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モンスター ベイビーズ  作者: 虎木龍太
14/17

第13話 極道ガール

今回はちょっと長くなりますが、No.03が出てきます。

弥生以外では初の女性構成員となりますので、お楽しみに。

ーーー京都駅前ーーー



「わぁー!久々の京都ですー!」

弥生が目を輝かせながら辺りを見回す。

「おい。あまりはしゃぐなよ。」

「叉羅!八つ橋食べません?」

「聞け。」

話を聞かない弥生の様子に苛立つ叉羅。

「迎えの車が来ているはずだ。これから直接No.03に会いに行くぞ。」

「えー。せっかく観光できると思ったのに。」

しゅんとしながら弥生が言う。

「遊びに来たわけじゃない。あの車だ。」

叉羅が指差す方向を見ると、黒塗りの高級車が一台。その前にグラサンスーツの屈強な男が2人並んでいる。

「あの人達ですか!?」

異様な雰囲気の男達に不安になる弥生。

「心配ない。行くぞ。」

叉羅がスーツの男達に近づいて行く。

「すまない。待たせたか?」

「大丈夫です。お乗りください。」

スーツの男達に促され、車に乗り込む2人。しばらくして車は走り出す。


京都市街地にある。住宅街の中に一際大きな和風の門の前に叉羅達はいた。

「お寺?」

「家だ。」

「こんな大きな家って!?住んでる方はどんな人達なんですか!?」

門の中に入ると見事な日本庭園が目の前に広がる。その先に大きな日本家屋が建っていた。

入り口に向かって歩いて行くと。玄関口の前に黒スーツの男達が膝に手をついて叉羅達を出迎える。

「ぼん!よくいらっしゃいました!」

叉羅に話しかけて来たのは少し歳のいったスキンヘッドの男。しかし、中年男性とは思えないほどの筋肉質で大きな身体に、顔には切り傷がある。

「ぼんはよせ。おい。何してる?中に入るぞ。」

恐怖で固まっている弥生を連れて中に入る叉羅。

2人は巨大な応接用の広間に通された。

畳で何十畳とある巨大な部屋で待つ2人。

「叉羅。一体なんなんですか?ここは?」

弥生がヒソヒソ声で話しかけてくる。

「黙ってろ。もうすぐわかる。」

叉羅がそう言うと襖が開いて貫禄のある中年男性に抱かれた女の子が入ってくる。

黒髪のポニーテールで、目は大きく人形のような顔立ちで、子供なのにどことなく気品がある。

その女の子はこちらに気づくと男性の腕から飛び降り、叉羅に抱きついてきた。

「叉羅ー!久しぶりやわー!またいい男になったんとちゃう?」

「おい。離れろ。」

冷静に叉羅が言う。

「もー。いけずー。」

口を膨らませながら女の子が弥生を見る。

「そちらさんは?」

「うちの新人だ。構成員No.12。」

「天堂弥生です。よろしくお願いします。」

叉羅に抱きつく女の子に警戒しつつ弥生が言う。

「あー。そうなんやー。あなたも可愛いなー。うち好み(笑)。」

それを聞いた弥生がギョッとする。

「おい。見境なしか。」

叉羅がなだめると女の子が自己紹介を始める。

「うちは五芒星構成員No.03『三王子風香』(さんおうじふうか)いいます。

よろしゅう。』

柔らかい物腰で女の子がお辞儀をする。

「はっはっはっはー!叉羅!久しぶりやのぉ!」

すると風香を抱いていた男性が叉羅に声をかけてきた。

「親父さんも久しぶりです。」

叉羅も男性に挨拶をする。

「どうや!?うちの風香のこと許婚にする気になったか?」

「遠慮しておきます。」

「わいにそないな口聞けるんはお前くらいなもんやで!はっはっはっ!」

(笑いながら結構凄い事言ってる気が。)

2人の会話を聞きながら弥生がたじろぐ。

「もぅ。父様ったら。」

風香も2人を見て笑っている。

「ところで、こちらはどうです?」

「あ?ああ。組の者に調べさせとるとこや。今のところ変わった報告は来てないで?」

「そうですか。」

(組?)

ふっと弥生が気づいて叉羅に耳打ちをする。

「さ、叉羅。まさか、三王子組って。」

「ん?おまえ知ってたのか?」

「知ってるもなにも!警察関係者なら一回は聞いたことありますよ!関西最大のヤクザじゃないですか!」

声を大きくして言う弥生はハッと我に帰り、正座して小さくなる。

「す、すいません。」

「ええんやで?嬢ちゃん。今じゃ極道っちゅうのは表向きでの。」

「ど、どういう事ですか?」

「現在三王子組は五芒星の傘下にある組織の一つだ。風香の五芒星加入に伴い、傘下に入ってもらってる。五芒星の存在が極秘の為、今でも表面上はヤクザで通してもらってるが、元々裏組織だった分、こっちとしても何かと都合がいいんだ。ちなみに親父さんは三代目で、風香はここの跡取りだ。」

「なっ!?」

弥生が風香を見る。

「いややなぁ。ウチは跡取りなんて興味ありまへんえ?」

「そうや!風香が婿を取ってくれればワシは引退したいんや!叉羅なんかいい跡取りになると思うんやけど。」

そう言って横目で叉羅を見る風香の父。

「興味ありませんよ。」

冷静に叉羅が流すと、風香が父をからかう。

「父様また振られたなー(笑)」

しゅんとする風香父。見た目の貫禄とは裏腹に割とコミカルな人のようだ。

「話が逸れたが、風香。時雨から連絡は来てるな?」

「聞いてます。なんでも全員集合やって。」

「これからNo.04と合流して東京に来てもらうぞ。」

「あー。大地くんかー。元気にしてるやろか?」

「どんな方なんですか?」

「無類の女好きで相当な女ったらしだ。」

「顔はいい男なんやけど、性格が軽すぎるんよ。」

弥生の質問に叉羅と風香が答える。

「なんだか、あんまりいい印象ではないですね。」

弥生が苦笑いしていると、

「お嬢!」

突然襖が開き、組の若者が入ってきた。

「どないんたん?」

「ウチの若いのが何者かに襲われたらしいんです。結構な深手で病院に送られたいう話ですわ!」

「叉羅!これって。」

「ああ。三王子組の組員はウチの傘下だけあって、若い奴もそれなりに鍛えてある。そこら辺のヤクザの抗争ってわけじゃなさそうだな。」

「たぶん鬼の仕業やね?父様。しばらく留守にするけど頼める?」

「ええで!叉羅が一緒におるなら安心や!行ってき!」

「おおきに。」

ニコッと父に笑いかける風香。

「ほな、行きましょか?」

そう言って3人は三王子亭を後にした。



ーーー京都 清水寺ーーー


「たしかウチの者の話やとここら辺のはずやけど?」

「弥生。感知頼めるか?」

「はい。」

目をつぶって弥生が感知を始める。

「!!。見つけました!あっちです!」

弥生が気配がした方に走り出す。

3人が駆けつけた先にあった光景は、倒れる数人の三王子組の若者と三体の鬼の姿だった。

「!?」

風香がその光景を見て言葉を失う。

鬼達もこちらに気づいたのか目線を移してくる。

よく見ると鬼達はみな猫のような姿をしていた。

「お、お嬢。」

倒れているうち、意識のあった若者が呻くように言った。

「あんさんらか?うちの若いもんに手ェ出してくれたんは?どう落とし前つけてくれるん?」

風香は静かに冷たい口調で言う。

かなり怒っている様子で内なる怒りがこみ上げて来ているのか、気品のある顔は冷たく、鋭い眼差しになっている。

「何を言っても無駄だぞ。」

「ほんなら、身体に教えたる。うちの家族に手ェ出したらどうなるか。」

そう言って、叉羅と風香は大人の姿に変化していく。

風香は背はそんなに高くないが、落ち着いた気品のある美女に変化していく。身体は華奢だが、その佇まいは極道の女の威風堂々とした様が伺える。

それを見た鬼達が一斉に2人に飛び交ってくる。

「武具換装!『白龍』解放!」

ガッ!!

鬼の爪を刀で受ける叉羅。

すぐさま離れ動きで叉羅を翻弄する鬼。

「早い。」

「シャァァァ!!!」

鬼の素早い攻撃が叉羅を捉える。

「叉羅!」

弥生が叫ぶ。

「大丈夫だ。」

叉羅の受けた傷が自己再生で治癒していく。

「さすが猫。動きが早いな。」

叉羅が目を閉じ刀を腰に持ってくる。

「叉羅?何を?」

「動きが早いなら、それ以上の早さで斬り伏せる!」

叉羅が抜刀術の構えをとる。

「無理です!鞘がないと抜刀術はスピードが出ません!」

「そんなの俺には関係ない。」

鬼が叉羅に攻撃を仕掛ける。

「龍牙閃光斬!!」

叉羅の刀が白い閃光となって振り抜かれる。

次の瞬間、鬼が地面に倒れていた。

「真っ二つにするつもりだったが、ちょうどいい。おい。頼むぞ。」

「はい!」

弥生が鬼に近寄り浄化の作業に入る。

「そういえば、風香さんは?」

弥生が風香を見ると二匹の猫型の鬼に囲まれていた。

「さ、叉羅!風香さんが!助けないと!」

「大丈夫だ。まあ、見てろ。」

叉羅の言葉に耳を疑い風香を見る弥生。

二匹の鬼にスピードで翻弄されているように見える風香だが、寸前のところで上手く攻撃をかわしているように見える。

「あ、あれ?」

弥生が不思議そうに見つめる。

風香に飛びかかった鬼が触れるか触れないかのところで、攻撃をいなされ逆に投げ飛ばされているように見える。

「どうなってるの?」

「あれがあいつの戦闘スタイルだ。どんなパワーもスピードもあいつの前では意味を成さない。」

妖艶な笑みを浮かべながら風香が鬼の攻撃をいなす。

「武具換装!」

風香の腕から出て来たのは二本の扇子だった。

「扇子?」

「いや、あれは鉄扇だ。あいつの戦闘スタイルは少し変わっててな。」

鉄扇を持った風香の動きが一気に変わる。その姿はまるで舞を踊っているかのように見える。

「踊ってるみたい。」

「あいつはああ見えて、日本舞踊の師範でもあるからな。近接戦闘と舞を組み合わせた独特な戦闘方法で敵の攻撃をいなし、強烈なカウンターを与える。この戦闘法なら、あいつの異能とも相性がいい。」

「風香さんの異能って?」

「そろそろ頃合いやな。」

そう言って攻撃を避けていた風香が笑う。

「あいつの幻獣細胞は『白虎』。異能は『風』だ。あいつの異能の前にはどんな力も無力だ。」

風香に二体の鬼が同時に飛びかかる。

「『白虎』解放!風陣壁!」

風香が鉄扇を一振りすると風香の周りに竜巻が発生し、鬼を攻撃ごと弾き返す。

「風神疾風斬!」

風香がもう一度鉄扇を振ると、倒れた鬼に無数の風の刃が降り注ぐ。

全弾命中した鬼はもう動くこともできない。

風香が振り向いてこちらに歩いてくると、入れ替わるように鬼に駆け寄る弥生。

風香が不思議そうに振り返る。

弥生が鬼を浄化すると。鬼が子供の姿に変化していく。

「!」

風香はそれを見て驚いたようすだ。

「あれがあいつの異能だよ。」

叉羅が風香に言った。

「素敵な能力やね!」

風香も笑顔で弥生を見る。

「ふう。」

浄化が終わり弥生が一息つく。

今回は子供にならずに済んだようだ。

「すっごいわぁ!弥生ちゃぁん!」

風香が駆け寄り弥生の両手を握る!

わっ!とびっくりする弥生。

「こんな素敵な異能始めて見たわぁ!これで鬼になった人達を救えるんやね?弥生ちゃん。うちと友達になってくれへんかな?」

目を輝かせながら風香が言う。

「もちろん!お願いします!」

弥生も笑顔で答える。

風香は戦っていた時とは打って変わって穏やかで上品な顔に戻っていた。

「叉羅。あの子達はどうしますか?」

弥生は浄化され眠っている子供達を見ていた。

「関西の支部長が手を回してくれる筈だ。一度報告を兼ねて関西支部に寄った方が良さそうだ。」

「なあ叉羅?それ明日にせえへん?うち疲れてしもたわぁー。みんなでうちの家に泊まったらええやん?」

「そうだな。一度戻るとするか。」

「決まりやね!弥生ちゃん。我が家のお風呂は露天風呂やでー!」

「わぁー!楽しみです!」


談笑をしながら帰路につく3人だった。


書いてみて思ったのですが、正しい京都弁教えて欲しいです。関西弁なのか、京都弁なのかが書いていてわからなくなってしまいました。

自分の中では想像に近くなってしまってます。

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