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殺奪  作者: 夏野
ドワーフの国編
229/313

vs断罪神①

修正点1/4

奈落世界でのデュラハンの依頼をSランクに変更。それに伴い、多少の追記と改稿をしました。


感謝1/5

ブクマ600ありがとうございます!

目の前に広がるのは、この前調停神と戦った裁判所のような光景だ。


テネスにはついてきてもらっていない。


「おい、いつまでロイナとワニ吉を人質にしてるんだ。」


「開放するとは言ってないぞ?」


「まぁ…たしかに。」


『納得しないでください。』


『そこは反論しろよ。』


外野がうるさい。


「で、俺になんのようだ?この前の契約を破った覚えも、敵対する理由も思い当たらないんだけど。」


「とぼけるのが上手いな。お前もわかっているだろう?だから私がここにいるんだ。」


「だって契約は…!?」


俺が言いかけると、断罪神がこの前の魔法陣を出してきた。


「お前にもわかるだろう?明らかに契約違反を示している。」


【深淵の神眼】で視ると、契約が破られ、術式が滅茶苦茶になっている。


「私は断罪を司る故、このような行為はスキルの効果でできない。なら、やったのはお前しかいないのだが?」


「俺はやってないんだけど…。誰かが改竄したとかないの?」


「乱竄神ならありえなくもないが…。私とあいつは仲が悪くも良くもないし面識も少ない。」


「うーん…。」


「だからお前しかいないのだ。破棄したからには死んでるはずだが…ともかく、破棄したのなら思い当たる節があるのだろう?」


「全くない。」


()かせ。最近、ここの近くで下位の神が殺された。創造神曰くZの魔物が死因だそうだ。なんでも、体を斬り刻まれ、首を刎ねられていたとか。ここらにいるそんな魔物はお前かこいつだけだろう?」


…ワニ吉もZなんだった。


普段の行動からZに見えない。


「俺でもそいつでもないぞ。」


「まぁいい。痛めつければ吐くだろう。最悪殺せば済む話だ。」


ん?


ここらへん。


Zの魔物。


斬り刻まれていた。


首ちょんぱ…。


……双子もとい一心同体(アンコーズ)じゃねぇか!


「待て、断罪神。その神を殺した犯人と(おぼ)しき人を知ってる。一回そいつに話を聞かないか?」


「ふむ…。すぐに会えるのか?」


「……今どこにいるか分からない。」


「やはりお前ではないか。」


「いや、待った。本当に違う。一心(アンコ)…「もういい、そんな言い訳は聞きたくない。」


「私なりに、契約を結んでくれたお前を多少は信じていたのだがな。どうやら私も耄碌(もうろく)したらしい。」


「いや、嘘じゃない。本当だって。お前だって俺とは()りあいたくないだろ!?な?考え直そうよ。」


「こうなればお前を断罪するしかない。神殺しの大罪人をな。今からここは法廷ではなく処刑場だ。【処刑場(ラ・モール)】。」


俺の眼下を埋め尽くしたのは、断罪というより大罪にふさわしいような拷問部屋だった。


普通の部屋のおおきさではなく、戦えるように中が広大に広がっている。


例えるなら体育館やジムみたいな。


「趣味悪いな。」


「やかましい。ここにお前を連れて来れた以上こいつらは用済みだ。」


「そういうのはフラグって言うんだぞ。」


ロイナとワニ吉を断罪神が上空に放り投げる。


世界地図(ワールドマップ)】で二人を俺の隣に【転移】させる。


「お兄ちゃん…。」


やっぱ妹キャラっていいわ。


シスコンになっちゃうかも。


「ロイナは【転移】で戻っていてくれ。ワニ吉は力を貸してくれ。」


「はいなのです!」


「う、うん。役に立てなくてごめん。【転移】。」


「話し合いは終わったか?」

 

俺は、右手で掴む鳳凰に魔力を注ぐ。


【増殖炉】が発動し、槍の中に蒼炎が充填されていく。


「それがお前の新しい武器か。かろうじて神器のようだが、真なる神器には遥かに劣るぞ?」


「知ってるさ。だが、ミミックとお前の相性も悪いから変わらん。」


左手には〈震霆閃電霹靂界雷ササ・エクサ・トネール〉と〈呪自壊詛自滅讐自爆マリデ・セマフ・デスメジュノ〉を〈羅纏(ポルテ)〉する。


さらに、【限界超越】と【耐性超越】をフル稼働させる。


フル稼働とは言うが、うん千万倍とかは出来ない。


体への負担を考えると。数百倍が限界だ。


続けて、【増殖炉】内の蒼炎を解放し、全身に纏わせる。


【限界超越】程ではないが、【炎の恩寵】によりステータスが結構上昇している。


今回は本気でいかなければ死ぬ。


俺が負ける。


「ワニ吉。盾形態だ。」


「なのです!」


俺はそれを左手で掴む。


『焼ける!焼けるのです!!』


あ、やべ。


ワニ吉にも二つの魔法と蒼炎を〈羅纏(ポルテ)〉させる。


『ふぅ、助かったのです。』


最後に、【蝋の翼】を発動する。


時間制限がない以上、初めに使った者勝ちだ。


【増殖炉】がとてつもない速さで蒼炎を増加させ、俺のステータスがみるみる上昇していく。


それに合わせ、赤色だった鳳凰が服、靴、槍全て蒼炎のような空色に変わっていく。


翼ってつくのに翼は生えないのか。


ちょっと残念。


「さぁ、こいよ。断罪神。」


「待ってやったのだから楽しませろよ?」


断罪神は両手で大鎌を握っている。


「【以往(いおう)】。」


そう言うと同時に鎌を空振りさせた。



怪しいけど行くしかない。


【神駆】を創ると同時に、断罪神に向けて【神駆】する。


「〈刹那〉、〈火の鳥〉、〈蒼炎の軌跡〉。」


〈刹那〉にて断罪神に攻撃があった可能性を現実にする。


初めてこの武器を使うので不安はあったが、ステータス上昇があるため鳳凰がこの勝負を結末を握る。


なので、この武器を使うしかない。


〈火の鳥〉の効果にて鳳凰の…なんていうんだろう。


刃のところ…名前に槍がつくけどバルディッシュだから穂先ではないし、刀身でいいか。


鳳凰の刀身に蒼炎があつまる。


蒼炎の集まった見た目は、さながら鳥のようだった。


くちばしがちょうど刀身の先端だ。


〈蒼炎の軌跡〉にて鳳凰の通った場所に蒼炎が残存する。


そのまま断罪神に向けて鳳凰を突き刺した。


「……。」


その時、断罪神がほくそ笑んだ。


すぐさま【思念支配】にて【思考加速】し、【世界地図(ワールドマップ)】の【転移】で後ろに後退する。


「避けたか。」


危ねぇ…。


『確証はありませんが、未来に向けた攻撃だったのでしょう。あのまま飛び込んでいたら真っ二つでした。』


断罪神なのに時空の攻撃をするのはよくない!


「【既往(きおう)】。」


断罪神は一歩前に出て大鎌を振るう。


「ぐあっ……。」


俺の左手が突如斬り落とされた。


斬撃か?


それとも魔法?


『今度は過去に向けて鎌を振るったと思われます。』


過去…。


確かにあの位置は先程まで俺がいたところだ。


だが、これはこれで好都合。


新スキルを試すチャンスだ。


【血液操作】にて飛び散った血を集める。


斬り飛ばされた左腕は魔力と化し、斬り口から【神速復元】の効果にて新しい腕が生えてくる。


そして、蒼炎が再び左腕を覆う。


他の魔法は纏うだけ魔力の無駄だな。


『鳳凰に他の魔法って纏える?』


『無理ですね。〈燃焼焚熾燒灼爍煌爆焮レグレーム・ギャ・ジグネヴァゼ〉はスキルで例えるならゴットスキル相当です。ミミックは最上位の武器なので多重掛けが可能ですが、鳳凰は神器の中でも最下位なので〈燃焼焚熾燒灼爍煌爆焮レグレーム・ギャ・ジグネヴァゼ〉が精一杯です。あ、マスターの魔力で補強すれば、他の魔法の多重掛けも出来ると思います。』


『ほうほう。』


『マスター!早く拾ってくださーい!』


『あ、忘れてた。ごめん。』


俺は再生した左手でワニ吉を掴む。


ワニ吉に蒼炎を〈羅纏(ポルテ)〉。


続けて俺の血をワニ吉に纏わせる。


俺の血はただの血ではなく、腐蝕、侵食、暴食などの効果がある。


それぞれがゴットスキルなので対魔法なら最強だ。


ワニ吉のスキルも合わさり、物理に関しても魔法に関しても最硬(さいこう)だ。


「断罪神。お前を殺してそのスキルを奪い取ってやる。」

次は明々後日(3日後)です。

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