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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
59/161

6-3

お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

無気力症候群からやや立ち直り、またのんびりと投稿再開。

獣人たちの仮拠点に向かう私たち。


お爺さんの話では獣人たちはお嬢の味方らしいが

ゴウゴの件もあるので慎重に警戒しながら動いている。


特に警戒の要はフーシェとピリカラ。


空から仮拠点までの間をばっちり監視中。


ちなみに、お嬢は奥の手を使ってしまったので

補充として何やら背中の小屋で作業中。



「危ないからあまり揺らさないでね?」



そういうお嬢。


わざわざ私の背中でやらなくてもよくない?


と、言いたくもあるが状況が状況だけに仕方ない。


言われた通り揺らさないように細心の注意で移動中。


こういうときって足が多いと便利。


お嬢も「あんたって乗り心地だけはすごいわね。」

って褒めてくれてたからね。


もう揺れないことに全力を注いでます。



・・・警戒しなくていいのかって?



いや、フーシェとピリカラいるし。


私の目視じゃなんの役にも立たない。


というか私の存在意義が運搬と料理ぐらいしか

なくなってきている。


この戦闘力のなさはいかんともしがたい。


この世界に召喚された当初は、

小説の様にゴリゴリ強くなってゆく展開を

期待していた。


だが、現実は見ての通り。


強いと思っていたスキルも使いこなせないまま

ゴウゴみたいなとんでもキャラまで

出てくる始末である。


今後お嬢を守ってゆくならやっぱり

強くなっておきたい。


せめてお嬢の肉盾ぐらいには強くなりたい。




そう決意しているとあたりの空気が変わった。


風が止む。


道中聞こえていた生き物たちの声も途切れる。


フーシェはどこにいるのかわからないが、

空にいるピリカラから見敵の合図はない。



・・・何だろう?


目の前がかすむ?


いや、違う。


目の前の空間にヒビが入っている。


割れた窓ガラスの様に目の前の景色に亀裂が入り、

中から黒が覗く。


まったく光を返さないのだろう。


絵具や塗料の黒ではない。


完全な黒が空間を割いて現れたのだ。




・・・嫌な予感しかしない。


前進を止めてゆっくりと後退する。



!!!



ひび割れた黒の中に目が現れる。



・・・目が合った。


めっちゃ見てる。


クマに会った時には目を逸らさずに

ゆっくり後ろに下がるのがいいと聞く。


頼む、マジでこの対処で済んで!


目だけしかわからないけどあれはやばい。


戦うことを想定しちゃいけない相手だ。


ゴウゴなんて話にならない。


後ろにゆっくり、ゆっくり。



うわー、うわー。


ヒビが広がり中から人が出てきた。


見た目は青年。


でもよくゲームに出てくる『魔族』のような

不思議な肌色をしている。


どうしよう?どうしよう!?


わざわざ出てきたってことは何か御用ですか?


何?何なの?


本能が『逃げる』ボタンを連打するせいで

ほかの選択肢が思い浮かばない。


そんな私がどぎまぎしていると

お嬢が背中の小屋から出てきた。



「ちょっとカニ太郎?何止まっているの?」



お嬢出てきちゃダメ!!!


マジであいつやばいから。


あいつの視線がお嬢に移る寸前のところで

お嬢を私の腕で隠す。



(ッゴン)



体の五感すべてがあいつに焦点を合わせる。


おそらくあいつの挙動で

考えるより早く体が動くだろう。


そんな臨戦態勢の私に対して、

魔族の青年が手を伸ばしてくる。


こ、攻撃が来るのか!?


身構えた私の体に衝撃が来る。


数メートル吹き飛ぶ私。


だがこれは魔族の青年に吹き飛ばされたんじゃない。


攻撃の犯人はおでこを押さえてこっちを睨んでいる。


そう、お嬢に横側から思いっきり殴られた。


こんな時にまたもや右手をもっていかれた。


完全に感覚がありません。



「いったいわね!何すんのよ!!!」



いや、・・・あのね?


お嬢を守ろうとね?



「あ、あの・・・。」



その光景を目にした青年が声をかけてくる。


そして青年を認識するお嬢。



「え?嘘!マー君!?」



え?



「やっぱり!リサ姐なんだね!?」



え?


駆け寄り、手を取り合って喜ぶ二人。


知り合いだったの?



「ごめんね?

君の使い魔を怖がらせちゃったみたいで。」


「いいのよ。あんなのいつもだから。」



・・・私そんなに怖がりじゃないからね?



「いや、僕のことをわかって君を守ろうとしたなら

とてもいい使い魔だよ。大切にしてあげなよ?」



わかってくれるかマー君。


なかなかわかってもらえないこの忠誠心を。


でも、こうやってお嬢と気さくに話す彼を見ていると

先ほどまでの恐怖が嘘のように取れてゆく。


いや、むしろ怖かった分のギャップと

私への配慮により好感度マックス。



「でもマー君なんでこんなところにいるの?」


「・・・うん、ちょっと色々あってね。

獣王のところでかくまってもらってるんだ。

それでずっとお世話になるのもあれだから

僕が迎えに来たんだよ。」



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