8-11
いつも閲覧ありがとうございます。
時刻は正午を周ったあたり。
私たちはそれぞれ行動に移った。
お嬢、ゴウゴ、セレブは女王様の足止めへ。
私と揚勝さんはレガ君の救出に向かうことに。
こんな急ごしらえの編成で大丈夫か不安ではあるが
そもそも私はお嬢たちとは連携が取れないので
別に問題はなかった。
そう。
この一大事に突き付けられるこのアウェイ感。
お嬢とはこの世界に召喚されてから
ずっとの付き合いにあるのにも関わらず、
いざと時にそっと弾かれるこの感じ。
地味にきつい。
やはりどこかでパワーアップを図らねば。
そんな気持ちを抱えつつ
揚勝さんの指示に従い準備地点に向かう。
ここは先ほど私たちが戦闘を繰り広げた大木が見える場所。
一見何の変哲もない場所に見えるが
揚勝さんが地面の落ち葉を掴んで持ち上げた瞬間
それにつられて一面の落ち葉が一斉に取り払われる。
「これが匠殿特注の滑空装置となっております。」
突然目の前に現れた巨大な物体に驚くが
構造を把握した時点でさらに驚く。
これ。
投石器じゃないですか?
想像してたのと違う。
滑空装置ってもっとこう。
翼とかあって・・・。
と私が無言の突っ込みを入れている中投石器の奥から
私の想像通りのものが現れる。
良かった。
さすがにあれで投げ込まれるということはなさそうだ。
あんなんじゃ受け身も取れなきゃ、
下手すれば敵陣のど真ん中着陸さえあり得る。
やっぱり、作戦ってのは確実性がないとね!
うん?
揚勝さん?
なんで私を持ち上げるの?
重くない?
私宿殻も含めると結構重いはずなんですが?
「ふむ、ぴったりですな!」
私をそっと投石器に乗せる揚勝さん。
あの・・・。
ここだと私射出されてしまうんですが?
揚勝さんの後ろのそれ、私の分はないんですか?
私のしぐさに気が付いたのだろう揚勝さん。
「申し訳ありませぬ。さすがに守護戦士様を乗せる
飛翔機は・・・。」
・・・。
まぁ、無い物はしょうがない。
ただこれはな・・・。
私がしょんぼり投石器を眺めていると。
「し、心配はございませぬ!不肖この揚勝
先行して目印を打ち込みますゆえ。
投石器はそこに向けて守護戦士様を射出されます。」
おぉ!?
何それ!!?
一見木製の投石器に見えるのだが、
そんなことが出来るんですか!?
「匠殿は蜜蜂族秘伝の継承者。
この程度の技巧ちょちょいのちょいでと。」
おぉ!
おぉお?
蜜蜂?
え?蜜蜂って言いました?
先ほど出会った匠さんの姿を思い出すが
そんな可愛らしい感じではなかった。
いや?
どっちも似たようなものの気がするが。
でも、羽生えてなかったしなぁ。
「では某一足先に失礼!」
私が巻き起こる疑問の嵐に戸惑っていると。
いつの間にか準備を終えた揚勝さんが飛び立ってゆく。
とにかく匠さんって蜂だったんだ。
いやまぁ今はそれはいいとして。
この投石器ってすごいんだなぁ。
まじまじと自分の乗っている投石器を確認する。
確かに魔石やら術式やらが書き込まれている。
でも狙いが正確だからって着地が考慮されている
用にはどうやっても見えない。
これは私に耐えろと?
なんだかお嬢ほどではないにしろ、
ここの人たちも割と私の扱いが荒い気がする。
・・・まぁ今は目先の大事に集中しよう。
スラ子、危ないからちゃんと私につかまってるんだぞ?
振り返って背中を確認する。
あれ?
さっきまで背中に乗っていたスラ子がいない。
「なーーーーー!!!」
私があたりを探し始めると頭上からスラ子の声がする。
え?いつの間に?
スラ子が揚勝さんのハングライダーに掴まって
こちらに手を振っている。
どうやらいつものスラ子プターとは一味違う空の移動を
楽しんでおられるご様子。
「なぁーーーーーーーーー!!!」
とりあえずこちらも手を振り返しておく。
そっか・・・。
これで私だけ単独飛行か・・・。
匠さんは一見ありですがハチです。




