VS首無騎士(デュラハン)
改善点10/11
家を買おうに値下げ交渉を追加しました。
感想を下さった方、まことにありがとうございます。
報告10/11
誤字報告ありがとうございました。
報告10/12
日付に関しては、例として「1/2」なら2023年の1月2日のもの、「10/12/2024」なら2024年の10月12日のものです。(年が書いていないのは2023、書いてあるものはその年)
感謝10/13
誤字報告、感想助かっています。2023、10/13あたりにしてくれた方、いくつもありがとうございました。最近感想も多く、励みになっています。なぜ感想が急に増えたのかは謎ですが。(知らない間に日間ランキング入った可能性小。)
『奥義…〈冥界埋葬〉。』
話せぬはずの暗黒騎士がそう言葉を発した。
『上…ではなく下から来ます。』
【万物感知】が地面…ではない下から来る何かを感知した。
この速度じゃ〈飛行〉じゃ避けきれない。
迎え撃つ…!
「奥義、〈守護之剣〉、〈破壊之剣〉!」
2つの奥義で俺への被害の緩和と相手への攻撃増加を起こす。
さぁ、かかってこい!
その時、地面から無数の大剣が現れ、俺を串刺しにしていた。
これは…暗黒騎士の大剣か。
やばい…!
下から伸びる無数の大剣はこの神殿全域の下から飛び出てくる。
俺はすぐさま〈飛行〉と〈絶無界〉でテネスさんを守る。
俺のHPが刻一刻と減少していく。
剣を引き抜こうにも触ると〈亡霊の呪い〉というのを受けてしまい迂闊に手が出せない。
くそ…。
ミミックの今の奥義ではこの剣は壊せないな。
新たに〈無痛之剣〉という奥義を発動させる。
〈無痛之剣〉で俺の心臓より下を切り落とし〈飛行〉で上に逃げる。
HPは29,303,456,872/34,536,798,471となった。
この奥義は痛みがないだけでなくHPを減らさずに攻撃を可能…体を斬ることができる。
流石に魂を両断したらHPが0…死ぬかもしれないけど。
暗黒騎士は大剣を地面から引き抜き奥義を解除する。
「カインさん!」
「大丈夫です!」
〈完全回復〉で斬った部位を復元する。
やられたら同じ方法でやり返すしかないよなぁ?
ミミック(剣)を仕舞いクサナギを取り出す。
「〈災禍の妖刀〉!」
魔法を解除し地面に着地すると同時にクサナギを地面に突き刺す。
それが〈冥界埋葬〉のように地面から無数の刃が突き出る。
暗黒騎士は無抵抗に、その身に受ける。
「〈土蜘蛛ノ傀儡強撚絲〉。」
黒の魔法陣から糸が伸び出し暗黒騎士の四肢を拘束する。
拘束されたのを確認すると、クサナギの奥義を解除する。
念には念を。
俺は、【固定の魔眼】で暗黒騎士を睨みつける。
〈詛焔呪焱讐黝熾〉に〈呪自壊詛自滅讐自爆〉を使う。
〈詛焔呪焱讐黝熾〉は瞬く間に黝ヶ と燃え盛る。
「〈詛焔呪焱讐黝熾〉。」
黝い炎を暗黒騎士に投げつける。
〈詛焔呪焱讐黝熾〉は暗黒騎士の鎧を燃やし、溶かしていく。
『〈霊界ノ手〉。」
白の魔法陣から…何も出ない?
すると、〈詛焔呪焱讐黝熾〉は何かに掴まれるよう引き剥がされた。
〈霊界ノ手〉はそういう魔法か。
魔法とはいうが魔力消費はほぼ0で外部から力を借りてるな。
便利そうだ。
『【深淵の神眼】で解析が終了しました。あの魔法は、過去の自分の魂の力を借り、それで魔力を代用してます。よっぽど〈時間魔法〉が得意ではない限り過去から魂の力を借りるなど出来ません。スキルのサポートが大きいのでしょう。』
『これって俺も使えるのか?』
『私のサポートありでも過去から力を持ってくるほど〈時間魔法〉は使えません。ですが、魂の力は魔力の代用品です。単に、魔力であの魔法が使えます。』
『おぉ!魔法陣の解析は…?』
『もちろん完璧です。いつでも使用可能です。』
『流石サータ!』
「首無騎士!その魔法、貰ったぜ。〈霊界ノ手〉!」
白の魔法陣から不可視の腕が伸びる。
それで暗黒騎士を鷲掴みし、拘束する。
これ、同時に何本も顕現させられるな。
まぁ、置いておこう。
俺は、クサナギを仕舞いフラガラッハを取り出し、構える。
「お疲れさん、未練に囚われた亡霊。安らかに眠れ。」
俺は、フラガラッハを暗黒騎士の魂に突き刺す。
「〈神威浄化〉。」
◇◇◇
「カインさん、お疲れ様です。」
「ありがとうございます。」
『マスター、お疲れ様です。首無騎士から奪ったゴットスキルですがどうしますか?』
『使えそうなのはそのまま獲得、いらないのはてきとーに統合しちゃって。』
『畏まりました。こちらが、首無騎士から奪ったスキルとなります。』
彷徨亡霊▽
レベル-
物理干渉不可:ありとあらゆる物理的干渉が不可能になる 封
彷徨い:このスキルの保持者は大事な何かを忘れる、またそれを思い出すことはない 封
亡霊:レベル10相当の【霊子攻撃耐性】、【攻撃耐性】、【浄化耐性】、【光系統攻撃耐性】を得る
亡者:過去の自分への干渉を可能にする
冥界騎士▽
レベル-
冥界の使者:冥界の固有属性を操れるようになる
首無し騎士:レベル15相当の【剣術】、【霊剣術】、【体感補正】、【未来視】、〈呪詛魔法〉、〈霊冥魔法〉、〈影手魔法〉を得る
過去の願い:【彷徨亡霊】の【彷徨い】を思い出す可能性が生まれる
騎士道:心が魔物になることは無い
なんというか、このスキルを見てるとあいつは魔物所なかったのかなって…。
まぁ…もう、殺してしまったからなぁ……。
うん、未来を生きよう。
『サータ、固有属性って何?』
『固有属性とは固有スキル、固有魔法などの総称とでも言うべきものです。例えば、鎖の固有属性なら〈鎖縛魔法〉と鎖関連全てのスキルを合わせたものを鎖属性と言います。』
『ということは冥界属性を使えるってことは冥界系のスキルや魔法を全部使えるってこと!?』
『はい、その通りです。』
やっば……。
「では、帰りますか。」
「ですね。」
◇
テネスさんとギルドに行き冒険者カードを提示した。
「お疲れ様です。討伐欄を確認しますね…首無騎士を確認しました、依頼完了です。こちら、報酬の3万ビーケになります。」
ここもビーケなのか。
『ビーケというのは商売神の名前です。ですので、大半の世界ではビーケが主流です。』
なる。
というかさ…Zの魔物討伐してたった3万か…。
しょっぱい。
まぁ、Fランクの依頼だし仕方ないか。
俺はテネスさんと家に戻った。
「この3万はテネスさんが使ってください。」
「え!?……別にいいですよ。カインさんが討伐したんですからカインさんのものですよ。」
「食事と泊めてもらってる分ですよ。気にせずに、貰ってください。」
「……分かりました。代わりに、このポーションを貰ってください。」
【深淵の神眼】で視ると魔力が全回復するポーションらしい。
「ありがとうございます。」
俺はポーションを飲み干す。
すっげ、俺の世界なら国宝クラスの効果だな。
「〈影踏み〉。」
ですよね、そんないい感じに終わるわけないよね。
『マスター、〈閃光〉の魔法を使ってください。』
「〈閃光〉!」
光が当たり一面を照らし、影を無くす。
しかし、テネスさんの家は突然に、ぐしゃりと潰れた。
俺とテネスさんは〈絶無界〉で守る。
「テネスさん、大丈夫ですか?」
「え……あ、はい!ありがとうございます。」
ポーション飲んでなかったら魔力切れで危なかったな。
で、あいつは何だ?
俺の目の前に日本人顔のおかっぱの女の子が降りてくる。
「お前は何者だ?」
「あたしはこの世界の守護神にして、遊戯神の天鈿女命。この世界の異物を排除しに来たよ。」
「この奈落世界は神に見捨てられたと聞いてたんだがな。」
「それは間違いだよ。最高神に見捨てられたのが奈落世界なの。普通の神は見捨てた者も見捨ててない者もいるよ。」
「カインさん、あの方はこの世界を取りまとめる神、遊戯神様です。異世界から来たカインさんを殺そうとしてると思います。」
「ということはあいつを殺すしかないと。…こんな町中じゃ迷惑だよな?」
「それはあたしも賛成。僕の神域に行こうか。」
「それを断れば?」
「君の住んでいる創滅神様の世界を壊す、かな。」
俺の世界って創滅神が仕切ってたのか。
「分かった、行こう。」
「カインさん、お気をつけて。」
「店は本当にすみません。でも、この世界の神なのに俺が殺すのを止めなくてもいいんですか?」
「…カインさんの方が大事ですから。」
「……ありがとうございます。生きて帰ってきますね。」
「じゃあ、行こうか。〈あたしとお前は転移する〉。」
言霊か。
俺はその強制転移に抵抗せずに、身を委ねた。
次は明々後日(3日後)です。
説明10/16
ルビを振ってるのは造語か難しい漢字です。今回のような黝ヶとかは完全に造語なので間違えて使わないようにしてください。




