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投稿が遅れて申し訳ない。
お話の筋は出来上がっているんですが執筆時間が取れない。
顔だけお爺さん妖精。
正直大きさを気にしなければ
お爺さんが女装している風にしか見えない。
しかもその恰好、お嬢が同じ格好をしていたのを
見たことがある。
完全にお爺さん作成である。
「リサや。」
お爺さん妖精が言葉を発する。
声は聞き覚えのあるお爺さんだった。
「この魔法が使われているということは
もうわしはこの世にいないということだろう。」
いかにも遺言的な言葉を発しているが
その姿が異様すぎて頭に入ってこない。
「お、お爺様なの?」
「そうとも言えるが、違うともいえるの。」
説明によると、
お爺さんの魂と記憶を箱に封じ込め、
この妖精が読みだしているらしい。
「では、まず結界を張る。」
お爺さん妖精は呪文を唱えると周囲に
結界が張られ周り周囲の音が完全に立ち消えた。
「こ、こんな強い結界を張る必要が?」
「誰に聞かれているかわからんからの。」
「お爺様みたいに?」
「・・・。」
「あの日記は・・・。」
「あれはダミーじゃ!
この箱にわしの記憶が残っていることを
隠すためにの!!!」
「・・・お爺様は何を隠しているの?」
「隠している・・・、そうじゃの。
それを伝えるためにもこういった形が
必要じゃった。」
そういってお爺さんが語り始める。
「わしが若いころに北のマギルステンで
魔法を学んでいたことを覚えておるかの?」
「グラインバルムに魔道甲冑を収めている
国でしたっけ?」
「そうじゃ、魔道技術で他国の追従を許さない
彼の国。それもそのはず。
魔道全盛期のアンデット達が
その魔道甲冑を作っておるからの。」
魔道甲冑、王都の城門にいたやつだよな。
「そしてわしはそのアンデット達に師事を
受けておった。今は失われた魔術体系の知識は
何物にも代えがたいものじゃった。」
昔を懐かしむお爺さん、だがその表情が曇る。
「だがそれが仇となったんじゃ。
わしが師事を受ける際にアンデット達と結んだ
『マギルステンでの知識を外部に漏らさない』
という魔術契約。
その契約にはいろいろと仕込みがあってのう。」
難しい魔術の話になってしまったので要約すると。
知識を外部に漏らさないという制約が
死後にわたっても有効になっていた。
それはお爺さんの死後、契約により
魂を縛られアンデット化することを意味していた。
「そのことを知ってからというもの、
追い求めた魔術の知識がわしの置かれた状況を
教えてくれたよ。」
結ばれた契約に仕込まれた魔術式、
それがどれだけ強固で危険なものなのかを。
「しかしわしは成し遂げた!自分の魂の切れ端を
切り取り変成させることでこうして契約に制限
された情報の一部を伝えることができたのだ!」
自信気に語るお爺さん。
確かになんかお嬢の表情も『自慢のお爺さん』
を見る顔に戻っている。
あれ?でもなんかお爺さん顔が・・・。
「だがリサや、すまない。
最善は尽くしたがすべてを伝えることはできない。
だがお前の幸せを思ってできる限りのことはした。」
お爺さんの顔がどんどん薄くなって
元の妖精の顔になってゆく。
「マギルステンと聖セントリアに関わってならん。
困ったことがあればガ・ゴルバルか
ギルデスタントを頼るのだ。
獣王と魔王にはもう了解を取ってある。
詳しい話も獣王に聞くがいい。」
えぇ?じゃあゴウゴがお嬢を連れていくって
言ってたのはもしかして?
いや、それより魔王って?
私の疑問をよそにお爺さんの顔が消えてゆく。
「では幸せになるんじゃぞリサ。」
「お爺様・・・!私!私!!!」
お嬢もいっぱい伝えたいことがあったのだろう。
ただ、お爺さんは最後に笑顔を浮かべると
完全に妖精の顔に戻ってしまった。
「以上で、マスターとの契約は終わりです。」
お爺さんだった妖精はもとに戻っている。
「言いたいことだけ言って消えちゃったね。」
ぼそっとつぶやくお嬢。
いろいろと整理はついていないようだが、
どういう形であれ最後に見たお爺さんが
笑顔であった。
それはそれが救いになったのだろう。
今までピリピリしていた空気が落ち着いている。
今後についてはいろいろと対応を決めなければ
ならないが、今ここにお爺さんの消息をたどる旅が
終わったのだった。
改稿の必要がありますが、ひとまず5章を締めます。




