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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
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7-16

閲覧ありがとうございます。


ついこの前まで宿殻空間内で引きこもっていたセリ。


様子を見る限り無事立ち直ったようで何よりだ。


そんな元気になったセリがお嬢を見つけて

飛びよってゆく。



「リサ様!凄いです!女王様から招待状です!」



そういって腰に付けた魔法袋から書状を取り出し

お嬢に渡してくる。


そしてそれをしぶしぶ受け取り中身を見るお嬢。


あからさまに嫌そうな顔をしている。



「それでいつ行くですか?もう行くですか!?」



お嬢の表情をお構いなしくまくしたてるセリ。


お嬢との付き合いの短いセリにはわからないだろうが、

この状態のお嬢は取り扱い注意である。


相手の好感度如何によっては既にこの段階から

鉄拳制裁の対象となる。


そう、主に私とか。


もう身をもって学びましたから。



そしてそんな私の心配をよそにお嬢を

はやし立て続けるセリに対して。



「ごめんねセリちゃん。私急ぎのお仕事があるから

今回は丁重にお断りしておいてくれない?」


「な!何言ってるですか!?

女王様からのご招待ですよ!!!?

凄いことなんですよ!?」


「・・・私。貴族とか王族とかそういった人達と

相性が悪いのよ。」



嫌な過去を振り返る、そんな遠い目をするお嬢。


唯我独尊を素でいくお嬢にしてみれば

確かにそういった人たちとは相いれないだろう。



「そ、そんなです!リサ様を招待できなかったら

私森にいられなくなっちゃうです!!!」


「・・・そう。でも私は嫌。」


「そこを何とかです!」


「嫌。」



決して曲がらないお嬢の鉄の決意。


それを何とかしようとお嬢にしがみつき

涙目になりながら必死に懇願するセリ。



「うむ、こんなに頼んでおるのだ。

少しぐらい付き合ってやってもよかろう?」



見かねたゴウゴがセリの味方になる。


正直ついてくるのに必死になった自分とセリが

被って見えているのだろう。



「・・・。」



無言でなんとも言えない表情を浮かべつつ

ゴウゴに目をやるお嬢。


セリのぐずる音が響くだけの静寂があたりを包む。



「「・・・。」」



ヤバい。ヤバすぎる。


セリもゴウゴも単純にお嬢を説得しているだけだと

思っているだろうがそれは認識が甘い。


お前らはすでに竜の逆鱗に触れている。


いつ爆発するかわからないお嬢。


私と同じくそれらを熟知しているピリカラ達は

既に姿がない。


野生の感か今までの経験か。


どちらにせよそれが正しい行動である。



「お願いです。リサ様を連れてこれなかったら

セリは一族の恥さらしです。

もう生きていけないです。」



しかしそれを知らないセリさんは

退こうともせずあえて特攻をかける。


それに対してお嬢は無機質な声で一言。



「・・・そう。」



私はこのお嬢の一言が発せられた時点で動いていた。


私の中で磨きあげられた対お嬢逆鱗センサーが

最大級の警報を上げたからだ。


お嬢の腕をつかみ必死に顔を横に振る。


(あかん!あかんよお嬢!!!)



そしてこの判断が功を奏す。


慌ててお嬢を止めに入るその一瞬。


その一瞬のうちにお嬢の服にしがみついていたセリが

いつの間にかお嬢の手の中に。


しかも右手で頭を、

左手で胴体をがっちり握られた状態で収まっている。



え?え?


いつの間に?ってか何その持ち方!!?


そんな雑巾を絞る様な・・・。


自分で突っ込みを入れつつ恐ろしい想像が

私の脳裏を駆け巡る。


正直状況を認識してから手を出していたらと考えると

恐ろしくてたまらない。


よくやった!


よくやったぞ私!!!


自分のファインプレーを自画自賛する私に対しお嬢は。



「・・・っち。」



小さな舌打ちをしてセリを開放する。


どうやら寸でのところで私が止めたので

気がそがれたらしい。


そして解放されたセリはぼーっと滞空飛行を

続けていたかと思うと。



「ふぁ?・・・ふぁああ!!?」



どうやら自分の身に起こったことを理解したらしい。


私の手にしがみついて「ふぁ」と連呼しながら

めちゃくちゃ震えている。


ってかまた・・・。



まぁ、でも今回はさすがにしょうがない気がする。


説得することに夢中になってたとはいえ

自分の咄嗟の一言で死にかけたら誰だって・・・。


とにかくまずは無事でよかった。



今回は特に過激なお嬢ですが過去の設定上致し方ない部分ではあったりなかったり。

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