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九話

夏休みが終わり新学期となって初の登校日を迎える。レリアナは校門の前で馬車から降りると馭者は彼女に頭を下げてから帰る。


レリアナが校門を抜けて学園の敷地へと入るとレリアナの事を遠巻きで見ながらヒソヒソ話をしており、内容は聞かなくとも陰口であろう事は想像に難くない。


(まぁ、こうなる事は分かっていましたが、実際に経験すると中々に寂しいものですね。ですが、これも全て自分がしてきたことの罰。これからの学園生活は一人で過ごす事を覚悟しなければいけません)


他者からの視線も言葉も無視するフリをして気丈に振る舞い歩いていると後ろから二つの足音がパタパタパタと聞こえ、何事かと思って立ち止まって振り返ると、二人の令嬢が駆け寄って来ていた。


「「レリアナ様!!」」

「ティエラさん…!リリスさん…!」


ティエラと呼ばれた令嬢はティエラ=ミルミランダでミルミランダ伯爵家のご令嬢。茶髪で左前髪を編み込んだボブカットで瞳は紺碧色で愛らしい容姿をしており、155センチという身長と相まって小動物的な魅力のある女性。

リリスと呼ばれた令嬢はリリス=シルティアラウンでシルティアラウン侯爵家のご令嬢。ストレートのセミロングで金髪をハーフアップに黄緑色のポニーフックで纏め、エメラルドと見紛う程に輝く瞳を持ち、貴族の子女の中でも飛び切り美しく、166センチというレリアナに次ぐ高身長の女性。

二人はレリアナの取り巻きの一人として常に彼女に付き従っていたが夏休みになると婚約破棄の事が響いたのか彼女達含めて取り巻きはレリアナの傍から消えていった…とレリアナは思っていたのだがーー…。


「どうして…貴方達…」

「私…お父様にレリアナ様とはもう関わるなと言われましたけれど……。私、やっぱりレリアナ様と共に居たいのです!!」

「ティエラさん」

(わたくし)もです!!(わたくし)もレリアナ様と共に居たいのです!!だって貴方様は(わたくし)の憧れで目標なのですから!!」

「リリスさん…」


二人の言葉にレリアナは目頭が熱くなり、上へと向いて流れ出そうな涙を堪え、耐えると頭を戻して彼女達に満面の笑みを浮かべると涙が弾け、弾けた涙は太陽の光を受けて煌めく。そんなレリアナの顔を見た二人は顔を赤くし、感極まった表情となり、レリアナの手を其れ其れ同時に両手で包む。


「「レリアナ様!私達はずっと貴方様の御側に居ます!!ですので何かあれば私達をお頼り下さい!!力になりますので!!」」

「ありがとう。お気持ちだけで十分よ。さっ、此処に居ては他の方の邪魔になってしまうわ。行きましょう」

「「はい!!」」


彼女達三人は横並びとなり、校舎の中へと入って行った。


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