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閲覧ありがとうございます。
トーマスさんたちと別れて獣王の拠点に
向かうことになったその日。
ピリカラ達の帰還祝いをするために
宿殻空間の畑で食材の収穫をする私。
ピリカラ達が大好きなフルーツも収穫でき
うきうきで部屋の扉を開ける。
いつもの見慣れた室内に一点の違和感を感じる。
・・・あれ?
一瞬の間をおいて違和感の正体に気が付いた。
「ま、マッキーーーー!!!」
思わず叫んでしまった。
扉の先で目にしたのは無残なマッキーの姿。
スラ子にあげたおもちゃの剣が額に刺さっさってる。
「だ、誰がこんな惨いことを。」
おもちゃの剣を取り外そうと近づいたそのとき。
「待って。」
レガ君が私を制する。
「れ、レガ君!マッキーが!マッキーっが!!!」
慌てる私をその場に正座させる。
「え?え?」
(~♪~♪~♪)
わけがわからないうちにどこからか笛の音が
聞こえてくる。
音の発生源をたどると。
「あ、あの妖精は。」
お爺さんの姿になったセリという名前の妖精がいた。
あの後、挨拶もなしに消えたかと思ったら
こんなところにいたのか。
そしてその笛のリズムと共にピリカラ達が
どこからか躍り出てテーブルに飛び乗る。
「ちょ!やめて!テーブルの上で踊らないで!!!」
部屋の中央にあるテーブルの上で器用に踊る二羽。
テーブルの足が嫌な音を立ててきしんでいる。
すかさず止めに入ろうと立ち上がる私。
そしてすかさずその私の両肩をつかみ再び
正座を強制するレガ君。
「っひぃ!痛い!重い!」
全力で押さえつけてくるレガ君。
何?何なの?
これ何なの!?
ちょっとわけのわからないこの状況。
「儀式中。」
一言で説明してくれるレガ君。
しっくりくる一言だが何一つ説明になっていない。
混乱する私をよそに台所の蛇口からスラ子が登場。
人型をなしつつマッキーの額に刺さった
おもちゃの剣をつかみ。
(チャー↑ラー↓ラー↑)
おもちゃの剣の安っぽい効果音とともに
マッキーの額からおもちゃの剣が引き抜かれた。
(ゴゴゴゴゴゴ)
フーシェが剣の周りを高速で飛び回り
部屋の中に物品が吹き荒れる。
すると何ということでしょう。
おもちゃの剣を中心に空間が振動。
その後、剣からとてつもない発光が起こる。
「うぎゃあーーーー!」
お嬢の放った魔法という今の発光といい。
今日はよく目に強い光を受ける。
なんかよくわからない儀式を強制的に見せられ。
挙句目つぶしとはやってくれる。
そのおもちゃの剣は取り上げだからね?
ちょっとオコな私。
この決意は揺るがない。
そうして視界が戻ってくるとスラ子を中心に
みんながわいわいやっている。
「す、すごかったです!」
「な!ななな!!!」
「「くえぇええーーー!」」
そんなみんなを見つめつつコクリとうなずくレガ君。
何この疎外感。
完全に置き去りだわ。
こうして謎儀式を挟んだのだ今の室内。
ひとまずおもちゃの剣は貴重品箱に封印し、
みんなには散らかした部屋を片してもらうことに。
その間にセリとマッキーの対応である。
おもちゃの剣の大きさ分だけ
額に穴の開いたマッキー。
なんか穴が開きっぱなしというのもあれなので
外のリンゴの木から枝を持ってきて添木してみた。
「・・・。」
なんか角が生えてるみたい。
考え込む私と、
それを無言で見つめてくるマッキー。
んー、なんかちょっと不格好だけどいいか。
なんとなく納得いったそのとき。
そんな私の後頭部をこづいてくるセリ。
「お、お前なにやってるんですか!?」
「え?いや穴が開いたままじゃ嫌かなって。」
「ぶ、無礼すぎるです!!!」
「無礼って、おもちゃの剣を刺すほうが
よっぽどのことしてるでしょうが!」
「お前なにもわかってないです!」
なんかかなり怒っている妖精だが
謎のマッキーテレパシーを受け取ったらしく。
しぶしぶ去ってゆく。
「マッキー、しゃべれるんなら
ちゃんと言ってくれないとわからないからね?」
とりあえずマッキーにそう語りかける私。
なんだかちょっと笑ったようなマッキーだったが
とくにしゃべるでもなくいつも通り変化はなかった。
その後無事ピリカラ達の帰還祝いと
こっそりついてくることになったセリの
歓迎会を合わせて行い。
長い一日が終わることとなる。
「カニ太郎?なんかすごい光っていたけど・・・。」
お嬢にはあの発光現象についてめっちゃ心配された。
あの謎儀式は私でもよくわからないし、仕方ないので
『発光するのがレガ君の趣味なんです。』
という私でもわけのわからない言い訳をしておいた。
「まぁ精霊のすることだもんね。」
お嬢的には納得がいったらしい。
良かった。




