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「…今更だけどアイ、さっき浮いてたよね?」
「はい。浮いてましたが?」
「どうやったら浮けるの?」
「え?マスターは浮けないんですか?」
「浮けないから聞いてるんだよ…」
「そうですか…じゃあ何となくですが魔力を背中の羽に込める感じでやれば浮けます。」
「羽に魔力を、っとおお!浮いた!」
浮いた!ドラ◯もんの足がほんの少し浮いてるやつみたいな感じだけど浮いた!
「あまり魔力消費しないようですしイメージ次第で結構自由に動けるみたいなので意外と便利かも知れませんよ、マスター。」
と言いながら僕の肩から飛び降りてアイが空中で一回転する。
「すごい!僕ももっと飛んでみる!」
拙い動きだが少しずつ高度を上げる。そしてついには今いる森の高さを越えた。
「お~、すご~い。めっちゃきれいだ。」
見渡す限りの大自然、地平線の先までずっと森が続いているようだ。そしてこの景色のなかでもっとも目を引くのが、とても大きな木、いや、樹だ。ギリギリ目に入るのがやっとなはずの距離にあるにも関わらずそれでもその樹は目に入る他の木よりも圧倒的に大きかった。
「すごいね。」
「はい、すごいですね、マスター。」
「これからの目的としてとりあえずさっきのダンジョンが終わったらあそこにいくの目指して見ようか。」
「そうですね。どんな旅になるか今から楽しみです。あとお腹すきました!」
「あはは、確かにそろそろお昼時だね。一緒に食べよっか。」
そんな話をしながら僕たちは地面までゆっくりと下降していった。
――――――――――
「アイのスキル確認していい?」
昼ご飯を食べ終わって僕はアイにそう言った。
「あ、はい。確認して大丈夫ですよマスター。」
「それじゃ~【鑑定】」
名前 ルナアイ
種族 ダンジョンコア(特殊)
性別 女
年齢 ―――
レベル 1
体力 30
魔力 50
攻撃力 15
魔攻 25
防御力 10
魔防 20
速さ 10
スキル 血液操作 レベル1 風魔法 レベル1 水魔法 レベル1 闇魔法 レベル1
称号 魔王の従者
「何だと!?僕より…マトモな…ステータスだと?」
僕の完全に魔法に振りきっているステータスと比べると少し魔法に偏っている位で全然マトモだった。しかも三個も魔法の属性あるみたいだし…
「えっと、元気出してください、マスター。」
「う、うん。ごめんね。少し動揺しちゃったよ。よし。とりあえずこれからはアイの本体と魔法のレベル上げだね。」
「頑張ります。」
そう言って気合いを入れている顔はとてもかわいかった。