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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
50/161

5‐4

良ければお楽しみください。

あの後気絶したラウル君を町の近くに放置し、

今はお嬢と朝食を食べている。


これからいつ戦闘が起こるかわからない場所へ

いかなければならいというのに、

ラウル君の後頭部もどうにかしないといけない。


あれはいったいどうやったら落ちるのだろう

かなりこすったのににじみもしなかった。


あれは油性なんて生易しいものじゃない。


まさか入れ墨みたいなことに・・・。


うぅ、ないと言い切れないところが

スラ子たちの怖いところである。





そんな思案をしているうちに集合時間がやってきた。


集合場所には置いていく予定だったラウル君もいる。


ただ遠目から見ても何かラウル君とみんなとの

立ち位置的な距離感を感じてしまう。


そう、みんなラウル君のフルフェイスヘルメットが

気になっているようだ。


まぁ、この世界のものじゃないしな。


そして昨日お嬢に頭髪を刈り取られたのを

わかっているので頭に関した話題に対して

触れるに触れられずにいる。


もどかしさが伝わる距離感である。


そうしてそこにお嬢が加わった。




「お嬢!自分は大丈夫っす!!!

だから自分も連れて行って欲しいっす!」



お嬢に対して必死に頼み込むラウル君。



「・・・。」



ただ、お嬢がラウル君の嘆願が頭に入らないご様子。


フルフェイスに触ろうと手を伸ばす。



(っぱし!)



ラウル君が片手でフルフェイスを抑えつつ

お嬢の手を払う。



「「・・・。」」



何この空気。


固まったまま誰も動けなくなっている。




・・・。




はいはい、仲良くしましょうねー。



このままだとずっとにらみ合って動かなそうなので

私はお嬢とラウル君つかみ宿殻に乗せる。



「・・・っち。」



お嬢のすっごい舌打ちが聞こえるが気にしない。


こうしてすごい険悪な雰囲気のまま監視塔に

向かうこととなる。




道中はかなりの低飛行。


地面から数メートルも離れていない。


正直ちょっと怖い。


でもこの速度なら3時間もあればつくだろう。


ただ、時間はあまり問題ではない。


お嬢の話だと町を出た時点でもう獣人の斥候に

見つかっていると思った方がいいそうだ。


単独で気配を完全に消し、遠方からの情報収集する

技術はどうやってもかなわないらしい。


つまりこちらの行動は完全に把握された状態で

いつ奇襲を受けてもおかしくない状態にある。


気が付けば囲まれていた。


なんて状況も十分あり得るのだ。


町からの距離が延びるにつれて

緊張の度合いが高まってい行く。



そうして町と塔の中間に差し掛かったころ。



「アオォオォオオオーーー!!!」



どこからか遠吠えが聞こえる。


音の発信元を特定しようとあたりを

見回そうとした次の瞬間。



(ッゴン!!!)



宿殻の右側から強い衝撃を受ける。


それなりのスピードで移動していたため

体制をかなり崩してしまった。


スラ子とフーシェが持ち直そうと頑張るが。


「「「!!!」」」


先ほどの衝撃で誘導させられたのか

体制を持ち直そうとした位置に潜んでいた

何者かにより網を投げられ地面にこすりながら

不時着してしまう。



いたた。


網が絡まった状態で地面にこすれたせいで

体中が痛い。


ひとまず切断のスキルを使って網を取り除くと

背中に乗っていたみんなを確認する。


お嬢は網を投げたであろう犬型の獣人を

締めあげていた。


ほかの四人も不時着前に離脱し無傷のようだ。


さすが上級冒険者。



「カニ太郎大丈夫?」



お嬢が声をかけてくれる。


私がうなずいて答えるのを確認すると

お嬢はすかさずお得意の炎魔法であたりの

隠れられそうな箇所を根こそぎ焼きはらう。


豪快だ。


そして効果的でもあった。


何匹かが焼かれた場所から逃げ出していた。


「っがあっはっは!さすがオイゲンの孫

やることが派手だわい!!!」


どこからか大仰な拍手と笑い声が聞こえてくる。



物陰に隠れていた獣人たちが逃げていった

方向から筋肉ムキムキのライオン型の獣人が

マントを翻しながら現れる。


すごい。


犬と猫の獣人は町とかでたくさん見たけど

ライオンは初めて見るがとても強そう。


敵ながらその佇まいにちょっと惹かれてしまう。



「あんた誰よ?」


「うむ!吾輩は王位継承第六位ゴウゴ・ガ・デウル

その人である。」



王位継承?なんかすごい偉い人なんじゃない?

こんなところにいていいの?


それを聞いたお嬢がとてもいやそうな顔をする。



「オイゲンから話は聞いておるか?」


「なんの話よ?」


「ふむ、では連れていくとしよう!!!」



お?お?会話成立してますか?


お嬢もそれに対してが突っ込みを

入れようとしたのか何か言おうとした次の瞬間。



「!!!」



数メートルあった距離が一瞬で縮まり

お嬢の目の前にゴウゴと名乗る獣人が現れ

その手でお嬢をつかもうとする。


すかさず腕をすり抜け獣人の腹に

拳を叩き込みその衝撃で後ろに飛びのくお嬢。



「っがは!!!」



うわー。結構痛そうなのが入っている。



「い、痛いではないか!」



そういいながら抗議するゴウゴ。


それに対してお嬢は殴った腕を抑えている。


かなり無理をした一撃だったようだ。


おなかをさすりながら牙をむくゴウゴ。


そのとき後ろから新たに黒い犬型獣人が現れる。



「ゴウゴ様、今のはあなたが悪いですよ?」



かなり毛並みのいい、そして綺麗な姿勢の獣人だ。



「イスイか?吾輩は王命を果たそうとしただけだ。」


「連れていくといってもやり方があるでしょう?」


「やり方?王は『連れて来てくれ』

としか言っていない。

で、あれば後は私が決めること。」



首を横に振り溜息をつくイスイと呼ばれた獣人。



「リサ様、こちらの不手際で大変失礼を。

こちらに戦う意思はありません。」



新しく現れたイスイがお嬢に話し始める。



「場所を変えて一度お話しさせて

いただけないでしょうか?」


「は?あんたたちを信じろと?」


「はい。」


「・・・話ぐらいなら聞いてあげてもいいわ。

でもその前に聞きたいことがあるわ。」



お嬢のその言葉を聞いたときイスイが

とても困った表情をした。



「おじいさまは?おじいさまはどうしたの!?」


「それは・・・。」



お嬢の口から出てきた質問が想像通り

だったのだろう。


返答が濁る。



「吾輩が!」



そんな時ゴウゴがお嬢を見つめ声を張り上げる。



「吾輩が殺した!!!」



空気が一変する。


お嬢がキレた。


明日も投稿できるといいな。

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