ!とても愛らしい!」
「私の子も大変可愛らしいわ!」
三人は妖精の事を笑顔で可愛がり、とても嬉しそうにしている様子を見てレリアナも嬉しかった。同じように妖精を可愛がってくれるのは。
「基本的に妖精様は姿を見る事は出来ません。今はご飯が食べていたから見えます。暫くすれば見えなくなりますがお腹が空くと姿を現します。後は呼べば出て来ますが、基本的には妖精様は契約すれば近くに居ますから。妖精様を不躾に扱わなければ私達に応えてくれます。ちゃんと愛し、可愛がって下さいね」
「「「はい!!」」」
そして三人は以降魔法の威力が跳ね上がり、三人はレリアナに師事を受けたと証言した事でレリアナの傘下へと入れば魔法が上達するという噂が大きく出回り、学園に所属する者なら知らぬ程まで広がった。そして、レリアナを中心とした派閥が出来上がった。