5‐7
良ければお楽しみください。
ゴウゴ達獣人との一戦を終えた後、
無事に監視塔に入ることができたお嬢たち一行。
ひとまず状況の整理をすることに。
「ラウル・・・あの、ありがとうね。」
「いいんすよ、お嬢のためですもの。」
ちょっと元気のないラウル君。
「いつものあんたらしくないわね。
大丈夫?どこか怪我でも?」
お嬢が手を伸ばそうとすると
ラウル君が一歩体を引く。
「ダメっす!お嬢・・・。
今の自分は呪われているっす。」
「ど、どういうことよ?」
そっとフルフェイスを外すラウル君。
額には昨日のお嬢が書き込んだ『反省』の
文字がにじんだ状態で残っている。
正直この状態でも十分哀愁を漂わせている。
なんだか見ているこっちが悲しくなってしまう。
お嬢も助けられた手前、この仕打ちには
かなり罪悪感を感じているご様子。
「わ、悪かったわよ。」
「ち、違うっす。後ろっす。」
そういいながらみんなに向けて後頭部を見せる。
あー。やっぱり綺麗に残っている。
「っちょ!何それ!?」
こうしてラウル君は昨日の出来事を語りだす。
話さないようにと口止めはしておいたが、
フルフェイスを一度脱いでしまったため、
あきらめたようにぽつりぽつりと語り始める。
・・・うむ、なんとも不思議な話だね。
いた!いたたた!!!
お嬢、触覚引っ張らないで!
私じゃないから!
あの絵は私じゃないからそれ!!!
「あんたよね?あの絵?」
いや、違うんです。
確かに私が書かれてますよ?
でも私が書いたとは限らないじゃないですか?
「え?カニ太郎が書かれているんすか?」
道中後頭部を見ることができる鏡がなかったため、
何が自分の頭に描かれているのかまでは
知らなかったラウル君。
「そうっすか、カニ太郎君は神様の使い
だったんすね?」
え?え?
どうしたの?どうしてそうなったの?
うなずくようにパーティーメンバーたちもうなずく。
「「「オイゲン様が絡んでるならあり得る。」」」
ということらしい、
なんか便利な形容詞みたいなお爺さん。
たいていの常識外の出来事も『オイゲン様』と
付け加えるだけで、途端に現実味が出るとか。
やっぱいろんな意味ですごい人だったらしい。
「ちょ!どう見てもこいつのいたずらでしょ!?」
だが、私の神の使い説を完全に否定するお嬢。
確かにその通りなのだが事実と微妙にずれている。
ってか信用ないな!
私そんないたずらしないからね?
確かにトラブルは起こすけど悪意はないからね!?
とにかく神の下りは宿殻空間のことが
露見するためごまかしつつも、
スラ子たちが描いちゃった事を筆談で説明する。
「じゃ、じゃあ!呪われてはいないんすね!?」
ちょっと元気になるラウル君。
確かに呪われてはいない。
呪われてはいないんだがその頭の状況は
変わってない。
ホント、私のせいじゃないが申し訳ない。
「でも、これが光ったって一体?」
「わからないっす。身体強化の魔法を使おうと
魔力制御をしたら光はじめたっす。」
「うむ、精霊紋というやつでしょうか?」
なに?知っているのかトーマスさん!
「精霊魔法に適性のある人についているっていう
あざみたいなやつっすか?」
「あぁ、精霊魔法の適性自体稀で
私も知り合いに2、3人ちょっとしたあざの
ついた奴を知っているだけなんだが。」
そうしてトーマスさんが精霊魔法と精霊紋について
教えてくれた。
通常起こり得ない現象を起こす魔法とは異なり。
起こり得る自然現象を精霊に頼んで起こしてもらう。
それが精霊魔法。
魔法の様に人が人為的に魔力操作を起こし
瞬間的に発現させるものとは違い。
精霊に頼むことで魔力操作なしで、
精霊達にあるていどの現象を起こしてもらえる。
ただ、頼む精霊の格によっておこる現象もピンキリで
トーマスさんの知り合いでもちょっと火が出せたり
水が飲めたりと、そういった具合らしい。
そしてそういった精霊と交流が取れる人には
精霊が何かしらのしるしをつける。
たいていはあざらしいのだが、
ラウル君の落書きの様に特殊なケースもあるらしい。
まさかあれは落書きじゃなくて
みんなを守るためにわざと・・・!
・・・。
いや、思い返してもそんな感じじゃなかった。
「バレちゃった☆」
みたいな空気が伝わってきてた。
そんな態度だった。
でもまぁ、後でお礼を言っておこう。
あのおかげでお嬢がさらわれずに済んだわけだし。
とにもかくにもまたあいつらが襲ってくることを
想定して、ラウル君の頭は現状保持となった。
また、おそらく力を貸してくれただろう
レガ君に対してどうしようか?
という話も出たのだが。
「精霊は自由な存在。彼らにとって必要があれば
向こうから来ます。
なのでこちらから何かアクションを起こすのは
良くないでしょうね。」
とのトーマスさんのアドバイスを聞き、
これ以上深く話を掘り下げたりすることはなかった。
それよりもお嬢たちにはお爺さんの捜索という
目的があるわけだしね。
状況の整理が終わるとお爺さんの手がかりを探し
塔の探索となるのであった
お話が終わった後の書き直しでは、魔法、スキル、精霊魔法の関係性は一度まとめて
一章や学園編で綺麗に組み込みたいなー。




