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名前などない「僕」の詩集

君からの愛が欲しかったから、君を愛した

作者: 僕

僕の心は黒色だ


だって僕は、偽善者なのだから


人に優しくするのは、自分に優しくしてほしいから


人を励ますのは、自分を励ましてほしいから


人を好きになるのは、自分を好きになってほしいから


人を愛すのは、自分を愛してほしいから




僕の心は黒色で


僕の行動全ては、偽善なんだよ


下心があるのだから


上辺を取り繕っているのだから


本心を隠しているのだから


見返りを求めているのだから


君からの優しさが欲しかったから、君に優しくした


君に励まして欲しかったから、君を励ました


君に好いて欲しかったから、君を好きになった


君からの愛が欲しかったから、君を愛した




僕は、偽善者なんだよ


見返りを求めて、君に近づいた


君からの愛が欲しくて、君に愛を囁いた


君からの愛が欲しくて、君を愛した


君の愛を独り占めしたくて、君に愛を捧げた


君からの――愛が欲しかった


君からの愛を――独り占めしたかった


ただそれだけのために、君と愛を誓いあった




僕の心は黒色で、僕は偽善者だ


君に全てを打ち明けたら、君は許してくれるのだろうか?


もう、隠すことは出来ない


もう、隠していることに耐えられない


もう、君からの真っ直ぐな愛を裏切り続けることは出来ない


だから僕は君に……全てを打ち明けようと思う


君を愛した――君に愛されたくて


君に愛を捧げた――君の愛を独り占めしたくて


君と愛を誓いあい、君からの愛を裏切り続ける罪悪感に――耐えられなくなった




僕はどうしようもない、偽善者だ


心の色が黒く染まっている、偽善者だ


そんな偽善者の僕は、君からの愛を信じて、君からの愛に報いるために


僕の醜い本性を、君に打ち明ける



けれども、僕はやっぱりどこまでいっても偽善者なんだ


君に僕の本性を打ち明けるのは


「これからも、君からの愛が欲しい」


「これからも、君からの愛を独り占めしたい」


「これからもずっと僕だけを愛し、僕だけの君であってほしい」


「僕の本性を打ち明けることで、君とより強く愛しあいたい」


という利己的な考えが含まれているのだから……




















   こんな僕でも、君は愛してくれますか?








       君からの愛が欲しくて








        君を愛した僕を








      君は愛し続けてくれますか?











































     例え君からの愛が貰えなくても





      僕は君を――愛しています


































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― 新着の感想 ―
[良い点] たとえ偽善だとしてもそれが 愛と呼べるなら偽りではないと思います。 下心があったとしても一番大切なものを 見失わなければ、いつかゴールにたどり着けるかも しれません。
2022/06/12 23:51 退会済み
管理
[良い点] なんか…、改行の仕方とか、そういうスペースの使い方がお上手ですね……。圧倒されました(´⊙ω⊙`)すんげぇ。 迫力が凄い。思わず下にスクロールしたくなっちゃいます。いつ次の言葉が放たれるか…
[良い点] あなたは偽善者ではないと思います。 偽善者の下心は、偽善者本人にさえ隠されます。相手には、ありがたくない親切に見えると思います。彼らは人を好きにはなりません。人を好きな自分に酔うために、…
2022/03/13 15:30 退会済み
管理
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