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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
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1-6

スライムさんが仲間になり、

魔力制御による塔の動作を確認した後。



「すまんがこのプレートを調べさせておくれ。」



とのことで自室にこもっていらっしゃる。


あの音声機能に驚いてたしな。


でもさ、そのプレートってもともとお爺さんが

持っていたものじゃないのかな?


使い方とか機能とか知らないの?


まぁ、今私が気にしてもしょうがないのか。



さしあたってすることのない私は掃除をしていた。


言われてもいないのにこの気配り。


さすが私である。


スライムさんも手伝ってくれる。


最初はごみごと一緒に色々と消し去りそうだったが

慣れてくれば心強いサポート。


特に水場の汚れには無敵である。



そんなこんなしているとお爺さんが現れる。



「おぉ!カ二太郎!掃除しとるのか、えらいのぅ」



でしょ?ピカピカだよ?



「プレートもありがとうな。

さっきの音声はどうにもわからんかったよ。」



そうなんだ。



「しかし先ほどの音声から察するに

カ二太郎は『スキル』が使えるのかの?」



おぉ!?主人公要素きましたか!?



「カ二太郎は『スキル』についてわかるかの?」



いや?わからない?


初日にかましたバイブレーション機能のことかな?


また右腕を振動させてみる。



「うーむ。それはおそらく違うのう。

ほれ、カ二太郎のプレートも何の反応もないぞ」


確かに、先ほどみたいにアナウンスがながれない。



「魔法であればわしの知らぬものなどそうないが、

【特:共生】などという魔法は聞いたこともない」





その後、お爺さんがスキルとついでに魔法について

教えてくれた。



簡単にすると。



魔法とは魔神が与えた力。

この世の理を無視し。

通常発生することのない現象を起こす作用のこで、

何もないところから火を出したりする力のこと。



スキルとは神が与えた。

起こりえる現象を過程を省略して起こしたり、

本来の効果を上げて発現させること。

たとえば何かを切る際にスキルを発動すれば

動作を行わずとも対象を切ることが出来る。



と、いうことらしい。



何それ!?めちゃくちゃかっこよくないですか!?


そして私にはその『スキル』があると!?



「おそらく生き物同士が助け合う『共生』

に関した効果があるのじゃろう。」



っふっふっふ、きたんですね。


私の活躍のときが!


どうしよう引っ張りだこになってしまう。


私ヤドカリなのに!



「ただな、カ二太郎このスキル使ってはならん」



っえ!?



「スキルの発動はかなりの体力を使う。

効果の定かでないスキルを使用することは

万が一にも命の危険を伴う。」



う、確かにそれは怖いな。



「それだけでなく、最低ランクのモンスターが

スキルを取得しているなぞありえないんじゃ。

もしそれが周囲に露見すると要らん厄介ごとに

巻き込まれるかもしれんからの。」



そうだね。


言ってることは間違ってないか。


それに考えてみたら使い方よくわからないし。


わかりました。気をつけます。


あ、でもプレートが勝手になったら駄目な気が。



そんな話をしているとお嬢が部屋に入ってくる。



「お爺様、お手紙が届きました。」


「おぉ、リサや、すまんのう。」


「あら?・・・スライム?」



私の宿殻から顔を出していたスライムさんを見る。



「おぉ、そうじゃったな。さきほどの、

外壁の調査をしとったんじゃが、

そのときにカ二太郎に懐きをってな。」



お嬢が面白そうにスライムをつつく。


スライムさんもじゃれてるようで震えている。



「じゃあ、あなたにも名前をつけてあげなきゃね」



そっか!


そういえばスライムさんじゃ味気ないものね。



「んー・・・太郎だし。『スラ子』ってところね」



うん。そんな感じになりますものね。


というか割とガチでそのセンスなの?


・・・というかスライムさんメスなの?



まぁ、拒否権ないししょうがないか。


改めてよろしくね。スラ子。


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