表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

緑なる星にて第3回■連邦軍戦士であったクリアキンは過去を思い出す。残った地球人のコミュニテイを順次、ロウ星人がつぶしていく。その時にイアラにあい、恋に陥る。だがクリアキンは戦いの中サイボーグとなる。

緑なる星にて第3回

(1978年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



平線までも埋めつくすロケットの墓場から部品を捜しだせるとクリアキンは考えていた。


「それにしても何と寒々とした所だ」

クリアキンは自分の艇を隠す場所として選んだこの地域を見て思いあたった。


 地球人の運命を象徴するようにロケットの大群が打ち捨てられている。がっての宇宙開

発時代の。よき時代の名残りでもある。その支配者たる人類は彼以外にはもうこの星には

いないのだ。


 羊船団が飛び立った後、ロウ人は徹底的な攻撃をしかけてきた。地球のあちらこちらに隠

れ住んでいた人達は狩りだされ、殺されていった。


■クリアキンは連保郡戦士の一人だった。



攻撃が始まった時。彼は食糧機構の管理する農場にいた。


 核戦争のシェルターが使用されていないまま。農場の地下に維持されていた。クリアキンとその

当時農場にいた人々。及び農場の近くの人間が。それをこれからの住いとした。


外部との連絡がとだえたまま、数ケ月がすぎ、クリアキンと数人は近くの都市へ偵察にでかけた。

 その都市、。マロム市の廃墟の中でクリアキンはイアラに出会った。 


 無人の街の中を、仲間の戦士たちを求めて歩いていたクリアキンは、ロウ人の小型戦闘ロボットに追いかけられている少女をみつけた。

金髪をふりみだしながら彼女はにげていた。ロポットにとっ。て無防備な地球人をつかまえることは余りに簡単だった。


物かげからその様子を見ていたクリアキンは人類戦士の名誉にかけて、そのlm90mの長身に闘志をこめて、ろmをゆうに越えるロウ人の全戦闘タイプロポプトにむかっていった。


 20才をすぎてはいないだろうそのやせ形の少女を助けるために。自らがおとりとなった。

かろうじてロボットを行動不能におとしめたものの、2人の仲間に助けられた時、クリアキンは満

身創痍だった。


少女の案内で近くのコンミューン(共同体)につれていかれたクリアキンはそこで可能な限りの手術を受けた。彼は超人的な力を手に入れることができた。


彼はサイボーグ手術を受けたのだった。が失なったものも

多かった。彼のエネルギーは無限に思えたが。


何年かに一度太陽光線変換器をとりかえなけれぱならなくなった。それは彼の命の源だっ

た。

 傷がいえ、コンミューンを出る時.イアラはクリアキンについてきた。


愛がめばえていた。


イアラはロウ人襲来以前の記憶を失なっていた。

父や母はどうなったのか。兄弟姉妹がいたのか、それさえも覚えていなかった。

そんな話がでたとき、クリアキンに対してイアラの青い目をみつめるクリアキンに言うのだった。


 「私は過去を失なってしまったわ。でもクリアキン。今はあなたがいるわ。あなたが私の未来なの。」

クリアキンはイアラの茶色の目を見つめ思うのだった。


俺はイアラを愛していると。

しかし、 クリアキンとイアラがこのコンミューンに別れをつげた時。一人の男がささやいた。


「クリアキン、あの女イアラにぽ気をつけろ。災皆を生むかもしれない。あの女はどこからきたのかわか

らない。しかし彼女がいたコンミューンは、順番にすべて焼きはらわれる。


しかし彼女生き残っているといううわさ話がある。ここだけの話だぞ。では気をつけていく」


 クリアキンの表情は変り、怒りをこらえ、そして言った。

「おたがいに気をつけよう」


■クリアキンとイアラぱクリアキンがもといたコンミューンに帰り、しぱらくの間は平和な生活が続きそうだった。


 仲間の一人が、クリアキンが手術を受けたコンミューンへ行き、知らせをもって帰った。

そのコンミューンの人々が皆殺しにあって誰もいないという話だった。


■2ヶ月後、クリアキンとイアラはシェルターを離れ、狩猟を楽しんでいた。ク

リアキンの眼は赤外線探知をすることができる。動物の体温による白い熱球が彼の眼に感じられる。獲物はすぐに手にい

れることができた。クリアキンの投げだす小石は秒速60mにもなり、獲物の肉体をつきやぶるのだ

った。


何キロもはなれていたクリアキンのシェルターの方ら大きな音がきこえた。

クリアキンはイアラをそこに残し時速50キロmでシェルターにかけつけた。


不意打ちを受け、シェルターは破壊されてた。死体が散らばり、物がくすぶっていた。

間の一人はまだ息があった。かすかな声では言った。


[イアラだ。イアラを殺せ。場所をしらせたのは1だ。女を殺せ」

その仲間は死んだ。


ショックから立ちなおったクリアキンは、まだあたりに残っているかもしれないロウ星人に気をつけ

ながら.イアラのいた所へもどった。


 クリアキンはイアラの肩をつかみ、それをゆする。イアラの目を見つめる。


「イアラ、本当に君は。君なのか。ロウの操り人形なのか」


 イアラは不思議そうな顔をした。


 「そうだな。やはり。君が知るわけがない。」

 とにかくクリアキンとイアラは逃げのびた。


 けれどもロウ人の戦闘ロポプトが度重って襲来してくる。

今度は以前のクリアキンではなかった。サイボーグの強力な戦闘能力を持つクリアキンだった。



緑なる星にて第3回

(1978年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ