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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
83/161

7-14

短め

若干卑怯な気がしないでもないが

ゴウゴに有利なこの勝負を見事勝ち取ったお嬢。


倒れこんだゴウゴに背を向けこちらへ歩いてくるお嬢を

スラ子含め一同が出迎える。


スラ子、フーシェ、ピリカラは驚喜乱舞し、

リアクションが皆無のレガ君も珍しく拍手をしている。


そんなみんなの様子にお嬢もまんざらでもないご様子。


照れくさそうにはにかむお嬢に感極まった私も

お嬢を抱きしめようと駆け寄るが。



「!!!」



驚いたお嬢に殴り飛ばされる。


あの手袋をつけた手で。



・・・ひどくない?



照れ隠しにもほどがある。


しかし、あの手袋の威力は本物のようだ。


お嬢の打撃ソムリエと化した私が評するならば

通常の三倍以上の威力を感じる。


あれを戦闘状態のお嬢が本気で急所に打ち込んだのなら

ゴウゴがああなるのもうなづける。



「ご、ごめんね?カニ太郎大丈夫?」



さすがに悪いと思ったのかお嬢も謝りにくる。


一切戦闘を行っていない私であるが

不時着の件も相まってこの中で最もダメージを

受けていることは間違いがないだろう。


まったく・・・病み上がりでこれなのだから

ハードなカニ生である。


ひとまずお嬢に大丈夫のサインを出す。


それをお嬢が確認すると。



「そう。じゃあ

あのバカのせいで遅れた時間取り戻しましょ?」



え?もう行くの?


あの、休憩取りません?


私結構ボロボロだよ?



そんな私の心情を知ってか知らずか。


私の手を引っ張って引きずりながら

ゴウゴの隣で穴を掘り始めたスラ子を回収し、

念のためゴウゴを縛りあげようとしたその時。



「・・・ま、待つのである!」



どうやらこの短時間に意識を取り戻したゴウゴ。


どんだけ丈夫な体をしているのだろうか?



「頼む!頼むである!

勝負には負けた!

だが、恥を忍んで重ねて頼む!!!」



一体どれだけ必死なのだろうか?


あまりのしつこさに私でもドン引きである。


お嬢もあきれてものも言えなくなっている。



「このままでは妻や子供たちが・・・。」



半泣きになって懇願するゴウゴ。


しかしこの一言が意外にもお嬢に届いたのか。



「・・・はぁ。もういいわ。

でもついてくるならちゃんと言うこと聞きなさいよ?」


「うむ!無論であろう!

我が活躍しかと見るがよい!!!」



やばい、会話がかみ合っている気が全くしない。


だが、もうすでに意気揚々と私に乗り始めるゴウゴ。


その立ち振る舞からは先ほどのダメージを感じさせない。


恐るべき身体構造。



だが、ホントにこいつを連れて行って大丈夫なのだろうか?


こめかみを押さえるお嬢に視線を送るが。



「もう、・・・しょうがないでしょ。

下手をうって知らないところで何かやらかされるのも

面倒でしょうし・・・。」



とのこと。


確かにその通りでもあるのだが・・・。


果たして私たちは無事に聖域調査ができるのだろうか?





一旦ここで区切り、次は妖精の森。


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