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殺奪  作者: 夏野
決別編

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天罪の王

『始まりの天罪者、その者の中には強大な力が宿っていました。言ってしまえば、魔王の器みたいなものですね。実際は魔王より魔王より凶悪極まりない存在ですが。』


『彼女の中には今もまだ2つの命が共存してました。1つは主人格である彼女そのもの、もう一つは天罪の力そのものです。感情に呑まれると出てくる口が悪いのが後者ですね。』


『ですが、私のせいで悲劇が起きました。』


もうコイツが全ての元凶だろ。


『あの頃、全盛期だった私はその持て余した力で余興を楽しみたくなり、ちょっとしたゲームを開きました。』

『まあ日本人ならチートスキルあげれば簡単に従うよね…。』

『マスターが学生の頃に攻めてきたあれも私ですね。あの頃はマスターに才能を感じなかったので殺すつもりでした。日本はアニメ文化で親しみ深いというのもありますが、土地的にも異世界に繋がりやすい場所でして、そういうのもあり日本人を転生させていました。』

『はた迷惑だけどたなぼたで嬉しい人も多そう。』

『それで本題ですが、秘めた力がレベチな彼女を舐めプして倒すべく、チート転生者たちを送り込み国を滅ぼしました。とか言いつつ、最後にはちゃんとミオの死滅の力で天罪の根源を殺しきったはずなんですけどね。まさか生き残ったとは。』

『さりげなく新情報出さないでくれる?』

『そういえば言ってませんでしたね。始まりの天罪者を殺したのはミオですよ。転生時に私が自ら力を与えた者の一人です。』


……ミオさんも殺すしかないか。あの死滅の力も役に立つだろうし、創造神を倒した後は彼女だな。


『とまあせっかく生き残ったのなら、弱ってるうちに隷属の権能で手下にしようかなと。まあ彼女はこの時間軸の人物ではないので、あくまで別軸の私も同じ行動をしていればの話ですが。彼女についての話はこれくらいですかね。他に何か気になる点はありますか?』


『そもそもなんで天使なんて嘘ついてスキルとして俺に宿っていたんだ?最高神であるお前が。』

『これもまたマスターがまだ知るべきことではありません。マスターが本気で私を倒しに来たときにでも教えてあげますよ。ま、私に匹敵する力を手に入れるなら、その過程で自力で答えに辿り着くと思いますがね。』


『はぁ、またそうやってはぐらかす。なんだったら教えてくれるんだよ。』

『そもそも敵前で情報を一方的に渡してあげてるだけ良心的だと思いますがね。』

『ごもっともで。じゃあもう隠す必要がないと思うから聞くけどさ、例の天使と悪魔の実験の全貌を教えてくれよ。』

『あぁ、あれですか。少ししつこいですね。あれの首謀者は私ですが、担当は融合神とか生命神あたりだったはずなので詳しくは存じませんね。私の知ってることとしては、その実験の産物の成功作がミーアってことくらいですかね。』

『ウリエルから忍耐奪ってミーアに渡して天罪を抑制、かつ忍耐を失えば今まで抑え込んできた始まりの天罪者に意識を呑まれてミーアの完璧な殺害が成功するってわけか。』

『そうですよ、マスターはもうミーアの記憶が読めるんですから私に聞く必要ないじゃないですか。』

『過程と結果はわかっても、サータの魂胆まではわからないじゃないか。』

『魂胆ですか。まあ確かに私という危険因子を放置できないのは当然ですね。さて、そろそろ質問大会も終わりにしましょう。マスターは憤怒を忍耐で抑え込んで理性を保ちつつ無限に魔力を増殖させ、ちょうど今完全に魔力とHPを回復させ終えたのでしょう?』

『怖いくらい当たってるな。これで創造神と状況はイーブンだ、負けることはない。』

『舐められたものですね。確かに創造神は戦闘向けではないとは言え、最高神に次ぐ最上位の神ですよ?創造神、解放していいですよ。それではマスター、私はそろそろお暇します。せいぜい頑張って生き残ってくださいね。期待してますよ。』


サータめ、言いたいことだけ言って逃げやがった。


「さて、最高神様の許可が降りた以上、私が負けることなどない。」

「うわ、まじかよ。いつの間にそんなにバフを重ね掛けしていやがった?」

「教える義理はないな。」


サータが解放していいと言った、すなわちこうなるとわかっていた。なら創造神が確実に入手しているであろう権能…創造の力か。理不尽にしか思えないが、創造の力でひたすらにバフを創り出し、あの問答の間ずっとそれをしていたのか?いや、創造の対象が魔力や霊子を含むなら?日常ではその力を抑えているものの、その裏ではずっとその莫大なバフを維持し続けているのでは?となるとそのバフの量は創造神が生きていた年数と等しいことになる。


「はぁーーー、どうやって勝てって言うんだよ。」

「お前は間違いなく強い。だが、その敗因は生きた年月が少なすぎることだ。本来、お前のような強さは数千年…いや、数万年かけてたどり着く領域だ。それを数十年で行ったのだから、力を存分に扱えなくて当然だ。もしあと数百年でも生きていれば、お前の権能を十分活かした必殺技や戦い方を見出だせていたことだろう。」

「そいつはどうも。でもお生憎様。こちらには原初の神であるサータが付いていたもんでね。戦い方も必殺も既にもう完成しているんだわ。」

「そう言うのなら、最高神様のお名前に恥じぬ戦いを期待している。」

少し短いですが許してください。

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