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ガンマンになったカトリーヌ
明末清初
中国
李英風は広東の荒野を馬に乗り疾走していた。
胸には十字架のペンダントが輝いている。
日は高く汗ばむ陽気だった。
やがて、彼方に教会が見えた。
李は馬から降り教会の扉を開けた。
宣教師がいた。
李は宣教師に近ずき言った。
「カトリーヌは?」
「島の修道院にいなかったか」
宣教師が言った。
「いなかった」李は答えた。
「マカオに行ったかも知れない」宣教師は言った。
「わかった」と言い、李は金を机に置いた。
宣教師はニヤリと笑い、箱を持って来た。
箱を開けると銃が入っていた。
「届いたばかりの最新式だ」宣教師は言った。
李は銃を手に取り、弾を込めた。
「貰おう」李はそう言うと懐に銃を閉まった。
外に出ると馬に乗った。
「また、来て下さい」宣教師は言った。
李は片手を挙げ馬を走らせた。