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「すっげ!モンスターがいる!!!」
「に、兄ちゃん危ないよ。」
「っへ!こんなちっこいの平気だよ。」
なんだろうか?ちびっ子に絡まれた。
「うわ!こいつなんか変なの持ってる!!!」
変なの?お子様にはわからないだろう。
これは夢とロマンの塊。
『スーパー人型最終決戦機動戦士君』!
襲い来る怪人を3枚におろす正義の料理人ロボ。
「おぉ!かっこいい!!!」
この良さがわかるのか、ちびっ子!
大人の汚れた心ではわからない純粋無垢な気持ち
からのほめ言葉!
実に心に響く。
ほら?よく見てごらん?かっこいいだろ?
ちびっ子の前に戦士君彫刻を差し出す。
「「うわぁー」」
2人とも目を輝かせてる。
「もらい!!!」
兄ちゃんと呼ばれていたちびっ子が人形を鷲掴み、
猛ダッシュで持ち去ってゆく。
っちょ!!!おま!
「え?兄ちゃん!?」
戸惑いながらも兄を追いかけようとする弟。
ちょっと!!!ちょっとまって!
ここで彼を見失うと私の戦士君彫刻が!!!
あわてた私の事を案じてくれたのだろう。
スラ子が宿殻の中から出てくると
弟分の足元に飛び掛る。
「ひ!ひぃ!!!た、たべられる!」
足元をがっちり固定し、上半身に侵食してゆく
姿はまさしく捕食シーン。
た、食べてないよね?スラ子大丈夫だよね?
正直、お嬢やお爺さんたちといたときは
スラ子に出されていたのは水のみ。
旅に出てからもそれ以外を食べている様子はない。
私を含め、生態が謎過ぎる。
まぁ、ひとまずは弟分君は無事であった。
スラ子はホントできた子だ。
弟分君をなだめ落ち着かせたところで、
家に帰るようだったのでついてゆくことにする。
しかし困ったのが絵面だ。
涙で顔を泣きはらした弟分君。
スラ子の体液で下半身はびしょびしょだ。
おまけに逃げられないようにスラ子は
弟分君の腰に巻きついている。
そしてその後ろをついていく私。
いじめているわけではないんです。
町の皆さん私は被害者なんです。
私たちを見てひそひそ話し合う人たち。
どうしよう、みんな目を合わせてくれない。
そうして長く苦しい道のりを乗り越え
弟分君の家にたどり着いた。
家?ってか教会だな。
そしてその入り口にはシスターが立っていた。
「ヨナス君!」
シスターが駆け寄ってくる。
「シスター!」
弟分君も駆け寄りまた泣き始めてしまう。
あの、なんかすみません。
私は悪くないはずなのだがものすごい罪悪感。
帰ろうか?スラ子。
なんだか今日は疲れてしまった。
とぼとぼ帰路に帰ろうとしたそのとき。
「お、お待ちを!」
シスターに呼び止められる。
「あの、うちの子がご迷惑を。」
いえ、大丈夫ですよ。身振りで返事をする。
「あの、これはあなたのもので?」
戦士君彫刻を渡してくる。
戦士君・・・。君の勇気を分けてあげてくれ。
そっと弟分君に差し出す。
「くれるの?」
そうだぞ、戦士君のような男になるんだぞ。
「あ、ありがとう!」
「こんな立派なものを申し訳ありません。」
そうして颯爽と立ち去ろうとする私。
ちょっとかっこいい。
「あ!お礼といってはなんですがご夕食でも!」
!!!
食事!?
もしかして異世界初のご飯!
ぜひ!是非にお願いします!!!
次回
伏線を回収していきたい雰囲気。
次々回
本作の見所がついに実装される雰囲気。




