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モンスター ベイビーズ  作者: 虎木龍太
12/17

第11話 弥生の力

今回は叉羅に比重を置いた話です。弥生がなぜ五芒星に入ったかも触れていきます。


突如空間の裂け目から出現した超巨大な鬼と対峙する叉羅たち。


「しかしデカイな。」

それもそのはず、前に叉羅が倒した10メートルの大鬼の倍くらいはある。

巨大な鬼と相対する3人が大人の姿になる。

「大きければその分動きは鈍いはずです。隙をついて倒すのが定石。まともに相手する必要はありません。」

水騎も冷静に分析する。

ダッ

その時突然炎真が巨大な鬼に向かって突進する。

「こんなの真っ向からフルボッコにして終わりだ!武具換装!!」

二刀の小太刀を手にした炎真が鬼に斬りかかる。

ガッ

「あん?刃が通らねえ!」

足に斬りかかった炎真だが、鬼の外皮が硬く刃が通らなかった。

ブォン!!鬼が炎真を振りほどこうと足を振り上げる。

「うおぉぉぉぉい!」

風圧で後ろに吹っ飛び、着地する炎真。

「うぉー。あぶねえ。」

「バカですか!?作戦も聞かずに飛び出すなんて!これだから単細胞は。」

水騎が悪態を吐く。

「んだとゴラァ!!」

炎真も応戦。

「こんな時までやめろ。全員力を解放して一斉に叩くぞ。」

「おう!」「わかりました。」

叉羅の合図で全員で鬼に飛びかかる。

「武具換装!」

叉羅と水騎が武器を召喚。

「『白龍』『朱雀』『青龍』解放!!」

全員が力を解放してそれぞれの攻撃体制に移る。

「はあっ!」

水騎が投げた鎖鎌が鬼の体に巻きつき、動きを封じる。鬼の頭上より高く跳んだ炎真が攻撃する。

「豪炎爆裂斬!!」

無数の爆撃が鬼を襲う。

「破魔龍牙斬!!」

地上から叉羅の剣撃が鬼を捉える。

「水流圧砕斬!」

水騎の投げた鎖鎌が鬼を切り刻もうと鬼の体に食い込んだその時。

「グワァァァー!!!」

咆哮とともに鬼が水騎の鎌の呪縛を解き、動き出す。

「マジか!!あれで効いてないのか!」

「動きは鈍いが、でかい分だけ打たれ強いな。」

「これは厄介極まりないですね。」

水騎が切れた鎖をつなぎ直しながら言う。

※水騎の鎖鎌は幻獣解放により鎖が水になる。その鎖は任意で切り離したり繋いだり、伸ばしたり縮めたりできる。

「叉羅!」

弥生が近づこうとするのを手で静止する叉羅。

「邪魔だ!離れてろ!」

いつもより強い口調で言う叉羅に驚き、その場から離れる弥生。

「で?どうすんだよ?弱点とかねえのか?」

「この大きさなら頭とかでは?」

「隙作りながら頭狙ってみるぞ。」

3人で作戦会議。

「よし。炎真。隙作れ。」

「うっせぇ!わかってるよ!!」

炎真の周りに火の玉がたくさん出現する。それを1つ掴み思い切り振りかぶる。

「連弾爆炎球!!」

次々と火の玉を鬼に向かって投げる炎真。鬼に着弾した火の玉は弾け、幾多もの爆発を起こす。

怯んだ鬼を確認し頭めがけて跳び上がる3人。

「せーの!!」

全員の武器が鬼の脳天を捉える。

「やったか?」

「いや!まだです!」

一瞬の油断だった。鬼の頭を捉えた事で気が緩んだ3人に鬼の手が振り下ろされ、クリーンヒットする。

吹っ飛ぶ3人。

「グワァァァー!!!」

鬼が吠える。



「みんな!」

吹っ飛んだ3人に駆け寄る弥生。

「くっ。」

「あー。油断したぜ。」

「私としたことが。」

叉羅は自分の自己再生能力で回復しているが、炎真と水騎はかなりのダメージを負っている。

普通の人間なら即死だっただろう。

キッ

弥生の目つきが変わる。

「2人とも動かないでください。」

覚悟を決めたように強く言う弥生は炎真と水騎の背中に手を当てる。

シュオオオオ

弥生の手が光るとともに2人の傷が薄くなっていく。

「おお?」

「傷が治っていく?」

「やればできるじゃないか。」

薄く笑いながら叉羅が言った。

「叉羅は大丈夫ですか?」

弥生が傷を治しながら問いかける。

「もう治った。」

叉羅が立ち上がり、もう一度刀を握りしめる。

「炎真!水騎!アレやるぞ。」

「・・・わかりました。」

「アレしんどいんだよー。」

「つべこべ言うな。長引けばこっちが不利だ。」

「うっ。」

力を使いすぎたのか、弥生が倒れそうになる。

「大丈夫ですか?」

水騎が弥生を支え、その場に座らせる。

「ありがとな!助かったぜ!」

弥生に声をかけた炎真と水騎が叉羅の両肩に手を乗せる。

すると、炎真の火と水騎の水が腕を伝って叉羅の刀に集まっていく。

「『双白龍』解放!!」

すると、叉羅の持っていた日本刀が光り、二本の脇差になる。その日本の刃はそれぞれ火と水になっているように見える。

叉羅が鬼に向かって走っていく。

「叉羅!!」

引き止めようと弥生が大声をだす。

「心配すんな!あいつなら大丈夫だ!」

「なぜ叉羅が私たちのまとめ役なのかわかりますか?」

炎真と水騎が弥生に言う。

「いえ。」

「あいつはあんな感じだけど、俺ら一人一人の事ちゃんと見てんだよ。なんつーの?人によって絶妙な距離感保ってくれるっていうのか?」

「私達は全員一癖も二癖もありますからね。上手くまとめられるのは叉羅しかいないんですよ。」

テクテク

「私が叉羅を構成員のリーダーにしたのはそれだけではありません。」

足音とともに声が聞こえた。

「!時雨さん!?」

驚く弥生。

「あんた来たのか。」

「ちょっと心配になりまして(笑)」

「よく言いますよ。そんな事思ってないくせに。」

「嘘だな。」

時雨の反応を見て悪態を吐く炎真と水騎。

「時雨さんが叉羅をリーダーにした理由って。」

「叉羅の幻獣、『白龍には』自己再生以外にもう一つ異能があります。それは、『纏』。彼は構成員の持つ幻獣細胞の力を取り込んで、自分の力に還元できる唯一無二の力を持ってるんです。」

「纏?」

「この状態の叉羅は纏った幻獣の力を使えるだけでなく、その力は通常の幻獣解放時の数倍以上に跳ね上がります。」

弥生がもう一度突進していく叉羅を見る。

叉羅が鬼に向かって跳んだところにタイミングを合わせて鬼が腕を振り下ろす。

すると、叉羅の持っている火の力を宿した刀が大きくなる。

ドオン!

気がついた次の瞬間には鬼の腕が斬り落とされ、地面に落ちていた。

「すごい。」

弥生は驚いて見入っていた。

今度は水の力を宿した刀も大きくなる。

「これで終わりだ!『双龍覇王斬』!!」

叉羅の放った二本の剣撃が鬼を両断する。

「やったか!?」

炎真と水騎が勝利を確信し、安堵の表情をした。

その時、斬られた鬼ごと空間が叉羅を飲み込む。

バクン!

空間の歪みに消える叉羅。

「!」

「叉羅ー!!」

空間に飲み込まれた叉羅を呼ぶも声は届かない。



薄暗い闇の空間。

「ここは?」

辺りを見回す叉羅。

(鬼を斬ったのまでは覚えてるが、何が起きたんだ?)

「久しぶりだな。叉羅。」

「誰だ?」

暗闇の奥から謎の声が聞こえた。よく見るとフードを被った影の男がいる。

「覚えてないのか?あの時また会おうと約束したじゃないか?」

「なんの事だ?」

「まあいい、またちゃんと会う時が来るさ。」

そう言って影が一瞬で目の前に来る。

「!?」

バッ!

叉羅が刀を振ると身を躱して影が後退する。

「なかなかの反応だ。だが、まだ遅い。」

そう言い終わる寸前のところで叉羅が男に刀を振り下ろす。

ドン!

「なっ!?」

渾身の力を込めて振り下ろした刀を片手で止める男。

「焦るなよ。次会う時にちゃんと相手してやるから。」

ブンッ

叉羅は持っていたもう片方の刀で男の頭を狙うが躱される。しかし、男のフードに刀が擦り、フードが外れた。

叉羅が男の顔を確かめる。

「!?お前、誰なんだ。」

叉羅が驚く。男が叉羅を見て笑みを浮かべた瞬間。

ドッ

「!」

叉羅の胸を男の刀が貫く。

「がっ。」

(刺された?いつ?刀はいつ抜いた?)

考えながら倒れる叉羅。

「アハハハハ。お前が生きてたらまた会おう。」

そう言って笑いながら男は闇へ消えて行く。

薄れゆく意識の中、叉羅の頭にはある光景が浮かんでいた。



薄暗い闇の中。朦朧とする意識の中、声が聞こえてくる。

「待ってよ!置いていかないで!」

「僕も連れてって!」

(誰かが呼んでる?)

「待って!嫌だよ。1人にしないでよ。ねえ、待ってよ。」

(これは、俺?)




「叉羅!叉羅!!」

(誰だ?)

「叉羅!」

(この声は?弥生?)

意識が戻ってくる。

叉羅は薄っすら目を開ける。

「叉羅!よかった!!」

目に涙を浮かべた弥生が見えた。

「驚きましたよ。空間の歪みに消えたと思ったら、胸から血を流して出てくるんですから。」

水騎が言う。

「お前が治したのか?」

「うっ。うっ。よかった。」

弥生は泣いていて答えにならない。

「弥生さんが治してくれたんです。彼女の治癒能力が強くなっている事に感謝してくださいね。」

時雨が叉羅に言った。

体を起こし、辺りを見渡す叉羅。

「おい!あんまり無茶すんなよ!」

「あいつは?」

「あいつ?誰のことですか?」

「いや。なんでもない。」

全員が顔を見合わせている。

「弥生さん。少し試して欲しい事があります。」

時雨が弥生に言った。

「なんでしょうか?」

泣き止んだ弥生が答える。

「あの鬼を治癒してみてもらえませんか?」

時雨が指差す方向には叉羅に倒された巨大な鬼が横たわり崩壊し始めていた。

「おいおい!何言い出すんだよ!あんなの治しちまったらまた暴れ出すんじゃねえのか?」

炎真が言い出した。

「そうなったら私が責任を持って対処します。弥生さんお願いします。」

「は、はい。」

時雨に促され、不安そうに治癒を始める弥生。それを不安そうに見守る残りの3人。時雨には何か考えがあるらしい。

弥生の手が光り鬼全体を包み込み、辺りを照らして行く。

全員瞑っていた目を開けると、鬼がいた場所には3人の少年が倒れていた。

全員小学生くらいに見える。

「おい!どうなってんだ!?」

炎真が駆け寄り全員の意識を確認する。衰弱しているが、まだ生きてるようだ。

「やはり。」

どうやら時雨が想い描いた通りになったらしい。

「説明してもらえますか?」

水騎が時雨に聞く。

「うーーん。」

軽く気を失っていた弥生が目を開ける。

「おい。大丈夫か!?」

回復した叉羅が起き上がり弥生に声をかける。

「!?」

一同驚愕。

「どうしたんですか?あれ?みんな背が高くなったような?」

弥生の目の前に広がる光景がいつもと違って見える。

叉羅、時雨、炎真、水騎。全員が目を丸くして驚いた表情をしている。

「よいしょ?」

(あれ?立ち上がったのにみんなの背が高いまま。)

そう思った弥生は辺りを見回したあと、自分の手や体を確認する。

(あれ?手が・・・小さい?身体も、頭も?)

「わ、私。縮んでる!?」

皆の驚きが頂点に達する。

「えーーーーーーーー!!!!」

一同の驚いた叫び声が夜空にこだまする。


叉羅の異能にはまだ特殊な力が備わっていました。弥生の力も異能の扱いになります。

弥生の力が少しずつパワーアップしていってます。

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