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受付の人につれてこられた事務所奥の建物。
周りと同じく白塗り建物だが心なしか
嫌な感じがする。
「カニ太郎、何があっても余計な事
するんじゃないわよ?
あんたの友達にも言っときなさい。」
かなり念を押されてしまっている。
お嬢も雰囲気から察するところがあるらしい。
そうして通された一室。
中には三人。
中央に初老のおばあちゃん。
おばあちゃん右に兵士風のおっさん。
そしておばあちゃんの左に眼鏡の優男。
「遠くから来てもらったのに
こんな対応になってしまって悪いわね。
私はこの学校の管理者の一人
ヘラ・ホルバインよ。」
そう自己紹介をするおばあちゃん。
お嬢は軽く会釈をする。
「今回あなたが当校に編入する際に持ってきた
紹介状の中に『ヴォルフ・ハルトマン』の紹介状が
ありましたね?」
「えぇ。」
「我が国に来た際にお会いになられました?」
「いえ。まず最初にこちらで手続きをしてから
向かう予定でした。」
「ふむ。そうでしょうね。」
お嬢の挙動をじっと観察しながらゆっくりと
質問をするおばあちゃん。
お嬢も最低限の返答に押さえている。
この張りつめた空気。
私はいるだけなのに参ってしまいそう。
「この手紙の後にヴォルフさんからご連絡は?」
「いえ。旅路の報告を出しているだけです。」
「そう、困ったわね。
どこか待ち合わせとして教えられている
場所はあるかしら?」
「すみません。どういう事ですか?」
お嬢がそう問いかけると。
「今、貴様はこちらの質問に答えればいいのだ!」
隣のおっさんがお嬢の質問を遮る。
「ギード先生・・・。」
おばあちゃんが静かにおっさんの名前を呼ぶ。
それだけで黙り込むおっさん。
このおばあちゃん怖いな。
「ごめんなさいね。悪い先生ではないのよ?
ちょっと感情的なだけなの。」
そういいながら苦笑するおばあちゃん。
だが、目は笑っていない。
「それで先ほどの私の質問いいかしら?」
「詰め所に行けば会えると思っていたので
そういった場所や連絡先は知りません。」
「そう・・・、テオ先生?どう思われます?」
そう呼ばれた眼鏡の優男が答える。
「え、えぇ。リサさんも長旅でお疲れでしょうから
ひとまず宿舎にお泊まっていただくのが・・・。」
「あらあら、私ったら。
気が利かなくてごめんなさいねリサちゃん。
学校内にお客様用のお部屋があるのだけれど、
今日はそこに泊まっていただける?」
「はい。」
「よかったわ。じゃあこれから案内させるわ。
また何かあるかもしれないけどその時は
協力してちょうだいね?」
「わかりました。」
そういうとおばあちゃんは先ほどこちらの建物に
案内した人を呼びお嬢と私を宿舎に案内した。
「ヴォルフおじさん・・・。」
そうつぶやくお嬢。
ごめんお嬢。その人誰ですか?
誰よりも状況がつかめていない私であった。




