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saidレグリス

あなたはまるで光のようだった。


私はこの国の第1王子だった。だけど幼少期から見た目のせいでみんなから嫌われ続けた。王族なら明るい髪色が多いというのに私はヘドロが混じったような黒いような緑のような髪。瞳までそんな色だった。


両親は優しい人たちではあったと思う。

私が生まれ、その見た目ですぐ闇の精霊に愛されてることを悟った彼らは私をなるべく外に出さないようにした。

閉じ込められていた訳ではなくあくまでさりげなく、だ。両親は知っていたのだろう。私が外に出たら嫌がらせを受けると。


そして両親は悩んでいた。私を愛せないことを。どんなに愛そうとしても心のどこかで不気味だと思ってしまう自分たちを責めていた。


私はそれに気づいていたけど気づかない振りをしていた。優しい彼らをこれ以上悩ませたくなかったのだ。


そして私が8つになった頃弟が生まれた。両親に似たサラサラの金髪に綺麗な碧眼の美しい赤子だった。弟はレオナルドと名付けられた。


その姿を見て私は安心したんだ。


(よかった…これで彼らは自分の息子を心おきなく愛せる)


8歳にしては達観しすぎてたと思うけど私はそう思った。そして私の予想通り両親の愛は弟に一身に注がれた。両親はたまに思い出したように私を申し訳なさそうに見つめてくるから曖昧に微笑んでおいた。


彼らが中途半端に優しいから私は人を嫌いになりきれなかったんだ。今ではそれに感謝してるけど。


使用人たちも私のことを気味悪がっていたし、遠巻きにしていたけれど彼らもプロ。王族の私に嫌がらせのだするたまなんてことはなくただただ黙々と仕事をしていた。


たまに陰口を言っているのは知ってたけど特に咎めるつもりもなかった。こんな私の世話をさせられて可哀想だな、なんて感想しか浮かばなかったから。


そして私の婚約者は全く見つからなかった。次世代に闇魔法使いを産まないために両親が婚約者を積極的に探さなかったのもそうだし、私と結婚したいだなんて令嬢もいなかったし、私がそんな可哀想な令嬢を作る気もなかったのも原因のひとつだ。


だから私は両親に言われるまま魔法学校の教師となったのだ。

第1王子だけど当たり前のように王位継承なんてないも同然だった。私に王が向いてないのはわかってたしなんの不満もなかった。


だから私は自分から王位継承を剥奪してほしい。と両親に頼んだ。王族籍も抜いてくれて構わない、と。


ただ両親は私が王族籍から抜けることを許可しなかった。王族という庇護がなくなったら何をされるか分からない、お前を守らせておくれ。

と言われてしまったのだ。何を今更、とも思ったが私を思っての事だったからなんの反発もしなかった。


そして私は王位継承権だけを失い、第1王子のまま学校の教師になるという異例の人物となった。


教師となったけど特に今までと変わることは無かった。嫌がらせはされないけど遠巻きに悪口を言われる日々。

明らかに私を怖がってる生徒もいて申し訳なかった。


ただ、生徒たちは私の授業をちゃんと聞いてくれた。それで初めて私は私の存在意義を感じられたんだ。だから私はそんな彼らを守っていこうと心に誓ったんだ。

例え、彼らが私を嫌っていたとしても―――


だけどそんな私の生活は一変した。弟が入学してくるのと同じ年にその子はやってきたのだ。

最初から色んな意味で目を引く子ではあった。白金に輝くふわふわした髪の毛に、青空よりも透き通った水色の瞳。何より整ったその容姿。これはさぞかし目を引くだろうな、とそう思った。

ただ、彼女は違う意味で注目を集めていた。聖女を虐めた悪女の娘として。

母上を虐めた女の人の娘か。彼女も色々と大変だろうな、と不憫に思い何か力になれないかと思ったが嫌われ教師の私にできることは無かった。


そんな彼女と初めて関わったのは授業の中だった。いつものように適当にグループを決めたら彼女が余ってしまい私と実践をやることになってしまったのだ。


それに彼女は不思議な子だった。彼女からは漲る魔力を感じるのにそれが魔法の威力に伴っていない。きっと魔力と性格があっていないんだろうなとそう思った。

しかも彼女は私を誰だか知らないようだった。第1王子としてでは無くただただ先生として扱われた。


そして、私が魔法を使った時も。普通とは違う反応をした。


「先生!めっちゃすごいです!どうやるんですか?!」


目をキラキラさせてそう聞かれた時は驚いた。闇魔法を褒める人がいるなんて、と。

生まれた時から否定され続けた私の魔法が、初めて肯定された。今までの自分が少しだけ報われたような気がして少し泣きたくなったのを覚えている。


その後から彼女は私によく質問しに来てくれるようになった。最初は簡単な質問だったけど回数を重ねていくうちにより専門的な内容になっていった。

質問に答えられなかったら教師として失格だ、って焦ってさらに勉強したよ。久しぶりに勉強が楽しかった。


そして彼女は昼休みにまで私の元へ訪れてくれるようになった。わざわざ校舎の端にある私の準備室まで来てくれるのは凄くありがたかったけど何か誤解あってはいけないから廊下か図書館などの人目のあるところで勉強を教えるようにしていた。


「先生!すごいです!」


私が質問に答えると彼女はそう言ってキラキラした目で見つめてくる。そんな目で見つめてくるのは彼女だけだったからなんだか落ち着かなかったけどそれだけで心の中が温かいもので満たされていくのを感じた。


まさしく彼女は私の光だった。自分を、自分で諦めて暗くて淀んだ世界を歩いていた私にこんな道もあるんだよ!と全力で光っている星みたいだった。


人と話すって言うのがこんなにも喜びに満ちたものだということを君から教わった。


そんなある日、弟のレオナルドが私の元を尋ねてきた。


「兄上」


そう私を呼ぶ声には些かの嫌悪感と恐怖感を感じる。


すると弟は絞り出したように声を出した


「兄上はなぜ、母上を虐めた女の娘と親しくしているのですか…?」


レオナルドは痛そうなほど拳を握りしめている。

ごめんよ、レオナルド。私は君ほど母上を愛していない。だからそんなの気にならないんだ。


そう思ったがそんなことを言えるわけもなく


「レオナルド、私とネットウィーさんはただの教師と生徒の関係だよ」


と無難なことしか言えなかった


「ですが!兄上はあの女と1番に頻繁にあっているじゃないですか!」


そう言い募る弟に私は首を振る


「私に質問に来るのが彼女しかいないと言うだけだよ。私達は本当に勉強のことについてでしか関わってないよ」


「そんな!あの女が勉強目的であなたに近寄るはずがない!闇魔法使いである兄上に近づくなんて何か裏があるに決まって…っ!!」


レオナルドはそう叫んだが私の悲しそうな表情を見て、ハッとしたように口を塞いだ。


「そうだよね、ごめんね。私なんかを慕ってくれる生徒がいるわけないよね。レオナルド、忠告ありがとう」


「あの、兄上。俺はそういうつもりじゃ…」


「うん、わかってる。レオナルドは優しい子だから。ただ私を心配してくれたんだよね」


不安そうにそう言うレオナルドを出口へ促しそう言うと彼はほっと安心したような顔をした。


そして笑顔で弟を送り出しその姿が、見えなくなったのを確認すると私は床へへたりこんだ。


こんなこと、昔から言われていたことなのに。


闇魔法使いに近づく人なんていない。


今までは当たり前のように受け入れてきた事実だったのに。

彼女のくれる温もりに触れてしまった私にはその言葉がどうしても心に突き刺さった。

わかってる。レオナルドは優しい子だ。本気で私を心配して、本気で悪気なく言ったってことも。

ただ今日くらいは泣いてもいいだろうか。


明日も彼女が来てくれることを祈って情けなくも私は泣いてしまったのだ。



しかし、次の日から彼女は私の元にやってこなくなった。授業中に私と組むことになっても前みたいな笑顔は向けてくれなくなった。


そして廊下に貼ってある順位をみて納得した。


(私はもう、用無しか…)


正直魔法学について彼女に教えることなんてほとんど無くなっていた。そしてこの順位だ。もう私なんか必要ないんだろう。


そのことに私は寂しく感じてしまった。


悲しいなんて、そんなこと思ってはいけない。これが当たり前なんだから。


そう自分を納得させ、彼女との関わりがない日々にも慣れてきてしまった頃事件は起きた。


魔物が学園に大量侵入してきたのだ。


「きゃー!」


生徒の叫び声が聞こえる。私は一目散に飛び出して、あろうことか彼女だけを探してしまった。


うちの生徒は強い。魔物に襲われたからって直ぐには死なないだろう。

だが、彼女は違う。彼女は身を守る術を持たないのだ。素直に白状すると探していた理由はそれだけじゃなかったと思うけど。


―――いた


1つ目熊に襲われそうになっていた彼女を間一髪で護る。

そんな私を彼女は零れ落ちそうなくらい目を見開いて見つめてきた。


「あなたは、私と話すのはもう嫌かもしれませんが…私はあなたに死んで欲しくないので、1番に助けに来てしまいました。教師失格です」


本当に私は教師失格だ。1人の生徒を優先してしまうなんて、でも私はそんな自分に呆れながらも嫌な気分ではなかった。


少しでも罪滅ぼしするために他の生徒も助けなくてはそう思い彼女に


「さぁ、あっちが避難所です。私は他の生徒も助けなくては行けませんから早くお逃げなさい」


と声をかける。すると彼女は


「先生、私、先生のこと大好きです…絶対死なないでください」


と泣きそうな目で見つめてきた


「え?」


そんな言葉に私は素っ頓狂な声が出てしまった。

しかし彼女はそんな私にお構い無しで


「ありがとうございます!」


と言うと直ぐに避難所に行ってしまった。


自然と口元が緩む。


最期に、嬉しいことを言ってくれましたね。


―――これで悔いなく死ねそうだ。


いやむしろこんな日に死ぬのも悪くない、そう思ってしまった。


そさて一際大きな気配がする方へとかけて行った。


そこでは加勢しに来てくれた騎士団がダークフェンリルと戦っていた。


「私も加勢します!」


そう言ってダークフェンリルの前に立ちはだかる。

すごい威圧感だ。その時に私は相打ちを覚悟した。こいつを倒さないと大勢死ぬ。直感でそう感じた。


「私が引き付けている間に皆さんはけが人の撤退を!」


こんな大声初めて出した。


「他の方は私と一緒にダークフェンリルの相手を!もしくは周りの魔物を倒してください!」


そう叫んだ。しかし悲しいかな。その場にいた騎士たちは私の闇魔法に巻き込まれるのを恐れけが人を連れて全員他の場所へ行ってしまった。


(これを私一人で相手にしろと…?)


私だって魔法制御には自信がある。彼らに当てるようなことはしないのに。

まるで死ねと言われている気分だった。一瞬、世界を呪いたい気分になったけどさっきの彼女のことばで心が守られていたから大丈夫だった。


さっきはかっこつけて今日が命日でも悪くないな、なんて思ったけど本当に命日になっちゃいそうだな。そうしたら、彼女くらいは泣いてくれるだろうか。


そんなくだらないことを考えてしまった。


そこに弟とその護衛が通りかかる。


「兄上が1人で!加勢しなければ!」


そんな弟を護衛が必死で止める


「行けません!あなたは王家に国に必要なお方。私たちはあなたを守ることが使命なのです!」


「でも!」


「あなたの代わりはいないのです。どうかご理解ください。」


「…わかった」


そんなやり取りをして弟一行は去っていった。


もう、気が散るな。そっちが呑気に話してられるのも私がフェンリルと戦ってるからだぞ?

頼むから邪魔はしないでくれ。


それに、あの会話。同じ王族だと言うのにその差を見せつけられた気分だ。不愉快だな。

あぁ、今日はなんだか思考が暗い方に沈んでしまうな。


でもそんなことはどうでもいい。みんなを守んなくちゃ。

そう思って目の前のフェンリルを倒すことだけに集中する。


途中でお腹食いちぎられたし、腕も1本持ってかれた。


そしてそんな死闘の末、私はやっとの思いでダークフェンリルを倒したのだ。


と、同時に私はもうたっていられなくてその場に倒れた。だと言うのに誰も私に駆け寄ってくるものはいなかった。


『お前は、世界を恨めしく思わないのか? 』


そんな私に誰かが話しかける。当たりを見渡すとダークフェンリルがこちらを見ていた。


「君、喋れたんだね」


思わずそう声をかける


『お前は命をかけてあいつらを守ったというのに誰一人としてお前を助けに来ない。それどころかあいつらはお前の功績さえもなかったことにするだろう 』


「あぁ、そうだろうね」


私はダークフェンリルの言葉に同意する。


『憎いだろ、恨めしいだろう。闇の精霊に愛されしものよ。お前は魔王になる素質がある。誰もお前の思いに報いない、この醜い世界を壊してしまえ 』


フェンリルの目が妖しく光った気がした。だけど、私はそんなフェンリルの言葉を否定する


「思ったより、憎くはないかな」


『なに? 』


「きっと彼女のおかげだ。私は、彼女のいる世界を守れた。こんなにも名誉なことは無いよ。だからごめんね、君の手は取れない」


そう言って笑うとフェンリルは目を見開き


『そうか… 』


と呟くと目を閉じ動かなくなってしまった。


私も限界かな。


(死ぬ前にもう1回、彼女に会いたいな…)


そう思って目を閉じていると


「―――先生!」


どこからか彼女の声が聞こえた


「っネットウィー、さん…?」


うっすら目を開けるとそこには確かに彼女がいた


「せんせ、どうして」


彼女は涙をぼろぼろと流してそう聞いてくる。あぁ、頑張ってよかった。やっぱり彼女は私のために泣いてくれるんだ


そう思うと嬉しくなって自然と言葉がでた


「みんなが、あなたが無事でよかった」


言いたいことを言うともう目を開ける気力もなくなって再び目を閉じる。


「先生?ねぇ、先生!!」


彼女が、必死で呼んでる。でも応えられるだけの体力は残ってなかった。


「誰か!誰か!先生を救護室へ!」


彼女が必死に周りに訴える。

無駄だよ。みんな私が嫌いだから。ごめんね。辛い役割を、辛い思いをさせてしまって。


そう言いたかったけどもう口も動かせない。


誰かがつぶやく


「嫌ですわーーー」


あぁ、また私を貶める言葉なんだろうなと思った。でも、その瞬間彼女が私の耳を塞いでその言葉は聞こえなくなった。


あぁ、なんて幸せな死に方なんだろう。私は1人で死ぬと思ってた。誰からも愛されず誰も愛せず。私が息を引き取る時は隣に誰もいないものだと諦めていたのに。


実際いま私の隣には君がいて。私が死んでしまうのは嫌だと泣いている。それがとてつもなく嬉しかった。

私の死を悲しんで泣いてくれる人がいる。それだけで、この世界に生まれるのも悪くなかったな、なんて思ってしまった。


「先生、絶対死なないでね」


そう言って彼女が私の元を離れる。きっと私のために何かしようとしてくれているんだ。


くそぅ、この世界を生きるのも悪くないな。、なんで今更こんなこと思ってしまうんだろう。


自分のことは自分でわかってる。腕を取られ腹を食いちぎられた。血も流しすぎた。もう長くない。


段々と意識が薄れてしまう。ごめんね。ネットウィーさん。


でも私は君に救われたんだ。だから自分を責めないで―――


そう思って意識を手放して、私は死んだと思った。


なのに急激に意識が浮上して目を覚ますと


「う、」


「先生っ!良かった。良かったよぉ」


彼女が私に抱きついて大泣きしていた。

先程までとは魔力の質が大きく変わっていて驚いた。


先生無事でよかったぁ、と私に抱きついて大泣きしてる彼女に愛しさが込み上げる。あぁやっぱり私は教師失格だな。


そう思いながら彼女の背中をポンポンと叩いた。


「何が起きたかは分かりませんが、あなたが私のために頑張ってくれたことは伝わります。ありがとうございます」


最後の最後にこの世に未練が残ってしまった私を救ってくれた。感謝してもしきれない思いだった。なのに彼女は


「先生こそ、私たちを守ってくれて、ありがとうございました」


そう泣きながらお礼を言ってくれたのだ。

誰からも感謝なんてされないと思ってたのに。


「私はあなたにそう言って貰えるだけでも報われます」


「なんで先生はそんなに聖人なんですかぁ」


そう答える私を彼女は聖人だという。でも本当なんだ。私は君さえ笑ってくれればそれでいい。


その後変な人たちに絡まれたけどその後特に問題もなくその騒動は終了した。




***


それからレオナルドがやってきて


彼女に、兄上に近づくなと脅したのは自分だと。そうでなければ兄上は首にすると言った。彼女は兄上が第1王子だと知らないようだったから。


兄上に近づく不届き者だと思ったんだ。申し訳ない。


こう謝ってきた。もちろん怒ったけど彼女が私を用無しと判断した訳じゃないと知って喜ぶ気持ちの方が嬉しかった。


そして私は私と彼女の平穏で暖かい日々を取り戻した。




卒業の日


彼女と過ごせるのも今日で最後か。そう思うと心にぽっかり

穴が空いたような気がした。


「先生!」


初めてあった日から変わらない笑顔を浮かべて駆け寄ってくる彼女を見る


「先生!私はもう卒業しました!先生はもう先生じゃありません!」


なんとも嬉しそうに受け入れ難い事実を伝えてくる彼女に目を見張る。


「そうですね。貴方と会えなくなるのはやはり寂しいですね」


私はそう返すことしか出来なかった。しかし彼女は予想外の事を言ってきた


「先生、いえ、レグリス様。私はあなたの事を好いています。どうか、どうか私とお付き合いしてください!もう生徒じゃないので!!」


私は、困惑した。


…好き?


好きってあの、好き?


可愛くて天使のようなネットウィーさんが?8歳も年上で冴えない僕を?


そんな思いは気がついたら口から飛び出していた、


「ネットウィーさん。私なんかでほんとにいいんですか?私はあなたより8つも年上だ。それにあなたはとてもかわいい。私なんかよりずっといい人と付き合える。冴えないし、暗くて惨めな闇魔法使いなんかよりーーーーーー」


すると彼女はそんな僕を遮るように大声を上げた


「レグリス様!

私は、あなたより優しい人を見たことがありません!なんの対価も求めず人を助けられる人が、自分のことをなんかなんて言わないでください!あなた"で"いいんじゃないです。あなた"が"いいんです。他に好きな人がいるなら諦めますけど、そうじゃないなら私、ずっとつきまといますからね!」


思わず、泣きそうになった。今までこんなふうに言ってくれる人はいなかったから。

みんな私なんかいなくなって欲しいと思ってるのがひしひしと伝わってきたから。

だから、この気持ちを光のようなあなたに素直に伝えようと思ったんだ。


「とっても、嬉しいです。こんな私を選んでくれたのなら、私は一生をかけてあなたを幸せにします。」


きっと今までで1番幸せそうな笑顔だったと思う。すると彼女は


「〜!〜!大好きっ!私もあなたを守ります。一生離れませんから!」


と言って抱きついてきた。

あぁ神様。私はこんなに幸せでいいのでしょうか。今までの人生全てが報われるような気がして泣きたくなった。


そのセリフは私のものですよ。私こそ、あなたを一生離しませんから。




こうして私たちは付き合った。そして彼女のおかげだ闇魔法使いへの偏見も少しずつなくなっていった。


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