5-3
大変お待たせしました。
よければお楽しみください。
意識を取り戻したラウル君。
やあ!私カニ太郎!!!
と、あいさつをするわけにもいかず。
一瞬迷ってしまう。
だが、慌てない。
慌てたらそこでおわりやで?
「気が付きましたか。」
とりあえず落ち着いて対応してみよう。
「お、お前は誰なんすか!?」
私は・・・私は・・・。
「・・・神です。」
どうしよう!!!
全然落ち着いてなかった私。
完全にきょどって振り切った回答をしてしまった。
もうどうしよう!?
完全にやってしまった感が否めないが
もう口に出してしまった以上後には引けない。
「・・・はい?」
あー、ラウル君も完全に不審者を見る目で
私を見つめている。
確かに白くてふわふわな霊体モードな私。
私自身これがどういう状態かわからない以上
説明のしようもないし。
「疑ってる?罰・・・あてちゃうよ?」
「え・・・いや・・・。」
ひとまず押し込んでみる。
強引に突き通せばいけるやもしれない。
考え込んでいるラウル君。
すると何か思いついたように。
「な、何か証拠はあるんすか!?」
そ、そう来たか。
古来より神を試そうとするとろくなことに
ならないというセオリーを知らないな?
まぁ、私神様じゃないから平気なんだけど。
なにか、何か一芸を・・・。
あたりを見回すとスラ子が目に付く。
今回の原因はスラ子あるようなものだし、
やればできる子なのでダメでスラ子にかけてみる。
「いいでしょう。ではこのスライムに
私の力で奇跡を起こして見せましょう。」
スラ子を抱え頭をなでる。
・・・。
疑いの目で見るラウル君に加え、
え?何?みたいな雰囲気を醸し出しているスラ子。
スラ子、頼む!!!
何か、何かすごいことを!!!
自分で言っていてかなりの無茶ぶりだが
願いが通じたのかそのとき奇跡が起こった。
(っぶわ!)
スラ子の頭頂部あたりから突然髪の毛が現れた。
それはもうさらっさらのアジアンヘアー。
!!!
驚く私とラウル君。
そして顔こそ作ってはいないが自慢気なスラ子。
なんだこの子、なんでもできるな。
って私も驚いている場合じゃなかった。
「ど、どうですか!?すごいでしょ!!!」
「は、ははーーー!!!」
頭を下げるラウル君。
どうやら信じたようだ。
でも、ここからどうしよう?
思案しているとラウル君が切り出してくる。
「か、神様!お願いです。私にもその奇跡を!!!」
なるほど、ラウル君の髪の毛が復活すれば
ひとまず後頭部の落書きはばれずに済むかも。
そう思い、スラ子に視線を送る。
頭に生えたさらっさらヘアーをなびかせながら
部屋をうろうろしているスラ子。
私の目線に気が付きはしたが、様子からして
ラウル君の毛髪はどうにもならないらしい。
となると・・・。
「いいでしょう。ですが、神の奇跡は
試練を与えられたものにこそふさわしい。」
私は神々しい挙動で押入れから
黒塗りフルフェイスのヘルメットを
取り出しラウル君にかぶせる。
「いいですか?これから三日三晩、その兜を
かぶり続けるのです。」
「こ、これをですか?」
ラウル君は自分の頭にかぶせられたヘルメットを
不思議そうになでまわす。
「もし、かぶり続けることができたら元の髪の毛、
いや、死ぬまでどんな環境にも負けないさらっさら
ヘアーがあなたの身に宿るでしょう。」
(ゴクリ)
ラウル君が生唾を飲み込む。
何かそういった方面で悩んでいたのかな?
「ただし!途中でこの兜を脱いでしまったとき
恐ろしい災いがあなたに降りかかるでしょう。」
「そ、そんな!恐ろしい災いとはいったい!?」
「恐ろしくてとてもじゃないが言えません。
それともう始まっているんで脱がないでね。」
「えぇ!!!?」
こうしてラウル君の後頭部の落書きを
一時的にではあるが隠すことに成功。
あとは隙をみて何とかするしかあるまい。
死ぬまで続くさらさらヘアーは
きっと気の持ちようで何とかなる!
頑張れ!ラウル君!!!
そして一つの問題が解決(?)した後。
新たな問題が立ちふさがる。
寝ている間にラウル君をここに連れてきた為、
ラウル君はここが宿殻空間だというに
まだ気が付いていない。
無用なトラブルを防ぐためにもこのまま
ラウル君にはどこにいるのかわからないまま
退出してもらわねば。
「さぁ、目を閉じて、
あなたを元いた世界へと戻します。あと、
ここで起きたことを他言してはいけませんからね?」
くぎを刺しラウル君の手を引いて連れ出そうと
したそのとき。
「う!!!・・・うぐぅ・・・。」
背後から嫌な声が聞こえた。
振り返るとラウル君の首を締めあげている
レガ君がいた。
「っちょ!おま!!!」
私の静止も間に合わずラウル君は気を失う。
「レガ君!?何してんの!!!?」
「・・・これで。・・・完璧。」
なんだかやり遂げたように答えるレガ君。
「いや、確かにこれならバレないけども!
やり方があるでしょ?
そもそもラウル君がこんなことになってるの
君たちが頭に落書きしたからなんだからね?」
「・・・うん。」
っすっごいどうでもいいように答えるレガ君。
これは反省してませんわ。
ちょっと後ほど話し合う必要がありそうです。
とにもかくにもこうしてラウル君の後頭部は隠され
宿殻空間のこともばれずに済むことができました。
この章のお話の流れ自体はできているので
書き起こせ次第投稿していきたいです。




