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閲覧ありがとうございます。
お嬢に気合を入れてもらい。
再び席に付いた私。
結局イスイさんが私に聞きたかった事とは
私が巨人化してからの顛末だった。
なんでもお嬢は私が巨人化する際に気絶したらしい。
まさかお嬢が・・・!?
とも思ったがお嬢も人の子である。
そして、あの巨大化がそれだけふざけた
規模の魔法ということでもある。
そういうわけで詳細がわかる範囲にいた
獣人たちも同じく気絶。
何とか近くの斥候が到着したころには
壮絶な戦闘跡にみんなが倒れていたとのこと。
「周辺を調査しても勇者の遺体を確認出来ていません。
目下捜索中なのですが戦闘跡が
グラインバルム防衛線を突き破ってまして・・・。」
私が最後に放ったあの一撃。
まさかそんなことになっていいたなんて。
戦時中ということで捜索範囲も限られ、
今は勇者の出現に備えることしか出来ない状態という。
なるほど。
確かにあの強さの勇者が敵対している状況で
所在が不明なんて気が気じゃないだろう。
だが、残念ながら私もあの技を受けた勇者が
どうなったのかはわからない。
仕方なく『わからない』と答える私。
「そうですか。」
まぁ、この返答にあまり期待をしていなかったのか、
特にリアクションのない反応をするイスイさん。
「では、次に本題になるのですが。」
そう切り出されたのは
先ほど返された銀プレートの件だった。
ガ・ゴルバルから盗まれた国宝と
ほぼ同じ特徴を持った私の銀プレート。
これが国宝と同じ働きをするか調べた際に
『聖域にてお待ちしております。』
そうプレートに文字が啓示されたという。
そこでプレートの持ち主であるお嬢と私に
聖域に赴いて欲しいという話であった。
なんとも突拍子もない話だがしょうがない。
「リサ様には勇者との遭遇直後、カニ太郎さんに至っては
病み上がりこのタイミングに申し訳ありませんが、
可能な限り早急な対応をお願いしたく・・・。」
申し訳なさそうに耳を垂らしてお願いするイスイさん。
「いいわ。私たちなら今日にでも行けるわよ?」
イスイさんの依頼に対して力強く即時即決するお嬢。
・・・あれ?
私の意見は?
ってかさっきまで病人扱いだったよね?
起きてそんなお仕事させちゃっていいんですか?
「良いので!?助かります!!!
道案内や旅の道具は整えてありますので!。」
予想外に快く引き受けてくれたお嬢に
めっちゃ尻尾を振るイスイさん。
もう横から口を挟める感じではない。
せっかく獣人の国、そして大きな町に来たのだから
少し町を見てみたかった。
「じゃあ仕事の話も決まったことだし、
食事にしましょう。」
そういってお嬢が中央の鍋の蓋を開ける。
どんな地獄絵図が飛び出すのか不安があったが、
中身はなんてことのないお鍋だ。
顔のついた野菜は煮崩れて顔はわからなくなっている。
プチマーマンは・・・。
・・・うん。
もうおいしく煮詰まっている。
私がお鍋の構成を見ているとお嬢が溜息をつきながら
具を小皿によそいつつ私に話しかけてくる。
「ほら、食べたかったんでしょ?
今日は特別なんだからね?」
そういって私に食べさせようとする。
そう。
これは『あ~~ん』というやつだ。
まさかこんなお嬢を見ることになるとは。
恐る恐るお嬢が差し出したスプーンの先を口に入れる。
・・・!!!
ゲテモノはうまいとよく言われるがなるほど。
個性の強い食材同士が絶妙なバランスで
一つの出汁を演出している。
染み渡る味に涙が出てくる。
お嬢に早速入れられた
顔面甲殻のヒビのせいだけじゃない。
痛覚を乗り越えやってきた味が
味覚の上でサンバを踊っている。
そしてこのお嬢に食べさせてもらうという
シチュエーション。
生きててよかった。
生き抜いてよかった・・・!
改めて生還と生きて帰った飯のうまさを
かみしめる私であった。
執筆頑張ります。




