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完全に詰んだと思われていた状況に希望の光が差した。
空からの突然の乱入者はどうやらセリにとっては
とても都合の悪いらしい。
となると私のすることはセリを向こうへと
行かせないことだろう。
目の前に構えるこの巨大な大蛇と化したツタを
どれだけ足止めできるかわからないが
何としてもお嬢を守って見せる。
覚悟を決めて特攻をかける。
その時である。
「やーやー。久しぶりでちゅね。セリ。」
私の足元から何やら白い毛玉が現れる。
「花守様・・・。いや、忠左衛門じゃないですか。」
「ん?その名で呼び捨てとは、しばらく会わないうちに
随分と偉くなったようでちゅね?」
何やらセリと言葉を交わす白い毛玉の正体は
どうやらネズミさんのようだ。
そしてそのネズミさんに一瞬びくつくセリであったが、
手に持った花を握りしめると。
「その小っちゃな目ではこれが見えないみたいですね?」
そういってセリが花を掲げると
嬢たちの方を向いていた大蛇が私たちの方に視線を移す。
「やれやれでちゅ。僕の目には大きいかろうと小さかろうと
取るに足らない物はゴミにしか見えないでちゅ。」
「相変わらず生意気です!でもいいです。
今日はその傲慢な態度ごと叩き潰してやるです!」
セリが大蛇をけしかけようとした瞬間。
足元にいた白いネズミさんが白い閃光となって
セリに向かっていく。
「っひ!」
乱暴に花を振り回し、大蛇を暴れさせるセリだったが
大蛇の巨体をいとも簡単にかわし。
ついにはセリの持っていた花を奪い食いちぎる。
するとどうだろう。
先ほどまで大蛇の形状を取っていたツタが解け、
それぞれ自由にあたりを攻撃し始める。
「さぁ!今のうちに逃げるでちゅ。」
いつの間にか足元に戻って来ていたネズミさん。
私に逃げるよう促してくる。
でも、お嬢がまだ向こうに。
私がお嬢の方を指さす。
「見事な忠義でちゅ!大丈夫でちゅ。
あちらも撤退する手はずになっているでちゅ。」
こうして私と白いネズミさんは
セリがツタの暴走を収めているうちに撤退。
その後彼らの集合場所にてお嬢達と再会することとなる。
「助かったわ。ありがとう。」
改めて関係者がその場に揃うとお嬢が礼を口にする。
我が道を行くお嬢ではあるがちゃんと筋は通す。
「いい心がけでちゅ。」
それに対してこのネズミさん。
関係者ではあるのはみんな理解しているが
直接助けられてはいないネズミさんに対して
笑顔がこわばるお嬢。
そしてその気配に一瞬ひるむネズミさんだが。
「で、では改めて自己紹介といくでちゅ。」
ネズミさんが隣に座る戦士風の・・・。
戦士風の・・・なんて種族だ?
なんだか一見しただけではわからない。
一応この世界の種族はリサーチして
主だったところは把握したつもりだったけど。
ちょっと特徴にあてはまる種族が出てこない。
とにかくその人に挨拶するようにと合図を送る。
「某、この森の守り人にてオーク族族長
五田手・森守・揚勝と申す。」
名前を名乗り軽く頭を下げる揚勝さん。
へー。
オー・・・く?
豚人種とも書くオーク。
圧倒的な体躯と低い重心で重武装を好むといわれている。
だが目の前にいるのはガリガリひょろっとした人。
頬とか痩せこけてますけど大丈夫ですか?
お嬢も若干驚いているようだったが。
「危ないところを本当にありがとう。」
そういって改めて握手をかわす。
「そして某の隣にいるこのお方、
この森随一の大工である匠殿でございます。」
そういうと揚勝さんの隣にいる人が反応する。
この人ならわかる。
実際に見たのは初めてだが蟻人だ。
口の構造上喋れはしないがしっかりとした知性があるり、
ドワーフ等の種族を介せばちゃんと取引が出来るらしい。
実際に目の前にいる匠さんも軽く会釈するだけで
簡単な挨拶をする。
・・・。
ちなみに顔がずっとこちらをロックオンしているのは
何だろうか?
めっちゃ口わしゃわしゃしてて怖いんですが。
そんな感想を抱きつつも揚勝さんが喋りだす。
「そしてここに居りますは・・・。」
(カカン!!!)
突然匠さんがどこからか木の棒を取り出し
木の板に打ち付けて音を出す。
歌舞伎でいうところのツケ板というものだろうか?
「古く歴史のあるこの森にて・・・。」
(カカカン!!!)
「あ!誰より気高くぅ。とおーときお方!!!」
(カ、カ、カ、カ、カ!)
匠さんが一定のリズムを刻み始めると
片足ケンケンをしながら白いネズミさんが
私たちの前に踊りる。
「あ!僕こそは!そう僕こそはーーーー!」
(カン!カン!カン!カン!ッカカン!)
「セェ!レーーーブ!なぁーーーーりぃーーーー!」




