文化祭本番③
ブクマ、いいね、評価ありがとうございます。
ブクマ300突破!!
前半は魔石と魔法道具について長ったらしく説明してるだけなので飛ばしてもらっても問題ないです。
カイン視点
最終日の午前の部が終わり午後の部となった。
午後の部のはじめの方で俺の両親とメラスの両親と思われる人たちがきた。
思われる…というより確定事項だけど。
マップと鑑定で人物まで把握できるため誰がどこにいるかは完璧に分かっている。
でさ、普通は両親に挨拶するだろ?
珍しく今忙しいんだよ!
なんだよ、テロリストって!
入学式の時もそうだったけどおかしいだろ、いろいろ!
そのため俺は抜け出している。
教室では〈幻影魔法〉の〈幻覚虚像〉を使い俺がいるかのようにみせている。
さらに〈幻聴虚音〉で俺の声もいつでも再現できるようになっている。
まぁ、その制御も俺じゃなくてサータがしてるんだけど。
サータも流石にこれ以上は無理らしいのでテロリストの相手は俺がすることになった。
ちなみにテロリストの存在を知っているのは俺だけ…だと思う。
先生やリーシヤあたりなら気づいてるかもしれないけど。
ちなみにミオさんとシンヤさんは昨日来たため今日はいないので俺がどうにかするしかないのだ。
3人のテロリストは学園の全設備に魔力を供給する魔宝石のあるコントロールルームだ。
サータいわく魔宝石とは通常の魔石と違い魔力を人為的に魔力を注入できる特別な魔石だ。
魔宝石を持つ魔物は最低でもZ-以上の強さらしい。
Z-以上でも100%持っているわけではなくZ-は1%程度。
Zで5%程度。
Z+からはその強さに応じるらしい。
平均で10%、魔神レベルの強さだと200%くらいらしい。
あ、絶対にという200%ではなく本当に2個持っているらしい。
普通の魔物も稀に2個持っているのもいるので強ち間違いどころか正解なんだろう。
それで魔宝石は基本的に街に一個ありその街を納める領主の屋敷の地下にありそこから魔力を供給して各家庭の水道や灯、火に使われる。
もちろん日本と違いこの世界では全て魔力で補われている。
魔宝石の魔力で〈水魔法〉や〈光魔法〉などで水道や街灯を整備している。
各家庭では冒険者が手に入れた魔石をギルドが魔石を売る店に売り出し魔石の店で各家庭や各企業が買う。
値段はピンからキリまであり小石ほどの魔石もあれば魔宝石のような宝石のような綺麗な石も、隕石のような巨大な岩の魔石もある。
基本的には大きさが大きいと飽和している魔力が増える。
その魔力を使い魔石の購入者が魔法道具を使用する。
魔法道具は俺のように直接魔力を込めて使う奴もいるが一般人や剣士系の職業の人は魔力が少ないので魔石を使用して魔法道具を使う。
魔法道具といっても必需品となる風呂沸かし機やエアコンみたいなの、戦闘系の補助アイテムまでいろいろある。
必需品となる魔法道具は使用魔力が低くなっている代わりに魔石をセットして使うのが多い。
逆に言えば俺のように直接魔力を使い使用できないのだ。
話を戻すと魔石は小さいのでも一万程の魔力が込められている。
魔宝石は1億くらいが最大らしく大岩サイズだと数千万なんだとか。
うん、閑話が長すぎたな。
閑話休題!
そんなわけでテロリスト達はバハムス学園の全設備を維持する魔法道具を動かす魔宝石を壊そうとしているのだ。
もし破壊されると学園に貼られている魔物避けや魔法を防ぐ結界が割れる、灯や水道系が一切使えなくなる、そして何り行き場を失った魔力が連鎖崩壊を読んでこの学園にいる人の魔力が暴走してここら一体に大魔法が放たれて更地になる。
原理としては魔宝石内にあった魔力が殻を破られて止まれなくなり空中に魔力が溢れる。
空中に散った魔力が周囲の魔素を強制的に集める。
そしてその魔力は唯一の行き場となる魔力に適正のある俺たちの体に入る。
そうすると体内の魔力と魔宝石の魔力は混じり合わないため結局体から弾き出される。
その結果、弾き出された魔力は無属性の魔法でない魔法として放たれ集められた魔素に干渉し大爆発を起こさせる。
空の魔石や空きのある魔宝石を持ってきた場合はそこに空中に散っているまりよが吸い込まれる…が同じく適合しないため弾き出される。
魔力は初めはみんな無属性だが人それぞれ微妙に違う。
そのため〈魔力譲渡〉の魔法は高難易度なのだ。
というわけでコントロールルームにゴー!
◇
俺はリーシヤが最近開発して重宝しているという〈結界魔法〉の〈魔力秘匿〉。
魔法の使用者の周りに透明で薄く自身の魔力のみ遮断する結界を張る魔法だ。
サータが本気で忙しいため仕組みを訊けないため仕組みは不明だ。
ちなみに魔力を隠したのはそういったスキルや魔法道具対策だ。
【魔力感知】に【魔力視】、魔力に反応する魔法道具は数多く存在するため気配や熱よりかも魔力の隠蔽が大事なのだ。
さらに〈幻聴虚音〉で足音を消して【万物感知】とマップの指し示す方に進んでいく。
少し進むと魔宝石のある開けた空間に出た。
これ以上進むとバレてしまう。
ここからじゃ流石に見聞きできないか。
〈無属性魔法〉の〈千里眼〉に〈地獄耳〉を使いテロリストの会話を盗み見&盗み聞きする。
「おい、魔宝石の破壊のための魔法はできたか!」
「…爆発はすべてを飲み込む…」
「まだです、出発前にこいつが言ってたんですが俺達の安全を確保しつつ魔宝石を破壊するほどの〈爆発魔法〉の制御は無謀なほど難しいって言ってたんでボンッってなりたくないなら頭も話しかけないほうがいいと思いやす。」
「分かった。あとどれぐらいかわかるか?」
「魔法陣を見る限り1分もしないと思いやす。」
「ふむ…ならば待とう。」
「了解です!」
うん、やばいな。
剣だと魔法を使われる可能性があるし魔法でいくか。
久しぶりにインベントリから杖を取り出した。
リーシヤの得意魔法を借りるか。
「氷よ、凍てつき我が敵を捕らえよ!」
「何者だ!?」
「頭ぁ、どうしやす!?」
「…爆炎よ……ッ!?」
「お前は構うな!詠唱を続けろ!」
「燃え盛りすべてを燃やしつくせ……」
「〈氷結束縛〉!」
俺の杖から放たれた魔法は地面をどんどん凍らせていき頭と呼ばれてた男とやすが語尾の男を氷漬けにした。
氷はそのまま直進して魔法使いの足からどんどん凍りついていく。
「……〈超大爆発〉!」
氷漬けにされる瞬間、紙一重で詠唱を終わらせた魔法使いが魔法を放った。
俺はすかさず【思念支配】の〈思考加速〉を使い状況を的確に把握していく。
〈爆発魔法〉が魔宝石に放たれた。
男の魔力が魔法陣を通して魔宝石に向かっているため爆発間際。
結論、オワタ。
いや、まだ間に合う。
あの魔力ごと凍らせる…止められればいい。
頭の中で詠唱をする。
我が敵よ、絶対零度の氷の地獄に堕ちよ!
この世に在る全ての氷よ、それらは永遠に溶けることなき零度の氷…!
「〈氷結地獄〉、〈絶対零度〉!」
地獄の氷が吹き荒れ魔力…魔法陣ごと凍らせてしまった。
しかしそれはすぐに破られるはずだった。
何しろ〈爆発魔法〉は火系の最上位なのだから。
しかし〈絶対零度〉による〈氷魔法〉の強化で〈氷結地獄〉は溶けることのない氷となった。
よし!
魔宝石は無事だね。
となるとあとは簡単。
〈創造魔法〉で紙を作りこう書いた。
『衛兵の皆さんへ
この氷漬けの人達はバハムス学園を破壊しようとしたテロリストです。〈傀儡支配〉をかけてあるので尋問すればすぐに吐くので詳しいことは本人たちに訊いて下さい。※〈傀儡支配〉は今日の24:00ぴったりに効果を失います。
勇者より』
〈傀儡支配〉は上位の〈精神魔法〉で対象の自由意志を奪い行動を操れる魔法だ。
強力なので抵抗されやすく必要な魔力も多いのが欠点だけど俺なら問題ない。
よし、やっと文化祭を楽し…『現在どこも店仕舞いを始めています。必死になっていたため気づいてないと思うので教えると5分前に文化祭は終了しました。』
『ちなみにマスターの両親もメラス、リーシヤ、クロムの両親もすでに帰宅済みです。マスターの両親は早めに切り上げて帰り際だったミナが〈空間魔法〉で一緒に送り届けてくれました。』
『それは助かるな。』
俺も早く戻って文化祭の後始末するかぁ。
自由はなかったけどそれなりに楽しかったな。
久しぶりに前世の…それも学生時代を思い出した。
次は明後日です。
後始末(ただの片付け)シーンまでは書く気がないですしまた長々と説明編というのもあれなので無かったことにして次の章…ではなく次のシリーズに行きます。
とうとう温泉回だぜ!(まだまだ導入部分などはありますが)
温泉回が終わったら数年後に飛んで次の章です。(やっとカインたちが成長します)




