奴隷と買い物
ステータスの装備、武器について。
武器は本人が武器だと思っているものが適用。
装備も同様ですが魔力、スキルなどの宿っていない普通の服や靴は装備にカウントされません。
翌日
「おはようございます。ご主人様。」
俺が昼目覚めて服を〈創造〉し着、部屋から出るとドアの前にロイナがいた。
服は昨日のまま変わっていない。
「あぁ、おはよ。」
今日は休日だ。
珍しくミレアもミーアも、両親もアペタイトたちもミナ先輩とアリサちゃんも出かけており最上階の住人は俺だけだ。
折角だしロイナの服とか買い物に行くか。
「ロイナ、服とか欲しいか?」
「必要ございません。」
「……。」
まぁ、奴隷ってこういうものだよな。
「命令だ。お前の装備類を整えに行くぞ。」
「畏まりました。」
◇
今回は王都ではなく学園の周辺の服屋に来た。
「好きなのを選んでいいぞ。」
「ご主人様のお好きにどうぞ。」
「好きな服の種類とか色とかあるか?」
「メイド服…「命令。」…白か黄色です。種類にこだわりはありません。」
ロイナの容姿はもちろんロリっ子だ。
髪は緑…黄緑のロングだ。
耳はエルフ耳でとんがっている。
あとロリっ子なので美少女。
服かぁ…。
俺、センスないから自分で選んで欲しいんだけど命令で自分で選ばせるのはなんか違う気がする。
サータはこういう系に疎い。
疎いというか全く役に立たない。
うん、もうこれでいいや!
近くにあったクリーム色のワンピースにした。
「靴は…これでいいか?」
これは完全に適当だ。
文句を前世私服はパジャマ兼用ジャージだった俺に文句を言われても知らない。
俺は会計でお金を払い店を出た。
「誠に有難う御座います。」
「〈形状変化〉、〈衣装交換〉。どうだ?」
〈形状変化〉でサイズをロイナにあわせて服と靴を着せる。
「有難う御座います。」
「ロイナは武器の中では弓が1番得意だよな?」
「はい。」
「じゃあ弓を買おうか。」
「有難う御座います。」
「あ、敬語じゃなくてタメ口でいいぞ。」
「ですが…「いいっていいって。じゃあ命令だ。」
「分かり……分かった。ねぇ、ご主人様のことなんて呼べばいい?」
「何でもいいぞ?ご主人様でもカイン様でもお兄様でもお兄ちゃんでも。」
やっぱり妹枠は欲しい。
「じゃあお兄ちゃんって呼ぶね。」
「……。……!?」
後半二つは冗談だったんだが。
前世で妹がいたからちょっと似てるから懐かしいなぁって思ってお兄様とお兄ちゃん呼びを出したけど本当にやるとは。
まぁ妹キャラは大事、ロリキャラ並みに大事だ。
あ、俺はロリコンではない…と思う。
結婚するなら普通の女性がいい。
結婚といえばクロムとリーシヤはまだ結婚してない。
お互い恥ずかしがって親が結婚を勧めるも断固拒否してるらしい。
「お兄ちゃん呼びはダメ?」
う、上目遣いだと!?
「一度許可したものは仕方ないしお兄ちゃん呼びでいいよ。」
「やった!」
「じゃあ弓を買いに行こう。」
今回は俺が作る気はない。
チート持ち転生者がチート武器を味方に配って無双ってのがあるが楽して強くするのは本人のためにもよくない。
クロムとリーシヤの武器?
知らんな。
◇
俺とロイナは武器屋に来ていた。
弓自体そこまでなり手がいないのであまり数がない。
そのせいか全て普通級だ。
まぁたまにはいっか。
「これがいい。」
ロイナがザ、エルフの使っていそうな木の弓を持ってきた。
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ウッドアロー
種類 弓
階級 普通級
スキル
狙撃補正
飛距離増加
概要
木でできた弓
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値段は数千ビーケだしこれでいいか。
矢は〈創造〉でいいだろう。
「これ、お願いします。」
「はいよ。4300ビーケだ。」
「これでお願いします。」
「おつりの銀貨7枚ね。毎度ありがとうございやしたー。」
「どっかで試しに撃つか?」
「うん。」
……俺、ロリコンなのかもしれない。
◇
俺たちは〈転移〉で世界樹のある森に来ていた。
「ねぇねぇお兄ちゃん、世界樹がどうしてここにあるの?」
「昔、どっかの誰かがエルフの里から持ってきたらしい。」
「私も森人の血を引いているから世界樹が神様のお手伝いをする神聖な木でエルフがそれを守ってるって聞いたことあるんだけど。」
「と言われてもなぁ…。」
『〈深淵の神眼〉なら多少の情報は分かるかもしれません。』
「そういえばそんなの獲得してたねぇ。」
「お兄ちゃんやってみてよ。」
やっぱり俺、ロリコンかもしれねぇ。
「〈深淵の神眼〉!」
スキルを発動させ世界樹を視るとステータスのような感じに文字が並んでいく。
『要点をまとめると魔王がこの大陸を守るために未来で植えたらしいです。』
「魔王というと俺をミミックから助けたヤーインか?」
『未来に関することは神界規定によりお話できません。』
「ふむむ……。」
「ヤーインさんって誰?」
「その話は気になるならサータに訊け。」
「お兄ちゃんのケチ!…サータ、今度教えてね。」
『はい。』
「世界樹は今はいい!取り敢えずは試し撃ちだ。」
俺とロイナは少し歩き魔物の出る範囲まで世界樹から離れる。
そしてマップで魔物を確認する。
「そこにちょうど子鬼族がいるから試しに射ってみ。…っと、矢はこれな。」
〈創造魔法〉で創った十数本の矢と矢筒を渡す。
ロイナは矢筒を背負い矢を1本取り出し構える。
「えいっ!」
そして放った。
ビュンッという音ともに子鬼族の脳天を撃ち抜いた。
「グギャッ!?」
「おぉー!上手いな。じゃあ次後ろの鬼人いってみよう。普通の矢じゃ一撃じゃ仕留めきれないぞ。」
「風の矢よ。〈風矢〉!」
魔法と共に放たれた矢は魔法の風を纏い威力と速さを増し鬼人の金的を射抜いた。
「グオォォ!?!?」
突然急所を射抜かれる鬼人さん、ご愁傷様です。
痛みで怒り狂った鬼人がロイナ目掛けて走ってくる。
「風の矢よ、敵を射抜け!〈風矢〉!」
今度は木の矢を使わずに風を矢の形にして弓を構えた。
弦を引き魔法の矢を放った。
矢はロイナに襲いかかってきている胸部を的確に撃ち抜いた。
「どう?お兄ちゃん!」
「すげぇ。正直舐めてたわ。」
「えっへんっ!」
無い胸を張るロイナ。
まだ中1の歳だし仕方ないか。
「帰りに何か食べてくか?」
「うんっ!」
帰りに俺たちはバーガー店に寄っていた。
ハンバーガーも昔の転生、転移者によって広められている。
というわけで知識チートによる生産革命は出来ません。
「美味しいね。」
「俺からしたら食べ慣れた味だなぁ。」
前世の食生活。
基本自炊して料理。
こう見えて家事力あり。
だが仕事が遅くなったりした時はマから始まるバーガー屋のハンバーガーとポテトとナゲットにコーヒーだ。
あ、コーヒーはミルクと砂糖マシマシね。
だからバーガーを食べてると少し前世を思い出す。
「お兄ちゃんってまだ15でしょ?メイドさんや執事さんがいてそんなに食生活偏ってるの?」
「ちょっとした昔の話だよ。」
「あ、まだ平民の頃の?」
「今も一応平民だからね?」
「昔はそんなにバーガーばっか食べてたのかぁ…意外。」
「正確にはそうじゃないけどまぁそんな感じかな。」
「あ、お兄ちゃん私お金持ってないどころか何も働いてないんだけど。」
ロイナがバーガーを食べつつ話しかけてくる。
「いいよ別に。子供は遊びと勉強が仕事だし。もともとなにか働かせるために買ったわけじゃないし。」
「え、性的な事のために買ったんじゃないの?」
「違うよ。知っての通り〈万象眼〉で鑑定してて面白いし奴隷いないかなぁって見てたら半森人のがいたから買おうかなって。そしたらたまたま性奴隷だっただけだ。」
「じゃあ私が性奴隷として売られるために頑張って手に入れた性関連のスキルはどうすれば!?」
「忘れなさい。」
「うー……。」
「将来恋人ができたらその時にでも使え。」
俺は小さい子に何を言ってるんだろう…。
「はーい。」
「よし、食べ終わったし帰るか。」
「うんっ。」
次は明後日です。




