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悪役令嬢は国外追放で旅をする  作者: 駱駝視砂漠
薔薇の国編
95/106

国外追放と舞踏会Ⅱ

短いです。すみません

 一回,今生き残っている一級魔術師役四人で集まって話し合うことにした。ちなみに,一般男性は星の光が消えたことによる暗闇と混乱に乗じて神役の一人を殺害していたが,夜目が効くカーティスによって当てられて今は端のソファーにいる。


「やっぱり神様役だろうがなんだろうがカーティスは早めになんとかしないとね……」

「ふふっ,とても手応えがありそうです」


 一級魔術師のほとんどが戦闘狂である。作戦会議で笑っている三人を見て,エレーナだけがぽかんとしている。すると,ヘトヘトのカーティスが寄ってきた。そしてリリスに抱きついた。


「リリス……僕ダメかもしれない……」

「どうしたの!?」

「もう,知らない人と踊るの嫌だぁ」


 リリスはカーティスの頭を撫でて励ます。少し時間が経つと,彼は泣き止んでリリスに提案した。再び一緒に踊らないか,と。リリスは笑顔で頷いた。エレーナは首を傾げてから小さな声でそっと耳打ちをする。


「(リリス,ついさっき話したこと忘れてないわよね?(わたくし)たちも頑張るけどカーティスさんはリリスが担当してよね)」


 あっ,と思い出したかのようにカーティスのいるところで表情を変えてしまった。どうしたの,とカーティスは笑った。すぐに話を変えて踊ることにする。踊っている最中,二人は会話を始めた。


「カーティス,アシュリー陛下は第二王子ってこと伝える気なの?」

「うーん。多分そうなんじゃないかな……父上,笑ってたし」


 リリスはいつ彼を倒そうかと考えている。【仮想兵器】を利用して透明化,そして瞬間移動でカーティスの体に突き刺せばいいだろうか。などと既に戦闘になったとき用の想像をしていると,碧帝が悲しそうな目でリリスを見つめた。そして,カーティスの後ろでくるくると回りながら,


「リリス,カーティス君が可哀想じゃないかな?こんなに楽しそうなのに」

「そう見えるの?」

「うん。だって他の人と踊ってるときは冷たい目をしてたのに,リリスとは本当に幸せそうに踊ってるんだもん」


 不思議そうにしているリリスだが,カーティスはついに頭がおかしくなったかと遠い目をしていた。やばい人扱いされムスッとしたリリスはそろそろ覚悟を決めて彼を倒すことにする。そのときだった。司会が大きな声,嬉しそうな声で次の被害者を発表したのは。


『さて,今回の被害者は……』


 司会が被害者の名前を次々と言っていく。その中にはアシュリーの名前もあった。そして,


『えー……カーティスさん?あっ,もう神様役いなくなっちゃいましたねー。それでは被害者以外で残りの舞踏会も楽しんでください!』


 残りの時間といっても,あと数十分しかない。最後にカーティスは赤ワインを飲み干してクラクラとしながらソファーに座っていった。そんな様子を見ているとリリスはとても申し訳なく感じた。


 * * * 


「結局,陛下はカーティスのことを言わなかったんですね」

「この子も今のタイミングは望んでないだろうから」


 アシュリーは寝ているカーティスの頭を撫でて優しい表情になる。それを見てリリスは思う。カリヤルのときはこんなに優しい表情をしていただろうか。していなかったはずだ。何せ,アシュリーはカリヤルのことを子供だと思っていないというようなことを言っていた気がする。しばらくアシュリーがカーティスをハグしていると,馬車が停まりホテルに到着した。


「大丈夫?一人で運べる?」

「あ,はい。それではおやすみなさい」


 カーティスを『お姫様抱っこ』して部屋まで運ぼうとした。そのときカーティスは起きてしまった。


「なっ,リリス何してるのっ!?」

「可愛いね」


 カーティスの反応を見てリリスはなんだか恥ずかしくなってしまう。そして勢いで手が緩み,彼を床へ落としてしまった。とても痛がっている。酔いが醒めたようだ。自分が少しグダグダしていたことに気がつくと,カーティスは自分の顔を覆った。しかし,耳が赤くなっていることにリリスが気づく。


「とりあえず部屋に入ろっか」


 リリスも謎解きや踊りだけでなく舞踏会そのものに疲れてしまった。ドレスからパジャマへ着替えて寝ようとすると,カーティスが寄ってきて後ろからハグをしてきた。突然のことだったので急にリリスの顔が赤くなる。


「どうしたの?」

「ううん。なんとなく,リリスが僕を刺したんじゃないかなって。けど,僕は君に殺されるなら本望だよ」


 一瞬だけ,カーティスの瞳からハイライトが消えた。しかしリリスはそれに気がつかず,眠りに落ちてしまった。


「リリス……」

「ん……?」


 リリスが目覚めると,心配そうな表情をしているカーティスが最初に目に映った。次に,椅子に座りながら本を読んでいるアシュリーを見て顔を真っ青にする。

 リリスのその様子を見て,アシュリーはニコニコし始めた。


「呑気そうに寝ていたねぇ……」

「本っ当にすみませんでしたぁっ!!」

「全然寝てても良かったのに……」


 カーティスが申し訳なさそうにリリスとアシュリーを交互に見ていってる。アシュリーはカーティスの肩に腕を回して,


「自分も途中まで連れていってくれなーい?」

「流石に父上と一緒に旅とか気まずいから断っていいかな?」


 リリスも怖いので高速で縦に首を振った。二人の徹底的な拒否行動を見てショックを受けてしまうアシュリーだった。ちなみに,彼はカーティスに頭を撫でられた瞬間に機嫌が治ったのは言うまでもない。親バカを見て苦笑してしまうリリスだった。

 散々粘って一緒に旅をしようと努力していたが,召使いなどのその他大勢に連れ戻されてアシュリーはローゼンタールへと戻ってしまった。

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