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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
48/161

5-2

投稿が遅れてしまっていて申し訳ない。

大きな予定変更がなければ今週半ばから仕事が落ち着くはず。

そしたら話の筋はできているので日ごとで上げていきたい。

防衛用に増設された壁に夕日が沈んでゆく。


あたりは戦時ということもあり物静かだ。




「・・・えっぐ。」



いや、訂正しよう。


すすり泣きの声がよく聞こえる。


あれからお嬢の壁ドンがとどめになったのか、

ラウル君は完全に引きこもっている。


初めて遭遇した引きこもり。


元の世界でも遭遇した記憶はない。


そもそも引きこもっているから遭遇のしようも

ないのだけれども。


こういう時ってどうしたらいいのだろうか?


とりあえずおなかが減っているであろうから

スラ子にご飯を運んでもらう。






・・・ん?


ラウル君にご飯を運んできたスラ子の様子が

なんだかおかしい。



「な!なん!な!」



勢いよく伸び縮するスラ子。


どうやらテンションがお高いご様子。


そうして勢いよく宿殻へと戻るとの中から

レガ君とフーシェを連れて来て物置小屋に向かう。


小屋を覗いたレガ君とフーシェも

かなりテンションが高いご様子。


ちょ・・・ラウル君は見世物じゃないぞ。


傷ついているんだからそっとしておきなよ?


私の忠告を聞いているのかいないのか。


どたばたと宿殻の中に戻ってゆく。




その後お嬢と翌朝の行動を

確認することとなる。


現状では監視塔の防衛機能が生きているため、

獣人たちは監視塔から一定距離を置いた場所に

拠点を構えているらしい。


塔自体はお爺さんの防衛術式が生きているようで、

獣人たちはそこを占拠できていないようだ。


というか話によると守備隊に対してまで

術式が働き完全な空白地帯になっているらしい。


セキュリティが厳しすぎて本人までが

締め出しを食らってしまうという、

なんとも残念な状態である。


でもそれだけちゃんとした術式が組まれて

いまだに動いているのに、

お爺さんはなぜ消息不明になってしまっている

のだろうか?


あの塔にいれば獣人たちと戦うような

ことにはならないと思うんだけど。


・・・わけがわからない。


とにかくその防衛術式に対してはお嬢は

対象とならないらしくこの塔を目的地とし、

塔を拠点におじいさんの消息を確認するようだ。


・・・思えばこの数か月の冒険はすべて

あの塔から始まっていたんだよな。


そこが目的地になるっていうのは

なんだか感慨深いものがある。


無事、お嬢を送り届けられるよう頑張ろう。


そう改めて決意し眠ることとなる。






翌朝、日も上がらないうちに

塔へ向けての準備のチェックを行う。


食料、備品、地図や行動計画書

漏れているような点は一つもない。


完璧である。


一点を除いては。


その一点を確認するために

宿殻の上に併設されている物置小屋の扉を開ける。


そう、ラウル君である。


泣きはらした顔で寝ているラウル君。


スキンヘッドにされおでこに『反省』と

書かれている顔がなんとも痛ましい。


お嬢からは置いていく様に言われているため、

こっそりと小屋から退出してもらう。


起こさないようにゆっくりと持ち運ぼうと

したときラウル君が寝返りをうつ。



!!!!!!



ちょ!


なにこれ!?



ラウル君を起こさないように

宿殻空間内の部屋に移動させる。



「あ!スラ子!!!おまこれ!!!」



スラ子を水道から呼び出すと

ラウル君の頭を見せる。



「・・・な?なんなな。ななな!」



相変わらずの言葉だが言っている意味が

なんとなくわかる。



『ばれちゃった?どう?すごいでしょ!』



みたいなことを表情が語っている。



「あのね?確かに力作ではあるけども、

さすがに描く場所が・・・。」


「な・・・。」



褒められると思っていたのだろうスラ子。


ちょっと『しゅん』としている。


う・・・。


できれば褒めて伸ばすタイプの私。


だが・・・。


だが・・・!


今回は命にかかわる。


これが露見した場合、最悪ラウル君が自殺する

レベルの危険性がある。


そう、それはつるつるになったラウル君の

後頭部を大胆に使用した絵。


スラ子作:みんなの絵。


私を含め宿殻内のメンバーが書かれている。


幼稚園生並みの絵だが一生懸命書かれた

感じが伝わってくるいい絵だ。


・・・しかも画風を見る限り合作のようだ。


十中八九昨日騒いでいた二人も書き込んでいる。



「スラ子、頭は、頭はダメだって。

ラウル君ショックでしんでまう。

今度ちゃんと書けるもの用意するから、

今回は・・・ね?」


「な・・・。」



少々落ち込みながらもわかってくれたスラ子。


いい子である。


ちゃんと濡れタオルも差し出してくる。


となれば、今はラウル君が気が付く前に

この絵を消さなくては!


(っきゅ!っきゅ!)


結構いい音を立ててこすれる頭皮とタオル。


だが、絵が消えることはない。


正直油性とかそういうレベルじゃない。


いったい何で書き込んだんだこれ?


でもあきらめない!


ラウル君の命は私が守る。


うなれ!マイハンド!!!


たとえこの腕が壊れようとも消して見せる!!!


そうして高速で移動するタオルが頭皮との間に

それなりの熱を発生させる。



「・・・んぁ?ああっつ!!!

な!なんなんすか!!!・・・え?」



やっば、ラウル君と目が合った。


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