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悪役令嬢は国外追放で旅をする  作者: 駱駝視砂漠
芸術の国・アルティスタ編
19/106

国外追放で修羅場になる

全然関係ない話行きます。

今日,最近発売されたばかりのライトノベルを読んだのですが,それに感動して(少ない)友人に布教しています。

この作品も紹介してもらえるようなものになると願います。


さて,本編をどうぞ

 リリスは困り果てていた。なぜなら今隣にいる天使・マスティマがあらゆる女性(たまに男性もなのだが)の視線を向けていた。一部女性は殺気立っていた。

⦅あーあ。女性って怖い⦆

 本気でリリスは怖かった。もちろん視線も怖いのだが,それ以上にマスティマの好感度がすごい。今では手を強引に繋がれていた。


 リリスは着ていたローブのフードを深く被り,顔がバレないように頑張った。


『おい人間,ここはなんという場所だ?』

「あぁここは……ってここどこだ?」

⦅まずっ…方向音痴が出てる⦆


 リリスは持ち前の方向音痴を発揮してしまい,気づくと知らない場所に立っていた。


 * * *


 カーラの目が覚めると,彼女は教会の椅子で寝ていた。

「リリスさんっ…!あれ,ここは教会?」

「カーラ君,降臨の儀式はどうしたのだ?君の話によると一般人を巻き込んだそうじゃないか」

 言葉だけだと優しく聞こえるが,彼女に話を聞こうとしている神父の顔には優しい表情はない。天使の危険性を知っているからだ。

「で,そこからその一般人はどうしたんだい?」

⦅まずい…このままだと解雇(クビ)になってしまう…!⦆

「あっ!えっとその女性,とても魔術が強くて…天使を懐柔して私を気絶させました!」

 カーラが咄嗟についた嘘がこれだ。


しかし,強いことと懐柔していることはあながち間違いではない。


「それは本当か!?くそっ…早くそいつを探して処刑しろ!」


 神父____いや,司教がそう言うと教会の空気が変わった。


「命令する!その女を捕え,処刑しろ!何を使ってもいい。もちろん魔術も,だ」


 その瞬間,教会から一瞬にして人が消えた,移動術式で教会の外に出たのだ。


「どんな風貌をしていたのか教えてくれるかい?カーラ君」

 そうしてカーラはリリスの特徴を絵で描いていった。学校で習っていただけあって結構似ていた。


 カーラはリリスが羨ましかったのかもしれない。教会の中でもカーラの魔力は低く,召喚術式もほぼ成功するが,結界が張れずに大勢の人を怪我させてしまったこともある。それでも追い出されなかったのはカーラの【召喚】が珍しかったからだろう。


 そういう面でリリスは魔術も使えるし,色んな人から愛されている。だから少し嫉妬が生まれたのだ。

⦅才能があるんだから嫉妬されてもしょうがないよね⦆


 自分の考えを正当化させようとしていたカーラも,他の教会の人間と同じように移動術式を使った。


 * * *


 その頃,リリスは街に帰ろうと必死だった。

「はぁ…ここを曲がればいいのよね?」

『わからないがリリス,移動術式で移動すればいいのではないか?』

「あっ」

 その考えがなかったリリスは美術館の前に飛んだ。


『着いたみたいだな。じゃあ,案内してくれるか?ここだったら来たことがあるんだろう』

「行ったことはあるけど…あまり詳しく説明できないわよ」


 マスティマとリリスは道を迷っている間に呼び捨てにできるほどには仲良くなっていた。


「これが大罪と四終と言うんだって。というかここに飾られている美術品は『創神教』のものでしょ?だったら長く存在しているマスティマの方が知ってそうだけど」

『……ちっ』

 やっぱり天使の方が知っていた。なんか裏切られたような感情をしたリリスは呆れながら移動した。


 リリスは街でとある噂を聞いたのでそこに行ってみることにした。


『次はどこに行くんだ』

「なんか水と氷属性の術式で天使様への捧げ物を造るらしいよー,あっマスティマが天使か」


 天使という事実を忘れられたマスティマは少し不機嫌になりながらも作業しているところを見学していた。

『術自体はそこそこだな。死者の国の女王にも負けている』

「ヘルは最強の氷魔術師だと思うんだけど」

 リリスがヘルの凄さについて軽めに語り付け足しをした。

「あと私ほとんど四大属性の術式使えないんだよね」

『よくそんなで一級魔術師になれたね』

「まあ総合魔術だったら世界を滅ぼして新しく創れるくらいには強いと思うよ」


 そこから数分間話していると突然作業の音が消えた。

「おいっ!そこのローブの女性,顔を見せなさい!」


 リリスは修道女に顔を見せると,その修道女は怒りながら周辺の人に言った。

「その女性を捕まえてください!!男性の方は保護をお願いします!…その女は天使を懐柔させる魔女です」

⦅えっ…マスティマの美貌って教会にも保護されるほどなの!?⦆

『いやそこまでではないと思うけど』

 リリスとマスティマは大きな勘違いをしていたのだ。しかしまずいという事実はあっていたので必死に逃げた。


「へっ【変幻変化の杖】!!」

そう言ってリリスは虚空から杖を取り出した。そしてその杖は,剣や槍に変化していった。

「彼女は魔女だ!悪女だ!一斉攻撃をしろ!」


 悪女。その言葉がリリスは少し刺さった。マスティマは彼女の表情を見ながら一緒に逃げていた。

『というかリリスを差し出せばいいんだろ?何をしたのか分からないけどさっさと自首しない?』

「するか!というか自覚ないし。うわっ近づいてきてるー…【透明化】」


 リリスとマスティマは透過して身を隠した。魔力も完全に隠したためバレることはないだろう。

「とりあえず追われている理由を考えよう。うーん心当たりしかない…」


 リリスはそう言うと,天使の方を見た。

『えっ何だい?こっちを見て…』

「はぁぁぁぁぁ…もう嫌だぁ…」


 透過して立ち止まっていると,修道女がリリスの方を指さして言った。

「ここに魔女がいます!誰か協力を要請します」

⦅うわぁ…バレてら!⦆

「【天使召喚】!四大属性の天使,ウリエルよ我々に指示を!」

 そう言った神父の周辺にいた教会の人間の魔力が上がった気がした。

「【魔力吸収】!」

『【憎悪の目】』

 二人がそれぞれ言うと,明らかにひるんでいた。

「なっなにを!それじゃあ…」

 アルティスタの首都が地獄絵図になるのを防ぐために,リリスは必死に神父を説得しようとした。

「待って待って!待ってください!貴方たちは誤解しています!」

「誤解も何も天使を懐柔させているんでしょう?」

「いや私,一級魔術師です!ほら今魔術使って見せましょうか!?というか天使の魔力吸っています!」

「「「…は?」」」


 教会の人間が凍ったように突っ立っていた。どうやら魔女として追っていた人間が世界最高峰の魔術師だとは思っていなかったのだろう。



「何か勘違いしていました…申し訳ございませんでしたっ!」

「あの…街半壊しているけど大丈夫そうですか?」

『リリスは遠回しにせっかくの観光が出来なくなるだろと言っている』

「そんなことないので!この天使が勝手に言っているだけなので!!」



 相互の情報を共有し,整理するために教会へ行った。

「あれカーラ?」

「カーラ君を知っているんですか?」

「ええ。だってカーラが降臨させた天使がこの人ですからー」


 周囲がざわついて,マスティマが一歩前へ出た。

『ああ。その女が僕を呼び出したんだ。すぐに気絶したみたいだけど。リリスがいなきゃこの世界が滅んでいたかもね?』


 マスティマがそう言ったあと,カーラに視線が向けられた。

「カーラ君,これはどういうことかな?」


 カーラは自分に責任が来るとは思っていなかったらしく,相当焦っていた。

「えっ!?私は何もしていません」

 彼女と神父が口論すると,ついにカーラが折れた。

「そうだよ!この女がうざいから悪いんだよ!そのせいでこんな事にもなったし…」

 彼女は最後までリリスのことを悪く言った。


「はぁ…なんで私って周りに敵を作りやすいんだろうね」

『魅力的な女性だからじゃないか?ほら現世では嫉妬があるらしいから』


 マスティマが他人事のような口調で言うと,リリスはムッとした。

『あとさ,なんでこの国に来たとかあるの?』

「たまたま立ち寄っただけだけど…あっ!カーティスのこと忘れてた!」


 リリスがカーティスを思い出し,探しに行くために教会を出ようとした。

「ねえその男,誰?」

 今までに聞いたこともないような低い声で訪ねてきた人がいた。カーティスだ。

『僕は彼女にこの国を案内してもらっただけ。なんか文句あるのか?』


 見えない火花が散った。そしてリリスは思った。

⦅さっきのより面倒な修羅場が来たぞ⦆


 そしてリリスは覚悟をして逃げる準備をした。

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