16
うん。うるさくてあんまり休めなかった。
何で?もう十分も経ってるのになんでずっとわらってんの?こわいんだけど。
「アイは体調はどう?休めた?」
「問題ありません、いつでも行けます。」
テルは立ち上がり、アイはふわふわ浮き上がり、テルの肩に乗った。
「よし、それじゃー行こー。」
そんなゆるいかんじで攻略が再開された。
「ここ曲がった先だよね、あいつらの笑い声。」
「おそらくは。」
さてどうしようか、声的にいっぱいいそうだよね~。
「まぁまずは定番の偵察から行きますか。アイ、頼める?」
「はい。それでは、行ってきます。」
そう言い、アイは地面すれすれまで降りると、チラチラと曲がり角の先を見始めた。
なんか、動きがかわいいな。小動物っぽい。
あ、戻ってきた。
「マスター、この先は大体ですが、15m四方の部屋になっていて、ホブゴブリンが10匹、武装したホブゴブリンと思われるのが、3匹いました。」
「ホブゴブリン達は何をしてた?」
「えっと…肉を食べてました。」
え?それだけでずっと笑ってんの?こわいんだけど。まぁ魔物の生態なんか興味ないし別に良いんですけどね。
「どうされますか?」
どうするかなぁ。流石にごり押しは厳しいだろうしねぇ。
遠距離からチクチク針で刺す?火力足りないし最初は当たっても途中から避けられる。
壁出して圧殺☆は魔力が足りなくなってむりそうだね。
「う~んどーしようね?」
ダメだ全然思い付かないわ。
「ステータス見ながら考えるか。【鑑定】」
名前 テル
種族 吸血鬼
性別 男
年齢 16
レベル 8
体力 85
魔力 129
攻撃力 24
魔攻 79
防御力 24
魔防 74
速さ 45
スキル 血液操作レベル5 再生レベル3 闇魔法レベル3 鑑定レベル4 眷族化 体力回復速度上昇レベル1 魔力回復速度上昇レベル1
称号 魔王 虚弱体質(特殊)
あ、新しいスキルが付いてる。魔法に関しては使える魔法が浮かんでくるから上がったのは分かってたけど。
「今さらだけど速さってさ、意味あるの?ずっとあるいてるけど歩くスピード全然変わんないよ?」
「え?そういわれましても…私はマスターからもとの世界の知識は受けとりましたが、この世界に関する知識は誰かに受け取ったわけではないので分かりません。」
「だよねぇ~、それじゃあ一回走ってみれば分かるか。」
「え?今から走るんですか?足音でバレませんか?」
あっそっか。確かにバレるかもしれないわ。
「まぁあとで検証するとして、いけるか分からないけど作戦、決まったよ。」
考え付いた作戦をアイに話す。
「大丈夫ですかね、この作戦。穴だらけじゃないですか?」
「無理かな?」
個人的にはうまく行けそうなんだけど。
「最善を尽くします。」
「よし、それじゃあ始めようか。」
ぼくらはこそこそと作戦を開始した。