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悪役令嬢は国外追放で旅をする  作者: 駱駝視砂漠
魔法使いの国・マギー編
51/106

国外追放と魔女一家

少し短いです

「カーティス,なんで抱きついてくるの?」


 夕食までの間,時間があったのだが急にくっ付いてきた。

「最近,恋人っぽいことしてないから」

 カーティスがそう言うと,ヘレンは前のめりになって話に食いついてきた。

「やっぱり二人って付き合ってるんだ!ねえねえ,いつ付き合ったの?」

「カーティスが告白してくれたんです。顔を赤くさせながらですよ?すごい尊いですよね」

「尊いっていうのはよく分かんないけど……リリスちゃんを,ちゃんと好きって感じがしていいね!」


 当の本人であるカーティスは後ろから抱きつきながらあの時のことを話した。

「僕のことばっかりそう言ってるけど,リリスだって告白されてどぎまぎしてたでしょ。手握っただけで照れてたし」


 その時,三人のいた部屋の扉が叩かれた。エリザベートだ。

「夕食,できたよー」

「はーい!!」


 そしてダイニングに行くと,青髪のシェフが立っていた。

「ご主人様,そちらの方々は?」

「あぁ,この国に来てくださった旅人さんよ。雑に扱わないでね☆」 

 そして,リリス達を席に案内した。


「じゃあ,そこの男性の方はこちらにお座りください。貴女様はそちらに……でー。ヘレンは適当に座っておいて」

「私だけ適当じゃない!?」

 青髪のシェフはルーカスと名乗った。


「俺の告白を無視するから」


 エリザベートは足を組みなおしてニコニコと彼らの方を見ている。そしてリリス達にこっそりと二人の状況を説明した。


「(ヘレンは生まれたときに孤児だったんだよ。そして,私が育てた。あの子が十歳になった頃かなぁ……使用人としてルーカスを雇ったの。ヘレンに話し相手なんていなかったからね。ヘレンとルーカスが初めて会ったとき,彼は一目惚れしていた。それからずっとあんな感じなんだよね)」


 これまでの説明は長かったが,それでも言い争いは続いていた。


「なんで私にだけそんな冷たいのさ」

「だから,イエスでもノーでも言ってくれれば良いのに答えを二十年も保留するからだよ。酷いと思いますよね?旅人さんたちも」

「三十年って……長いですね。普通だったら遅くても二週間くらいで答えを返すと思うんですけど」

「そう思いますよね!ほら,旅人さんにも言われてる」


 カーティスはこの状況に違和感を持ち,エリザベートに尋ねた。

「ヘレンさんってどう見ても二十代にしか見えないんですけど」


 エリザベートの代わりにヘレンが答える。

「『奇跡』の力の所有量で老化が抑えられたりするのよ。まあ,カーティス君くらいの量だったら普通なんだけどね」

「魔力ではそんなことは生じないのに……不思議ですね。興味深いです」


 リリスが下を見ながらそう言うと,ヘレンは少し早口気味で魔法の素晴らしさについて語り始めた。

「そうなの!まずさっき見た大樹はいつ出来たのかも不明だし,『奇跡』の力はもっと不明だし魔法は未知しかないんだよ!素晴らしいでしょ。研究すればする程,謎に変わっていくの」

「へ,へぇー」


 ルーカスはとても怒っていた。

「ヘレン話逸らさないで」

「……はい」


 ルーカスの作った料理はどこで食べたものよりも美味しく,リリスとカーティスは感動していた。


「そういえばヘレンさんって育て親がエリザベートさんなんですよね」

「そうよ。それがどうしたの?」

「えっと,じゃあ一番最初に話してくれたヘレンさんのお父さんってどういう関係なんですか?」


 エリザベートは目を細めてヘレンを睨みつけた。

「話したんだね?」

「だって……悲しかったんだもん。リリスちゃんは少しだけど生き返らせてくれたし」


 そしてリリス達に説明をしてくれた。


「ヘレンの父親は魔法使いじゃなくて魔術師だったんだよ。生まれも育ちもこの国なのに『奇跡』の力は全くと言っていいほどなかった。代わりに魔力が沢山あったんだ」


 そこで話は終わった。食事を終えたリリスとカーティスは部屋に戻った。


「カーティス,なーに書いてるのっと」

「わっ!?驚かさないでよー」

「日記,どんなこと書いているの?」

「普通のことだよ。今日行ったところとか天気とか,起きたこととか」

「ふーん。その割には魔術式がたくさん書かれているみたいだけど」


 そう言われてカーティスは全力でその日記帳を隠した。

「リリスみたいな魔術の天才には見せれないのっ!」

「えー。天才じゃないからさ,見せてよ!私も興味あるんだーカーティスの使う魔術は」 半ば強引に見ると,リリスの見たことのない術式が書き込まれていた。


 そしてカーティスは照れた顔をして術式について話してくれた。

「リリスが驚くようなことじゃないよ。君に比べれば大した研究じゃないしね」

「これ……模倣魔術の研究じゃない。世界でも研究している人は少なかったはず」

「うん。参考文献が少なかったから自分で研究するしかなかったんだ」

 他のページも見てみると,植物を使役する術式や,氷を操作する術式もあった。


「ねえ,リリス。少し気になったんだけどさー昨日使ってた『わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか』ってどこで入手した術式なの?」

 話してもいいのか迷ったが,カーティスなら悪用しないだろうと信用して話した。

「ジマーニアでカーティスと合流する前に『神の力』を使う方法が書かれた魔術書があってね,それを分析,利用することによって『神の力』そのものを使役するんだ」

「やっぱ,すごいなぁー」

「いやいやいや,研究にしか力の注げない人間って可哀想だと思うよ」


 そして眠くなったのでリリスがベッドに入ると,カーティスもリリスの毛布に入ってきた。

「こうして,二人で国を回るのも久しぶりだねー。意外と死者の国以来じゃない?」

「確かに。っていうかあの時も別れて行動してたから全然違うよ」


 そして今までの旅を思い出して懐かしんだ。

「色々な事があったねー……ってリリスやっぱり寝るの早いなぁー」

 そして,カーティスはリリスが寝ているのをいいことに,顔を触り始めた。


「うーん……なぁに触ってるのぉ…」

「寝ていても可愛らしいなんて,やっぱり罪だなー」


 そう独り言を漏らしてリリスに顔を近づけた。頬にキスをしようとしていたのだ。キスをしようとしたら,事故が起こってしまった。リリスの唇が元々頬があった場所に寝返りで移動したのだ。それにカーティスは対応できずにちゃんとキスをしてしまった。


「ーーー!?」

「カーティスー?まだ寝てないのぉー?」


 カーティスはリリスが寝ぼけているということに気付かず,全力で否定した。

「寝てる寝てる!今寝てた!!」

 リリスは目を擦りながらカーティスに話しかけた。


「んー……。今夢見ててさ,カーティスとキスする夢見たんだよねー」

「はへっ!?」

「珍しい対応するじゃーん。ささ,もう寝よ?」

「う,うん」

 リリスはカーティスに抱きついてきた。

⦅ね,眠れない……⦆


 思わぬ事故で眠れなくなってしまったカーティスだった。

どうでしたでしょうか?

誤字脱字がありましたらご報告下さい。

魔女は最高!!

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