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なっちゃんの大切なうーこ

作者: 碧井 雨沙

私の名前はうーこ。


うさぎのぬいぐるみ。


なっちゃんが5歳の時のお誕生日に両親からプレゼントされて、この家にやってきたの。


なっちゃんは、もう10歳になった。


5年もなっちゃんと一緒にいる。


なっちゃんは、体がが弱くて病院に入退院を何度も繰り返していた。


うーこは、いつもなっちゃんについて行った。


いつだってなっちゃんと一緒。


なっちゃんの病気、うーこがかわってあげれたらいいのに。


なっちゃんはすごく体調が悪いときでもうーこのこと大事にしてくれる。


一緒に寝て、ごはんもくれるの。


ずぅーっと一緒にいるから、うーこは真っ黒うさぎ。


本当は、うすいピンクのうさぎだったけど。


でも、いいの。


うーこは、なっちゃんと一緒にいられてすごく幸せだから。


こんなにやさしいなっちゃんに、うーこは何にもしてあげられない。


うーこがぬいぐるみじゃなかったらよかったのに。


今日はすごく天気がいい日だった。


なっちゃんも体調がよさそうだ。


こんな日がずっと続けばいいのに。


でも、なっちゃんは、再び入院することになった。


お医者様が言うには今度はいつ退院できるかわからないらしい。


日に日になっちゃんが弱っていく。


ある日の満月の夜、うーこはお月様にお願いごとをした。


なっちゃんの病気を治してください。


なっちゃんのためならなんでもするよ。


すると、お月さまから返事が返ってきた。


本当になんでもするのかい??


うーこは大きくうなづいた。


なら、こちらの世界にきて、お餅をつき続けなさい。


うーこは、お月様の言う通りに月へ行くことにした。


なっちゃんのもとからいなくなることにした。


これで、なっちゃんが元気になるなら、それでいいと思っていた。


次の日、奇跡が起こったのだ。


まもなく尽きようとしていたなっちゃんの命だったが、なんと、病気が完全に完治したのだった。


お医者様もびっくりしていた。


なっちゃんは、昨晩夢を見ていた。


うーこが自分のことを助けてくれる夢。


そして、うーこがいなくなる夢を。。。


目が覚めたなっちゃんは、うーこがいないことに気付き探した。


だが、どこにもいなかった。


ママー、うーこ知らない?


昨日も一緒に寝てたんじゃないの?


なっちゃんは昨日見たのは夢じゃなかったんだということに気づいた。


うーこが自分を助けてくれたんだと。


それ以来なっちゃんは、満月が来るたびにお月様を見上げてうーこを呼んだ。


すると、なっちゃんには、うーこがお餅をついている姿が見えたのだ。


うーこもなっちゃんのことをいつまでもお月様から見守っていた。


いつか、またふたりが会えますように。

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