2-10
あたりが明るくなってくる。
どうやら朝のようだ。
なんだか体の調子がすこぶる良い。
・・・?
!!!
か、体が大きくなってる!!!
なんでだろう?
やっぱりご飯を食べて寝ると育つのか?
・・・あ。
物置小屋が宿殻になってしまっている。
ま、まずい人ん家の物置を・・・!
どうしよう?チャームポイントだった
苗木も成長して物置小屋といい感じに混じってる。
あたふたしてると教会の中から泣き声が聞こえる。
何?朝からいろいろあり過ぎじゃない?
ひとまず窓から様子をうかがいにいく。
泣いているのはどうやら昨日戦士君彫刻をあげた
ヨナス君のようだ。
あ、目が合った。
・・・。
ヨナス君につれられ彼を慰めていた一同も
こちらを認識する。
「・・・。」
どうしよう?この気まずい雰囲気。
窓の外からこちらを伺う巨大なヤドカリ。
私だったら逃げ出す。
ひとまず使い魔の刻印を見せることで
私だとわかってもらえたが、
完全に何コイツ状態だ。
そんな微妙な空気をヨナス君が壊してくれた。
「カニ太郎ごめんなさい。
カニ太郎にもらった戦士君なくしちゃった。」
おう、昨日の今日でか!
それは悲しいやら申し訳ないやらでつらかったな。
まぁ、気にするな!
代わりぐらい作れるさ!!!
庭に転がっていた大きめの石にスキルを使い、
戦士君とヨナス君が肩を抱き合い握手する像に
彫り上げる。
一同騒然。
だってやった自分もあまりの出来にビビってるから。
昨日の土精岩より柔らかいとはいえ
石を一瞬で削り上げるとは凄まじい。
ちびっ子たちも警戒心を解いて集まってくる。
どうやら今日も私は人気者のようだ。
あ!でもシスターごめんなさい。
物置小屋が・・・。
申し訳なさそうにする私を察してか
シスターは微笑んでいる。
いい人だ。カニ太郎心うたれました!
よし!お嬢がかえってくるまで、
この人たちの役に立とう!
こうして私の教会でのお手伝いが始まる。
と、いってもこの子たちは
それぞれ自分の役割を持っているようで。
日常生活部分では私の出る幕はないだろう。
なんかないかなー。
遊び回るちびっ子たちを見守る。
あ、髪でも切ってあげるか。
そこらへんを遊び回っている
十数人のちびっ子たち。
髪の毛の伸びてる子もちらほら見受けられる。
カニ太郎さんが異世界風へヤーカットを
施してあげようじゃないか!
ということで近場にいた子供に看板で
『髪の毛 切る?』
と尋ねてみる。
「「きるーー!」」
面白そうと集まってくるちびっ子たち。
それではボサボサな君の頭からちょきちょき。
うむ。
スラ子の謎液の手伝いもあり、
見事な七三わけが完成。
周囲は大爆笑である。
「う”ー」
ご立腹のちびっ子。
冗談だって、悪かったって。
さくっとボーイッシュな短髪に決めてあげました。
その後も遊び心を織り交ぜつつ髪の毛を整える。
角を生やしたり、もったり、編んだり。
・・・が。
どうしよう。
この前丸坊主にしたらしいちびっ子が
うらやましそうにみんなを見ている。
うーん。この子だけ切らないのもなぁ。
かといってちょっとだけ切るのも・・・。
いっそのこと丸坊主にするつもりで。
(ちょきちょき)
うむ、初めてでもやれば出来るもんだ。
見事な虎刈りである。
ワイルドな男が男気ってますぜ。
本人もご満悦のご様子。
これを見た散髪済みのちびっ子たち。
自分たちもと大騒ぎ。
そこからはもうすごかった。
ドラゴンやらワシやらといろいろな
リクエストに応えると・・・。
かなり柄の悪い集団が出来上がった。
そしてみんなに見せてくると外に出かけてゆく。
多分昨日の私ならあんな集団に絡まれたら
泣いてるな。
まぁ、そんなの感じでかまう相手も
いなくなったので改めて宿殻を調べてみようかな?
カニ太郎がビックになってゆく物語




