5‐8
良ければお楽しみください。
お嬢たちはお爺さんの消息をつかむため
監視塔の探索をしている。
そこで我々も探索のお手伝いをすることに。
そう宿殻空間にていつもの会議です。
「今回はお爺さんの消息をつかめるものを
探したいと思います!」
スラ子、レガ君、フーシェはうなずく。
「でも、ただ探すのもつまらないので
今回一番の手がかりを見つけた人には何と!
貴重品箱から好きなものを一つ差し上げます!!!」
その言葉を聞くや否やレガ君が飛び出してゆく。
あんな素早いレガ君はそうそう見れない。
まぁ、レガ君があれだけ必死になるのも
貴重品箱の存在である。
この部屋にしまってあった私の元の世界の品々。
一般家庭をひっくり返したら出てくるような
謎のラインナップだったのだが、
ひとまず日常生活で使うもの以外は
貴重品箱と銘打って保管している。
ラウル君にかぶせたフルフェイスのヘルメットも
その貴重品の中から取り出したものだ。
そしてレガ君が食べたがっている貴金属の類も
大部分あの中に入っているというわけだ。
「スラ子とフーシェもやってみる?」
「な!!!」
元気よく返事をしてフーシェと一緒に
出てゆくスラ子を見送り。
私は塔の周りの見張りと探索だ。
正直塔の内部で物置小屋背負いながら探索と
ちょっと無理があるからね。
そうして塔の周りを探していると。
「「くぇーーーー!」」
なんだか懐かしい鳴き声がする。
声の方を振り向くとそこには懐かしのダンスバード
ピリとカラがこちらに向かって飛んできていた。
うぁ!久しぶり!!!
元気にしてた?
再開を喜び抱き合う。
お嬢によってゴリ子の足止めにされたピリカラ達。
・・・ん?
あれ?ピリカラ?
ゴリ子は?
「くえぇえぇ!!!」
・・・私じゃダメか。
ニュアンス程度ならわかるのだが、
詳しい話となるとレガ君とかじゃないとわからない。
早く戻ってこないかなー。
そう思って塔を見る。
(ッゴン!)
塔から鈍い音が聞こえる。
なんだ?
そう思って塔の音のしたあたりを見た次の瞬間。
そのあたりの壁が外れ地面に落下してくる。
え?何が起こってるの?
とにかく壁が落ちた地点に向かうと
そこにはレガ君が立っていた。
そしてレガ君が私を見つけると。
いかにも自慢げに落ちてきた壁を指し示す。
指された先を見てみるとそこにはびっしりと
本がしまわれている。
んー。どうやら日記のようだ。
そう、この壁は内側を本棚として使っていたらしく
それを発見したレガ君が壁事くりぬいて
持ってきたらしい。
・・・。
また、私が怒られるのかな?
と、とにかく。
今は気にしてもしょうがない。
ちょっと日記の中身を見てみることに。
手?に割と最近の日記を取る。
ざーとななめ読みをしてみる。
うっわぁ!
これはちょっと引きますわ。
お爺さん、どうやらお嬢が旅立ってから
割とほぼ毎日魔法を使いお嬢を見守っていたらしい。
何かしら危なかったり、活躍しているときは
ほぼ朝から晩までその記録がされている。
ってか暇なの?
監視の仕事してたんだよね?
お嬢を見るのが忙しくて獣人たちに攻め込まれました
とかないよね?
一抹の不安を覚えつつも日記を読んでゆく。
・・・やばいな。
日記の内容に監視のかの字も出てこない。
もしかして日記と監視記録は別なのか?
そうしてしばらく読んでいると
お嬢たちがやってくる。
「カニ太郎!!!大丈夫!?」
意外と心配してくれるお嬢。
いつもそうだったらいいのだが、
私が読んでいる日記に気が付くと。
「お爺様の日記?こんなものがあったんだ・・・。」
ん?お嬢もこの日記の存在を知らなかったご様子。
レガ君これいったいどこからくりぬいてきたの?
不思議に思いながらもお嬢も日記を読んでゆく。
必死にお爺さんの消息をつかもうと速読してゆく。
ただ、ページを進めるごとにお嬢の顔が
険しくなってゆく。
そして間の悪いことにそこにラウル君が駆けつける。
「お、お嬢!?何があったんすか!?」
ラウル君の問いかけを無視して日記を読むお嬢。
「こ、これはまさかオイゲン様の日記・・・!!!」
割とこういう対応にも慣れているらしく
ラウル君もマイペースに日記に手を伸ばす。
と、その瞬間。
「っふん!!!」
お嬢の目つぶしがラウル君のかぶっていた
フルフェイスヘルメットのゴーグル部分を突き破り
決まった。
「っふぎゃあ!!!」
地面を転げまわるラウル君。
痛い、お嬢それは痛すぎる。
ってか通常の人間なら失明してるから!!!
そんな私の突っ込みを知ってか知らずか。
「あんたその日記見たらただじゃおかないわよ!」
そう言い放つお嬢だが、時すでに遅し。
十二分にただ事じゃなくなっているラウル君。
ひとまずラウル君の手当てを行い。
お嬢が日記を読み終わるこのを待つこと数十分。
(パタン)
お嬢が一通り日記に目を通し終わると。
本棚に火を放つ。
「身内の恥よ。なかったことにしましょう。」
・・・怖い。
お嬢の笑顔が怖いよ!
「・・・カニ太郎。」
はい!はい!!!なんでしょう!!!?
「学校に帰ろっか?」
え?いいの?お爺様の事。
とぼとぼ歩くお嬢。
お爺様に幻滅したのか消息がつかめなかったのか
わからないが何かあきらめた様子。
仕方ない、気絶したラウル君を背負い
お嬢を追いかけようとしたその時。
「な!」
スラ子とフーシェが現れ箱を差し出してくる。
次回で五章終わるのか?




