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モンスター ベイビーズ  作者: 虎木龍太
3/17

第2話 モンスターベイビー

今回から戦闘描写が入ります。初めて書くのでかなり難しいです。自分の文章力で書けるか不安でなりません。

P.M 7:00


「さーて、片付けも終わったし、帰ろうかな!」

「天堂先生。もう帰るの?」

「はい。お疲れ様でした!」

「近頃この辺も物騒だから、気をつけて帰るのよ?若い女の子が夜1人で歩くなんて危ないから。」

「大丈夫ですよー。」

そんな会話をしながら職員室を後にする。


外は真っ暗で月の光がうっすら辺りを照らすだけである。

(うーん。確かに夜になると街灯も少ないし、人通りもあまりないから、なんか不気味。そういえば、この先の公園を抜ければ近道だったな。)

広い公園の敷地内に入るが、人もほとんどいない。すると、どこからか子供の泣き声のようなものが聞こえてくる。

「うっ。ヒック。」

「だ、誰?」

よく目を凝らして見ると暗がりに動く小さな影。恐る恐る近づいてみる。

「!」

「ユウシくん?どうしたの?こんな時間に。お父さんとお母さんは?」

「せんせー。」

目に涙を浮かべうずくまっている少年もこちらを見る。

よく見ると少年の服には血のような物が大量に付いている。

「血?どうしたの?どこか怪我してるの?」

「僕じゃない。向こうの人の・・・」

言われて奥の方に目をやると、誰か倒れてる。慌てて近寄り確認する。30代くらいのスーツを着た男が倒れていた。

「大丈夫ですか!?」

声をかけるが、反応がない。息もしていないようだ。

(き、救急車!警察も。これって、連続通り魔?)

「せんせー。」

不安そうに泣きながら近づいてくる少年に気づき、抱き寄せる。

「もう大丈夫だからね。安心して。すぐ救急車と警察の人呼ぶからね。」

「やっぱり先生いい匂いがする。」


「とてもウマソうダ。」


明らかにさっきまでの少年の声とは違う低く、重く、冷たい脳に直接響くような声。

驚き咄嗟に少年から離れる弥生。


ミシッ。バキッ。

異様な音を立てて少年の身体が膨張している。

あまりに突然の出来事に、思考が停止してその場に立ち尽くす。

音がしなくなり、思考を必死に戻し、少年の方を見た。しかし、そこにいるのは少年ではなく、3メートル近くある異形の化け物だった。

(えっ?なにこれ?どうなってるの?ユウシくんは?あの怪物なに?足が、動かない。)

異形の怪物が数歩近づき、その大きく長い腕を振りかぶる。

(う、動けっ!)

咄嗟に横へ飛び、寸前の所で腕を避ける。

ドンッ!

という大きな音と共に地面の破片が辺りに飛び散る。

(死ぬ!逃げなきゃ!)

回らない頭をフル回転させて、思い浮かんだのはそんな事だったが、生物の生存本能が足を動かし、その場から弥生を走らせる。


「ハッ!ハッ!ハッ!」

どのくらい走っただろう。途方もない時間走っていたような気がする。公園の遊具の影に隠れて身を潜め、さっきまでの出来事を思い返す。

(あれが、通り魔事件の犯人?人ってゆうか化け物なんですけど。ユウシくんがあれになったの?頭がついてかない。あれがこの公園の外に出たらパニックになる。私が止めないと。)

ふと、思い出し鞄の中を漁り何かを探す。

「あれ?ない・・・」

「・・・・・」

(銃を保育園のロッカーに忘れたーーー!!!)

※弥生はドジっ娘である。

(ヤバイ!あんなの素手でどうにかなる相手じゃない。どうしよどうしよ!取りに戻る?あんなの外に連れ出したらそれこそパニックに。)

考えている間に、離れたところから足音が聞こえる。

ジャッ。ジャッ。

人間のそれとは違う、大きな爪のあるような足音。

どんどん近くなってくる。

「・・・・・」

(止まった?)

その時、視線とともに背筋に寒気が走る。

上を見ると先程の怪物が弥生を見下ろしていた!

「!!」

ドガン!

とゆう轟音と共に弾き飛ばされる弥生。

かろうじて受け身を取りながら遊具を見ると、ペシャンコになり見るも無残な遊具の後ろで怪物がこちらを見ている。

(ヤバっ!つっ!?)

足に走った痛みに目をやるとふくらはぎの辺りから出血をしている。

(避けきれなかった。次来られたらマズい。)

「グゥヴヴゥぅぅ」

どう猛な動物のような唸り声をあげ、怪物が近づいてくる。

「ガァァァアアァー」

大きな雄叫びと共に突進してくる怪物。振り上げられた腕を避けようとするが、足の痛みで動けない。

(ダメだ!間に合わない。)

ズンっ!

鈍い音と共に弥生の体は5メートル以上吹き飛ばされる。車に跳ねられるような衝撃を受け、地面に転がる弥生。

「ゴホッ!」

(痛い。私、ここで死ぬのかな?もう、動けそうもないし。)

朦朧とする意識の中でうっすら目を開け考える。

(まだ全然楽しいことしてないや。結婚とかもしたかったな。彼氏もいない寂しい人生だったな。死ぬ前にこんな事しか考えられないなんて(泣))



テクテク

涙で霞む視界の先を小さな足が通り過ぎる。

「だから言っただろ?気をつけた方がいいって。」

(?誰?)

ふとあの時のことを思い出す。

(あの時の声。)

目を凝らして声のする方に視界を向ける。そこには銀髪の小さな後ろ姿があった。

「!」

ハッとして目を開ける。

「サラくん!?どうしてここに?つっ!ゴホッ!ゴホッ!」

「うるさい。気が散る。黙れ。」

(えーーー!?怒られた。てゆーか、喋ってる。2歳児なのに?どゆこと?頭が付いていかない!)


「グルルルルぅぅ」

「威勢がよさそうだな。相手してやる。来い。」

「え!?あっ、危ない!」


咄嗟に声を上げる弥生をよそに、怪物はサラ目掛けて腕を振り下ろす。

「ガァァァアア!」

ドゴ!!

地面が砕ける音に驚き目を閉じる弥生。

「おい。邪魔だ。退いてろ。」

目を開ける前に体が持ち上がり中に浮く感覚がする。

「えっ!?ちょっ!」

目を開け飛び込んできたのは地面からこちらを見上げる怪物と10メートル近く遠ざかった地面。

「キャアァァァ!ちょっ!高い高い!落ちるー!」

「黙れと言ってる。」

タンっ

一度ステップして弥生を投げ捨てるサラ。

ドサっ!

「うっ!」

全身の痛みで小さく声を漏らす弥生にサラは続けて言う。

「そこで大人しくしてろ。」

「待って!あいつは何?」

「・・・・あいつは、鬼だ。」

「鬼?」

弥生の問いかけを遮るように鬼と呼ばれた怪物に突進していくサラ。

(鬼?あの化け物の事?てゆーか、今サラくんめっちゃジャンプしてたんですけど、てゆーか、足早すぎじゃない?わけわかんない。)


鬼の攻撃を小さな身体で寸前の所でかわすサラ。

「もうそろそろだな。」

攻撃を避けつつなにかのタイミングを見計らっている。

すると鬼は片方の腕を思い切り地面に叩きつける。地面が割れ、飛び散った破片がサラを襲った。

「目眩しのつもりか?」

「危ない!!」

弥生の悲鳴と共に鬼のもう片方の腕がサラに向かって振り下ろされる。

「チッ。」

ゴッ!!

鈍い音と共に小さな体が吹き飛ぶ。砂煙を上げて転がる小さな体。

「サラくん!!」

弥生の絶叫に気づき、鬼が振り返る。

「ひっ!」

一歩ずつ近づいてくる鬼。弥生に逃げる体力は残っていない。

(もうダメ。)

そう思い目を固く閉じ、覚悟を決める弥生。

「おいおい。まだ終わってないぞ?」


その声に気づき、声が聞こえた方に目をやると、サラが吹き飛んだ砂煙の辺りからこちらに近づいてくる足音がする。

「さあ。本番はこれからだ。覚悟はできてるか?」

サラの子供の声ではなく、青年の声だった。

砂煙が晴れて視界が良くなる。そこにいたのは、銀髪の若い男。

身長も高く、かなり整った美形の顔立ちをしている。俗に言うイケメンとゆうやつだ。

そこには幼い銀髪の男の子だったサラの面影が少しあるように感じる。


「サラ・・・・君?」

青年に向かって尋ねるが、青年は弥生に一瞬視線をやり、すぐに鬼を見る。

「ゥヴヴゥ。」

鬼の様子が少しおかしい。

(怯えてる?)

そう思った刹那。鬼は雄叫びと共に青年に襲いかかる。

「ウガアアアァァ!!」

鬼の突進に怯むことなく、青年は跳躍してそれをかわす。

早く、そして高い。

「武具換装。「白龍」。」

そう言うと、青年の手の甲が光り、刀の柄が出てくる。それを一気に引き抜き、鬼に向かって振り下ろす。


一瞬だった。

青年が着地すると同時に鬼が真っ二つになり地面に崩れ落ちた。

青年は倒れた鬼に目もくれずこちらに歩いてくる。

「動けるか?」

心配しているのとは違う、冷たい口調で青年は聞いてきた。

「あなたは?」

朦朧とする意識の中、やっと出てきた問いかけに青年はメンドくさそうな顔をして答える。

「龍宮叉羅だ。」

意識が遠のく中、ハッキリと聞こえた。

瞼が重くなり、弥生はそこで目を閉じる。



最後に見た光景は月の光に照らされる白銀に光る刀を持った銀髪の青年の姿だった。







戦闘シーン書いてみましたが。難しかったです。

皆さんはどうやって書いているんだろう?会話とシーンの描写がごちゃごちゃして読みづらい感じがします。

叉羅は本作の主人公になります。まだ詳しく書けてないのですが、これから掘り下げていきます。

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