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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
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7-17

閲覧いつもありがとうございます。

ギリギリでお嬢の魔の手からセリを救出できた。


でもお嬢を連れていけない場合セリは

一体どうなってしまうのだろうか?


話を聞こうにも先ほどから恐慌状態に陥っているセリ。


それに対してお嬢もしゃがみこんで何やら思案中?





ん?



そのしゃがみこんでいるお嬢の隣にゴウゴも膝を付け

お嬢の肩に手をかける。



「リサよ。貴様ほどの強者が何を恐れておるのだ。」



顔を伏せながらお嬢が答える。



「権力者なんてどいつもこいつも頭のおかしい奴ばかり。

好き好んで関わり合いになりたくないのよ。」



その返事を聞き『わかるわかる』みたいにうなずくゴウゴ。


ゴウゴにも思い当たる節があるようだが、

奇遇なことに私にもある。


だって既にお嬢に話しかけてる奴が頭おかしいもんな。



「招待状を送ってきた女王とやら、

貴様はそやつに知っておるのか?」


「・・・。」


「憶測での断定行動は群れを危険にさらすのぞ?」



戦闘関連だけしっかりした知識と考えを持っているゴウゴ。


だがもっともなことを言っていたとしても、

既にお前は憶測でお嬢に勝負挑んで負けてるかな?


ちゃんと実践してから言わないと説得力ないぞ。


お嬢もおそらくわかっているだろうが、

無駄になることを理解している為そこには触れないらしい。


ゴウゴの意見に対して特に反応する様子がない。



「知らなければ知ればいい。

未知の先にこそ真に価値のあるものがある。

それこそオスのロマンというやつだ!」



そう言って何やら熱く語りだすゴウゴ。


でも確かにこれまた言っている事には一理ある。


相手のことを知らずに後で大事になっても

それはそれで面倒になってしまう。


それに人の立ち入ったことのない領域からの招待。


そういう冒険的なロマンは私も大好きだ。


無論、職業冒険者のお嬢としても

このセリフには来るものがあるらしく一瞬体が反応した。



「・・・。」


「どうだ?いってみぬか?」



数秒の沈黙があたりを包むがふとにお嬢が答える。



「どうせあんたは強いやつがいないか気になるだけでしょ。」









お嬢のその一言を聞いたゴウゴ。


そっとお嬢の肩から手を離し私の隣に移動し

私と一緒にお嬢の見つめ。



「ふむ!やはりメスにオスのロマンはわからんようだ!」



っく!!!


コイツ図星つれてごまかしやがった。


ってか最初からなんか乗り気だと思ったら

そういうことだったのか。



「もういいわ。

そんなに行きたいならあなた達だけで行きなさい。

私は先に行ってるから。」



もうあきらめたのか無茶を言い始めるお嬢。


そんな先に行くって行先わかるの?


筆談でお嬢に聞いてみる。



「は?そこのバカが森を抜ける道具

かっぱらってきてるんでしょ?」



あー、そういえば確かそんなごたごたもあったな。


あまり興味もなかったので忘れていた私。


だが、一番忘れちゃいけないであろう

実行犯の方も忘れていたらしい。



「がっはっは!そういえばそうだったな!

では使うがよい。」



そう言うと腰につけていた袋の中身をお嬢に渡すゴウゴ。


何やらコンパスのようなものが大量にあるが

どれも結構割れていたりひしゃげていたりする。



あれって大丈夫なの?


お嬢もかなりいぶかしげな表情で渡されたものを確認し

渡された道具を一つ一つ脇によけていく。


その結果。



「ダメね。道具は壊れている。

それに目的地を指す魔石がついてないわ。」


「なんと!?」


「あんたなんで持ってくるもの確認してこないの?」


「吾輩がそんな小難しい道具のことをわかると思うか?

必要なものなぞ確認しようにも出来んわ!!!」



自信満々に答えるゴウゴ。


そして完全に目の死んだお嬢。



「もういいわよ。私も行く。

あんたらだけで行かせるだけでも大事になりそうだし。」



ここにきてお嬢がまた折れることになる。


正直これには驚きだ。


お嬢にここまで譲歩させる奴がいるなんて。



『馬鹿と天才は紙一重』



この言葉の意味を再認識する私であった。




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