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殺奪  作者: 夏野
それぞれの世界編

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308/314

vs天神

先程、大扉の前で教えてもらった知識によると、天神とは最も大きく強い層の最高神であり、全ての層を束ねる神の王らしい。今まで謀反を起こした奴らは一人残らず天神に敗北したとかなんとか。


だが……。


「うちの最高神よりかは弱いな!うちを倒す前のいい肩慣らしになりそうだ!」


サータから感じる力は未知すぎた。それに対してコイツは圧倒的だが理解できる程度だ。創造神を倒したときと同じくらい本気で挑めば勝てない道理はない。


この異空間内に〈血霧〉を満たし、すべてに【聨眼】の効果を宿して天神を捕捉する。


「力も測れぬのか。愚かなり。中層から出てきたばかりの小童が、我を倒せるなど笑止千万。」

「はっ、こっちはずっと格上と戦い続けてきてんだよ。今更お前程度どうってことないわ。」

「そうか。我をここまで煽れるとはな。感心だ。爾の望み通り無限の苦痛を与えながら殺してやろう。」


刹那、俺の首と四肢が落ちた。


『気を抜いていたとは言え、俺が知覚できない速度の攻撃か。さすがは天神様。』


今の肉体を捨て、〈血霧〉を媒介に天神の後ろに肉体を再形成する。


「〈螺殺天(スピラーリ)〉。」

「その程度か。〈mv5"@/〉。」


こいつも結果を操れるのか。


天神が俺の方を向いていた結果が作られ、真っ向から蓋然剣と天神の剣がぶつかり合う。


ーザシュンー


すぐに力負けし、蓋然剣ごと体が斜めに両断された。


さすがに天神の攻撃を蓋然剣が耐えた可能性は存在しないか。


「〈貫穴〉。」


〈刹那〉で体勢を立て直し、まだくっついている腕にある蓋然剣を振るい、天神を突き刺さんとする。


ーカーンー


「ほう。傷がついたのはいつぶりだろうか。」


まじかよ。結構な不意打ちしたのに剣で弾かれ、頬を掠るだけで終わった。だが、蓋然剣なら少しだけならダメージを与えられることも分かった。


【無節制】で【無節制】の出力を上げ、指数関数的にステータスを強化していく。


「〈j0?,,!-〉。」

「……かはっ!?」


時空が歪むやいなや、最高神が俺の魂を斬り裂いていた。


「この程度の魔法も認識出来ないのだな。」


天神魔術とやらのオリジナルか。


『この程度で俺が死ぬとでも?』

「あぁ。我の権能でお前の魂は復元できないようズタボロにしてある故。」


本当だ。でも、創造神と戦ってる時に無理矢理魔法で魂を繋ぎ止めていたあれと大差ない。


「〈繋滞碇(ファスン・アンカー)〉。」


蓋然剣で自殺をすると同時に、魂に秘められていた全ての魔力を解放して天神を拘束しようとする。


「なっ…!?」


俺の無限の魔力を全て解放した碇は、さすがにちゃんと天神の魂を貫いてくれた。そして俺は【創造廻天】で蘇った。


「【創滅の深淵(システム)使用、条件最適化、〈螺殺終(オメガ・スピラーリ)〉】。」


血の体に溢れんばかりの魔力を込め、蓋然剣を構え、振る。


魂は間違いなく斬り裂いたが、まあそりゃこれくらいじゃ滅びんわな。いつもなら【殺奪】が蘇生より先にそのスキルを奪っていたが、さすがに天神相手だとそう上手くはいかないらしい。


一度死んだことにより拘束から解かれた天神が、俺の胸に剣を突き刺していた。


「はぁ、魂を殺し続けてるみたいだな?」


【創造廻天】で蘇った瞬間に魂が殺され続けている。おかげでまともに魔力も練れない。


「爾、死から逃れる術なし。」


気づいたら拘束魔法もかけられている。うーん、力技じゃ無理そう。


「〈8y:?-〉。この異空間に囚われ続けていろ。」


うわー、時間を無限ループさせてやがる。おまけに拘束魔法を通じて魔力を吸い続けられてる。


「お、逃げんのか?俺を殺せないからって?」

「よく吠えるな。」

「あ、後ろ見た方がいいよ。」


刹那、世界が両断された。ギリギリで反応した天神は、片手にかすり傷を負う程度だった。


「くそ硬てぇなぁ!【無節制】で限界まで出力上げた〈望〉でもギリギリだったぞ!」

「【権能】、断罪。」


いつぞやの時空神の天罪特効の自殺技で天神に微ダメージを与えつつ自分の魂を殺し切り、最高神の拘束から逃れる。


「【権能】、全能。」


殺血主(ヘグニ)〉の可能性を解放すると、無数の可能性が天神に攻撃を仕掛けていく。


「ブライアー!決めろーーッ!!」


いくつもの可能性が天神に殺されながらも俺は必死に足止めをする。


「〈刹那〉……〈望〉。」


ブライアが蓋然剣を振るった。


「がっ……あっ…」


天神のステータスが流れ込んでくるのを感じる。


「爾…驕るべからず……我が…この程度、で、滅ぶはず…なかろうて!!」


何かの権能で死を超克したか。だけど、既にもう天神のステータスとスキルの大半は俺の手中に収めてある。


「ん?今更足掻こうがもう出遅れだよ?長期戦になれば俺の負けだったが、少しでも魂を殺せたなら俺の勝ちは揺るがない。」

「たわけっ!!」

「おー、本気出したか。中々速いね。」


天神の斬撃を避けながら蓋然剣で腕を斬り落とす。


「【j50v6,,?!@】!」

「【権能】。」


天神が俺の存在はいなかったと書き換えようとしたので、【権能】で相殺する。


ステータス差がなくなって相手の権能がわかるだけでこんなに戦いやすくなるのか。


「【(〆].☆5】!!」

「【その権能を打ち消し、あと天神は動けない】。」


権能で作られた破壊の権化みたいな魔法を放たれたので適当に相殺し、おまけに先生の力で天神を拘束する。


「ステータス差がなければ俺の圧勝だったな。どうだ?格下に負ける感覚は。」


これは天神が弱かったんじゃない。天神のスキルはサータに劣らないレベルでステータスもカンスト×カンスト。天神が一撃で倒せない俺の不死性と【無節制】での無限の能力強化、〈望〉の必殺の一撃。今回はこれらに助けられた。


『爾は【天罪者】と呼ばれているのだったな。なら我らは爾に畏怖を込めてこう呼ばん。』

「天神が命ず。天罪人、カインを絶対に殺せ!」

「くそがよ!〈螺刹天(スピラーリ)〉。」


天神の魂に蓋然剣を突き刺しとどめを刺した。


「へー、天神のスキルめっちゃ面白いな!」

「ですね。このまま全ての層を天神の力で侵略しますか?」

「天神の命でおそらくすべての層が俺と敵対することになった。目撃者は先生とブライアが全員始末してくれたとは言え、監視カメラ的なのはあるだろうし増援が来るのも時間の問題だな。」


天神の分合わせてステータスは999999…×99999…。固有スキルの【天能】、【天術】、【権限】を獲得。もはや誰にも負ける気がしない。


天能▽

レベル-

あらゆる事象を操れる。この能力は層や他の事象など、すべての影響より優先される。


【権能】は記録した属性…すなわち俺が殺して奪ったことのある能力しか使えないが、【天能】は本当に全てを操れる感じか。統合して【権能】を強化しよう。


天術▽

レベル

この世のあらゆる事象をとても深く理解でき、すべての事象に関する技術を扱える。また、【天術】は【天能】と深い互換性を持つ。


すごい端的に書かれてるけど色んな技を使えるってことでよさそう。奥義をまとめて【天能】とリンクさせた感じだね。これも【権能】行き。


権限▽

レベル-

あらゆる事象が自身に敬服し、自身の事象がすべてより優先される。また、ありとあらゆる事象に干渉できるようになる。


おー、これがあったら創滅の深淵(システム)にもアクセスしやすくなりそう。これも【権能】にまとめちゃおう。それでいろいろ混ぜたり強化したものがこちら。


権能▽

レベル-

あらゆる事象への絶対的な干渉、閲覧、操作、支配権限を持つ。詳しい事象を記録していた場合、より高いレベルでの権限を持つことができる。


こんなもんかな。ついでに2人へのステータスの分配量を上げることにした。カンスト×カンストを俺含めてだいたい3等分した感じだ。もはや小指だけで世界を壊滅させることすら容易い。


「なあ、これだけの力があるんならすべての層を一気に壊せねぇか?」

「……それは人としてどうかなと。」

「さすがの私も引きましたよ。」

「おいなんで私が悪者みたいになってんだ!もう既に多数の世界を壊すのはやってんだから大差ないだろ!」

「それもそうですね。やりましょうか。」

「…いや、まだやめておこう。サータくらいの強い奴がいたら防がれて、大魔法の反動の最中に返り討ちに可能性がある。」

「天神のステータスがあれば平気だろ。」

「少なくともサータは絶対に俺の攻撃を防いでくる。先にサータを始末してからじゃないと徒労に終わるぞ。」

「確かにな。あいつは天神並みのバケモンだ。今から殺しに行くか?」

「そうだな。天神の命がどこまで効果あるかわからんし、早くに越したことはないだろう。」

「じゃあ私たちはカインの中に一旦戻ってるな。ステータスの面もあるし、お前さん一人で話をつけたほうがいいだろうし。」

「ですね。最高神なんかに負けたら承知しませんよ?」

「えぇもちろんです。後は俺がサータを殺して心の内を暴いて終わりですから。」

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