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死んだっぽいから鑑定してみたところ、さっきの敵はホブゴブリンという名前だった。
解説のような事が書いてあったのだが、なんとも言えない内容だった
ホブゴブリン
ゴブリンの進化形態のひとつ。体だけが成長していて、中身は変わっていない。
「と、とりあえずまぁ進もうか。」
ま、まぁ速くてちょっとだけビックリしたけどね。
歩いていると、たまにホブゴブリンに出くわした。全員遠距離から攻撃するだけで倒してしまうので、安全に倒していたが、一匹だけ鎧を着たホブゴブリンがいた。遠距離攻撃でボロボロになりながら近づいてきて、あと少しで攻撃ができるかも?というところで息絶えてしまったが、一応ホブゴブリンナイトというホブゴブリンか、ゴブリンナイトという魔物の進化形態のようだった。
「このフロアひろいね~。」
「そうですね~途中で曲がったりはしましたが多分これまでのフロアなら二つぶんはもう歩きましたね。」
そう、これまでのフロアはうねうね曲がったミミズみたいな、いかにもな洞窟だったが、このフロアは違っていて、まっすぐなみちを左に曲がり続けているのだ。そして少しずつ曲がるまでの間隔が短くなっている。それはこのようにもとらえることができる。
「そろそろ中心につきそうだよね?」
脇道があるぶん普通のうずまきみたいな形より速く内側に行けるので、あと何回か曲がればつくのだと思われる。
「そうですね…あと二回くらい曲がればつくと思います。」
「あと少しだね。一応一つ曲がったら休憩してご飯にしよっか。」
「わかりました。ですがそろそろ食料がなくなってしまいますね。」
そう、入る前に頑張っていっぱいとった食べられる実たちもそろそろ全部なくなってしまうのだ。転生する前と同じかっこうだったので、リュックは背負っていたのだが、トレントに貫かれてしまっていてあまり量が入らなかったからだ。
「脇ポケがなかったら即死だった(謎)」
「何を言っているんですか?」
少しあきれたような顔でそう言われてしまったが、そんなこんなしているうちに曲がり角に着いた。
「さて、食べようか。」
二人でちっちゃい実を食べていると、遠くから多くの笑い声が聞こえてきた。
「うわっ、聞いたことがありそうな汚い笑い声だ、食事が不味くなる。」
「…酷い言い様ですが、まぁそうですね。」
ここに来るまでにも何回か聞いたゴブリンの笑い声だ。しかし、これまでとは違い、いくつもの笑い声が重なって聞こえる。
「多そうだなぁ、ゴブリンのGはゴキ◯リのGなのかな?」
わりと本気で一匹見つけたら百匹いそうだと考えながらご飯を食べるのであった。