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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
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7-2

閲覧ありがとうございます。


ずいぶん長いこと眠っていた気がする。


再び私が目を覚ますとすっかり体の疲れや

痛みが取れていた。


そして私が目を覚ましたことに気が付くと

飛びついてくるスラ子とピリカラ。



「おはよう!スラ子、ピリカラ。」



三人(?)をまとめて抱きしめる。



「な!な!」


「「くえ!」」



体を動かした感じどこも不調を感じない。


完・全・回・復!


起き上がり少し準備運動をし

お嬢たちに元気になったことを報告しようと

殻の外へ出る。





ぬあ!?



いつものように殻の外へ出ようとした瞬間である。


階段があるつもりで足をつけようとし踏み外した、

そんな感覚が襲い来る。



・・・へ?



踏み外したというより踏めなかった。


恐る恐る足元を確かめる。



ひぃ!?!?



地面が遠い。


何これ?


あたりを見渡すとどうやらどこかの渓谷のようだ。


そしてその渓谷の中間地点私が位置するように

吊るされている。



もう一度言おう・・・何これ?



ゆっくりと殻の中に戻る。


正直病み上がりの心臓にこのインパクトは悪すぎる。


ゆっくり、ゆっくーり深呼吸。



・・・ふぅ。


数々のトンデモ展開を乗り越えてきた私。


もはやこれぐらいでは動じぬ!



そうして私が落ち着きを取り戻したあたりで

どこからともなくレガ君が現れる。



「大丈夫?」


「うん、体は万全だよ!心配かけてごめんね。」



そう私が答えるとにっこり微笑むレガ君。



「あ・・・外は危ないから。」


「・・・うん、知ってる。」



っほんといつも説明が遅れてくるこの子。


というか説明で思い出した。


レガ君には聞かなければならないことが

色々あるんだった。


レガ君を部屋に連れ、布団を片し正座させる。



「レガ君はいろいろと説明しないと

いけないことがあるよね?」


「・・・。」



特に反応を示さないレガ君。


黙秘か?お得意の黙秘か?


割と今までスルーしてきたが

さすがに今回ばかりは看過できない。


室内のカーテンを閉め、暗室を作り。


電気スタンド・・・。は使えないので。


非常用懐中電灯でレガ君の顔を照らす。


鈍いくマイペースなレガ君ではあるが

妙なところでノリがいい。


その性格を利用し、

この刑事物のシチュエーションがあれば

うまいこといろいろ聞き出せるかもしれない。


・・・。


結構強い光なのだが、まぶしがる様子は一切ない。



「なに?・・・これ?」


「こうすればしゃべりたくなるかと。」


「ふーん?」



「「・・・。」」



ダメだ、まずこのシチュエーションを

理解していない・・・!


とにかく一番気になっていたあの

巨大化魔法について聞いてみる。



「私が大きくなったあの魔法って一体何なの?」


「・・・え?おっきくする魔法だけど?」



そうだけど!そうだけれども!!!


うー。


レガ君に対してはこういう漠然とした

質問の仕方は完全に的外れになる。



「前の晩に魔法陣で私に何かしたり、

大きくするときに水攻めにしたりしたよね?」


「・・・うん。」


「なんで前もって説明してくれなかったの?」



何やら考え込むレガ君。



・・・。



「大きくなる時はあんな感じだから。」



・・・今!


今それを言えばいいと!?


ダメだ。さすが精霊さん。


時系列的な部分も完全に人のそれと違う。



「ってかあの勇者を倒した技は何なの?

あのポーズってなんの意味があったの?」


「・・・カニ、・・・っふ。・・・カニカニ破。」



私が乗せられてつい発してしまった技名を

笑いを堪えながらながらつぶやくレガ君。


どうしよう。


恥ずかしすぎて悶死してしまう。


そんな中衝撃的な一言を差し込むレガ君。




「・・・モチベーション上がるかと。」



お、おま!おま!!!


・・・。


どうしよう。言いたいことがありすぎて

逆に言葉にならないなんて。



「もうやだ。」


「・・・え?」


「私もう巨大化しないからね!!!」


「!!!」



珍しく驚き、その挙動が見て取れるレガ君。



「別にあれだったら私がやる必要ないじゃん。

レガ君がやればいいでしょ?」


「・・・。」


「出来るんでしょ?」


「・・・恥ずかしい。」


「ハイ?」


「あれは・・・ちょっと。」



思わずレガ君の両肩をつかみ揺さぶる。



「私!なら!いいと!でも!?」



羞恥心なんぞないと思っていたレガ君が

恥じらうほどのことを私はしていたらしい。


私が疲れて揺さぶるのをやめると

レガ君がまたしゃべり始める。



「カニ太郎・・・かっこよかったよ?」



う”・・・。


嘘はつかない精霊ズ。


正直ちょっと自分でも受け入れていた部分は

あったし、レガ君が恥ずかしいというだけで

私にとってはそれほどでもない。


・・・まぁ、そこはいいか。


ちょっと褒められたことで許してしまう私だった。


取り調べは続きます。

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