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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
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5-1

時間がかかってしまい申し訳ない。

まだしばらく忙しいので更新は遅くなります。

私の召喚された監視塔から数か月の道のりを

たった数日で来てしまった。


それはもう昼夜人目を気にせず

目的地点まで一直線での飛行。



夜間飛行がとても怖かった。


フーシェがぶつからないように

あたりを把握しながら運んでくれるのだが、

月明りしかない中を飛び続けるのはかなり怖い。


ましてや月に雲がかかり真っ暗闇になったり、

でかい虫やら動物やらが飛び出して来たり

したときは生きた心地がしなかった。


こうして今最初に立ち寄った町『ミネア』が

見えてきた。


遠巻きに見ても印象が変わっている。


町の外壁が完成し、あたりには防護柵や

物見やぐらが建てられている。



「カニ太郎、このまま町に入るのはダメよ。

合図を送るから止まって。」



言われた通りに一定の距離を持って

地面に降りる。


フーシェとスラ子、ホントお疲れさま。


空間外で顕現しているフーシェはいつもと

変わらないがスラ子は少々お疲れのご様子。



「助かったわ、二人ともありがとうね。」



お嬢はそういうと二人を抱きしめる。


こういう素直なお嬢もかわいい。


いつもつんけんしているから

ギャップがたまらないね!


フーシェもスラ子も照れている。



・・・ん?



・・・あれ?



私は?私にハグは!?



ひ、ひとまず二人が宿殻の中に戻ると、

お嬢は空に向かって魔法を放つ。


どうやら信号弾のようなものらしい

色付きで空に停滞している。


そうして数十秒後、町の門が開き

中から一人猛烈なスピードでかけてくる。


あれは確かお嬢と一緒にダンジョンに行ってた

四人組のうちの一人で金髪が印象的な『ラウル』君。



「お、おじょーーー!!!」



かなりの距離をかなりの速度でかけてくるラウル君。

なんだかワンちゃんをほうふつさせる。


勢いをそのままにお嬢に抱き着こうとするラウル君。


それに対し、お嬢は渾身の力でビンタを繰り出す。



「な!!!」



ほほに一撃を食らいながらも後ろに

飛びのき衝撃を減らすラウル君。


さすがお嬢の一つ下のランク冒険者。


だが、気が動転しているらしく

地面に横座りでほほを抑え小動物の様に震えている。



そんなラウル君の胸ぐらをわしずかみにして

持ち上げるお嬢。



「あんた、よく私の前に顔を出せたわね!」


「お、お嬢!なんのことっすか!?」


「ゴ!リ!子!よ!!!あんた面倒見ときなさい

って私言ったわよね!?」



あー、お嬢は王都にゴリ子がパワーアップして

出現したことを言っておられる。


確かにパワーアップしてて、

お嬢もかなり引いていたかならぁ。



「そ、それは・・・すまなかったっす・・・。」



話を聞いたところラウル君はお嬢にゴリ子を

任されたその日にひとまず町を案内していたらしい。


ただその折に、この町名物の宙吊り人形の

モデルになったうちの一人、

おかまバー店主アスちゃん(♂)に遭遇。


かわいさについて熱く語る二人は

ラウル君放置で意気投合し・・・といったことが

起きてしまっていたらしい。


それは・・・、なんともいえないな。



「そう、言い残すことはそれだけ?」



お嬢は特にその話に興味はないらしい。



「ひ、ひぃ!」



こうして目の前でラウル君に罰が下ることとなる。







ちょっとした惨劇が起こったあと、

場所を冒険者ギルドに移し、

ラウル君の所属しているパーティーのリーダー

強面の『トーマス』さんから事情を聴いている。


『ガ・ゴルバル』獣人国、正確に言うならば

部族同氏の集合体たらしいのだが、

そこが今グラインバルム王国に

戦争を仕掛けてきているらしい。


今までも小競り合いはあったのだが、

今回はどうも事情が違うらしく。


今回は獣人の国で何かやらかした奴がいたらしく、

そいつの引き渡しと補償金を要求しているらしい。


詳細は上の方で伏せられているらしく

誰が何をやったのかはトーマスさんでも

わからないらしい。


戦闘は宣戦布告後に西方配置の守備隊と

一戦あったらしいがあちらは健在で、

守備隊は半壊、現在は再編中とのこと。



「オイゲン様の情報もお嬢の知られていること

以外は新しく出てきていませんね。」


「そう・・・。」



お嬢は軽く落ち込む。



「・・・っひっぐ。」


「守備隊の再編成に伴って冒険者ギルドにも

招集がかかってきています。

お嬢もやはり出られますか?」


「えぇ、待っててもわからないなら

あいつら捕まえて聞いた方が早いわ。」


「ですか・・・、では我々も及ばずながら

お供させていただきたいと思います。」


「・・・っひっぐ。」


「大丈夫?あんたたちの面倒まで見られないわよ?」


「えぇ、結局戦うことになるのです。であれば

少しでもお嬢のお役にたちたく。」


「わかったわ・・・。ありがとう。」


「・・・っえっぐ。」



お嬢はトーマスさんに礼を言うと

私の方に歩いてくる。



正確に言うと私の宿殻についている物置に。


(ッガン!)


「ひぃい!!!」



中からラウル君の悲鳴が聞こえる。


そう、今物置小屋の中にラウル君が

立てこもっている。



あの後罰としてラウル君は綺麗な坊主頭になり

おでこに『反省』と文字を書き込まれてしまった。



「こんなの姿じゃ人前にでられないっす!!!」



ということで私の物置小屋に立てこもるラウル君。


時折聞こえてくるすすり泣きがとても響くんです。


こんな状態で大丈夫なのだろうか?

ラウル君の受難はまだ・・・。

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