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悪役令嬢は国外追放で旅をする  作者: 駱駝視砂漠
学園編
5/106

国外追放の前にⅣ(学園祭準備)

 この学園にも…というか学校だから当然あるのだが…文化祭というものがある。クラス単位で出し物をする例のアレだ。この学園の文化祭は準備にしか当てないのを三日間,文化祭本番は四日間という陰キャに優しくない設定になっている。

 私たちのクラスは無難に男装&女装喫茶ということに決定した。

 そして今は文化祭準備一日目だ。

「リリスの男装みるのすっごいたのしみだなぁー!()()()私に見せてね!」

前までは全然興味がなかったから知らなかったが,なんと親友のイリーナと同じクラスだったのだ。本当に攻略対象と主人公ちゃん(マリア)のクラスしか確認してなかったし話しかけてくれる人もいなかったので他人のクラスなど一回も見たことなかった。

「イリーナ様,リリス様の親友とはいえそれほど馴れ馴れしくしてしまうとお嬢様の信条(ポリシー)が一瞬で崩れていきますので。あと()()()()()()()()()()()()()()


イリーナと仲良くなってから1週間が経ち,メイドのアリサが帰ってきたのだ。その瞬間は前世で泣いた五倍は泣いた。そして氷の騎士様(イワン)とはどうなったか聞いたら


『な,何もないですよっ!』

とのことだ。気になる。あとでイワンに聞いてみよう。心なしかニ人は熱い視線で見つめあってた…気がする。


 二人の間に火花がバチバチと見えていた気もするが無視しておこう。それよりも,だ。

⦅男装だと…!?ただでさえ女子の姿でも醜い私が?⦆

「そういえば,アリサのところは何をやるの?」

アリサも選抜クラスなのだが今年は優秀な人が多かったらしく,二十人と二十人のニクラスになっているらしい。

「えっと私は一日目の最初のバンドに参加して,それ以降は…カジノをしま…」

「カジノ!?いいじゃない!どんな衣装を着るの?もしかしてバニ…」

「そんなものお嬢様(じょうさま)の前で着たりなどしません!!」

アリサは全く…,と言って衣装の絵を描いてくれた。

 アリサの見せてくれたものは,髪の毛こそ短くならないものの,男装に近い衣服だった。

具体例を言うと,タキシードに蝶ネクタイ,片眼鏡(モノクル)にミニシルクハットだった。

「うん,可愛いとてもアリサに似合っていると思うよ」

そう言って笑顔をアリサに送ったのは()()()()()()()()()()()()()()()。その人がそう言うと,アリサは苦笑いして,けど安心した顔で彼にこういった。

「ありがとうございますイワン様。ですが一番最初に見せるのはリリス様なので」

 やめてくれアリサ。私,この人から恨み買いたくない。本当に彼の魔術で氷漬けからの体が粉砕(物理)になってしまうだろう。それよりもリリスはニ人の関係について問いただすため,イワンを裏庭に連れてきた。他の人にジロジロ見られてたのは気のせいだろう。

「おい。裏庭に連れてきて何の用だ」

「単刀直入に話します。アリサとは1週間でどれくらい進みましたか」


「…あ?えっとああ,そうだな主人として知る権利というか義務があるもんな」

彼の話をまとめると,

結構仲良くはなったがまだ恋愛には発展していない(?)らしく,イワンがもっとアリサを好きになっただけだった。

⦅…これで主人公のイワンルートは決壊か…⦆

正直主人公のルートが大きく変わると困ってしまうのはリリスである。


文化祭準備二日目が始まった。

そして悲劇というものは急にやってくるものだと,悟った。

「お嬢様!!大変です!!」

「どうしたのアリサ!?」

 アリサ曰く,ボーカルの人が流行りの病で倒れてしまったらしい。

嫌な,嫌な予感が…

「リリス様歌うまかったですよね!?歌ってください!!」

「いや,本人の承諾は!?」

「本人の承諾などありません。いつも私が手伝っているではないですか」

 アリサめ,()めやがったな。あとで1時間くらい説教しとかないと。

 私も一応歌えなくもないが…なんと言っても顔が悪い。笑顔とかしても信条(ポリシー)に反してしまう。

「わかったけど何歌うの?」

私が歌う(予定)のものは最近とても流行っている曲だった。早速(さっそく)練習をするリリスだった。


「ふぅー。アリサもお疲れ様。とりあえず今日はバンドの練習もクラスの手伝いもできたわね。」

「お嬢様は明日男装するのですよね。楽しみにしています」

明日は文化祭前日なのだ。頑張って着こなさなければ。


 文化祭準備三日目になった。

ここまで来るとほぼ完成なのだが隣のクラス(つまりアリサとマリア,それから他の攻略対象のクラスに異変が起きた。)

「誰か…誰か!!このクラスに魔術がとても使える方はいませんか!!」

 自分のクラスに来たのはメイドのアリサではなく主人公のマリアだった。

⦅どうしたんだろう…確か隣のクラスはカジノをやるんだったよね⦆

「どうしたの?マリア。すごい顔が青いけど」

そう言ったのは攻略対象の一人,ノア・ディユウであった。

「実はカジノに使うはずの魔道具が破壊されていて…」

あ!!そういえば文化祭イベントでそんなのあったわ!確かその時の黒幕は悪役令嬢(リリス)だったけど私はやってないから…誰がやったの?

 乙女ゲームにおいて嫌がらせの黒幕は全て悪役令嬢というのが当たり前だ。しかし,今回はその悪役令嬢がやっていないのだ。

「あらマリア様。私達に協力してもらおうと言うのですわね。いいでしょう。ただし自分達でできることは自分でやりなさい」

「は,はい…」


それから必死で魔術を使い音源の魔道具と光源の魔道具を直した。

普通の文化祭で魔道具なんて使うとは思えなかったが雰囲気をより良いものにしたかったのだろう。

隣のクラスの黒幕は分からなかった。文化祭を台無しにしないのならば,それでいい。


 そして波乱の文化祭が____

     始まる

 

もう少しで旅が始まります!!

旅行で投稿が遅れると思います!

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