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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
5/161

1-5

骸骨によって体が壁に引き込まれてゆく。


万事休す。


さらば短かった異世界生活。


そんなあきらめていたところ、

どこからかスライムが現れて

私をつかんでいた骸骨を包み込む。


(ジュワ)


おや?骸骨の様子が?


目の前で色あせ溶けてゆく骸骨。


そんな中突如壁の色が元の石工の色に戻ってゆく。



「大丈夫か!?カ二太郎、

装置を切ったからの。今引き上げるぞい。」


先ほどと同じように浮力を感じ体があがってゆく。


何とか助かったようだ。


そう安心していたのもつかの間。


(びちゃ)


!?


先ほどまで骸骨を溶かしていたスライムが

私に付着してきた。


振り払おうにもコーティングされたかのように

体を包んでおりうまく振り払えない。


でも何だろうこのフィット感。


それに別に骸骨のように溶かされてはいない。


痛くもかゆくもない。


それよか冷やっこくて気持ちが良い。




「大丈夫かカ二太郎?」



スライムにまみれた私とご対面である。



「・・・【火:フレイム】」



お爺さんの指先が光ったかと思うと

こぶしほどの大きさの炎が飛んでくる。


これに対しスライムは瞬時に私の殻の中へ。


っふぁ!?


私に直火である。


「なんと!?すまんカ二太郎!」


いや、やろうとしていたことはわかる。


でもさ、もっとほかにやり方ありません?



「小癪なスライムじゃの。ゆで・・・いや・・・」



おじいさんはスライムの取り除こうと思案中。


でも考えてみればさっきは骸骨から

助けてもらったわけだし。


今しがた攻撃されているわけでもない。


これはチャンスではないだろうか。


魔法生物との触れ合いチャンス。


となれば、

おじいさんのローブを引っ張り首(?)を振る。


ええんやで、お爺さんこの子はええんやで。


そんなニュアンスでボディーランゲージを行う。


「ん?カ二太郎大丈夫なのかの?」


うなずく。


「ふむ、カ二太郎が良いのであればかまわんが。」


そうこうしているとスライムが様子を伺いに

殻の中から顔(?)を覗かせる。


見詰め合うヤドカリとスライム。


それの様子を見守るお爺さん。


何だろうこの状態。この空気。



(ピロピロピロリン)



昨日お爺さんからもらったプレートから音がする。



「亜種スライムより【特:共生】への

参加意思を感知しました。」



うお!何このプレート!?しゃべるの!?


お爺さん何これ!?


って、お爺さんも驚いてるし!



えっと、共生ってことは仲良くなれるのかな?


大歓迎です!



「【特:共生】の発生を感知しました。」



お?



何だろう?


スライムの気持ちがなんとなくだけど

伝わってくる感じがする!?


スライムさん喜んでいらっしゃる!




こうして私はスライムというファンタジーな

魔法生物と一緒に生活することとなる。



ちなみに後で確認したところ。


魔力制御の調子が悪かったのはこのスライムが

外壁にくっついて悪さをしていたからだろう。


そんな結論に至った。


あれ?


何か釈然としない感じがするが気にしない。


そう、気にしてはいけない。



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