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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
12/161

2-3

硬貨が違うってどういう事?


占い台の上に置いてある看板には

ちゃんと茶色い硬貨が貼付けてある。


・・・あれ?


看板の硬貨って!?


良く見てみると柄が銅貨の図じゃない。


お嬢もそれに気がつく。



「・・・金貨。」


「そう、金貨で5枚頂きましょう。」


「こんな詐欺とおると思っているの?」


「特級証書はお見せしたはずですよ?

国の趨勢すうせいを占う私の術が

銅貨5枚だと誰が思いますか?」



確かにそれはそんな気がしないでもないが。

こじつけ感が半端ない。



「それにあなたは先ほどプレートで

商業取引同意もしたはずですよ。」



お嬢はこの言葉に苦い顔をした。


どうやらこれがまずかったらしい。


後日確認した事だが。


情報屋見たいな仕事の者は踏み倒しを防ぐため、

同意契約を魔法で行うらしい。


高額なやり取りはそれこそ

何重にも確認と書面でのやり取りが発生するが、

こんなところの占い師がそんな吹っかけるとは

お嬢も思っていなかったのだろう。


略式の同意契約をしまったらしい。


まぁ、そこらの三流占い師なら

こんな事をした時点で占いギルドから

刺客がくるレベルらしいが

今回は特級証書なるものの開示もあった。


ここでお役所に頼るとお嬢もペナルティを

受けるらしい。




だまされたお嬢が悪いと通すつもりなのか?


すごい無理を感じるが。



「・・・」



お嬢は言い返さない。


恐るべし異世界。



「1週間よ。1週間後にまたここに来なさい。」


「えぇ、支払い期限に明示はありませんでした。

もちろん良いですよ。それではまた1週間後に。」



その言葉と共に占い師は路地裏へ消えてゆく。






翌朝、今日からダンジョンである。


昨日あんなことがあってから無言のお嬢。


怖い・・・だが!


ダンジョン!


ダンジョンが私を待っている。


見よ!この華麗なステップ!!!


すごいかさかさしてる!


私の準備は万端です。



「カ二太郎。」



はい!お嬢何?何お嬢?


カ二太郎何でもやっちゃうよ!



「ちゃんとお留守番してるのよ?」



・・・?



「今回はあんたの面倒見てられないの。

戻ってくるまで宿にいなさい?」



え?え?冒険は?


私の活躍は?



「いい?」



ほ、ほら私スキル使えますし。


このハサミすごいんだから!!!



「・・・。」



はい、いい子にしてます。


いい子にしてるので触覚を握らないでください。


そこは握らないでください。



結局お嬢は昨日の4人組と出発することになる。


お嬢の一言であの4人の表情が凍ったことから、

おそらく何か強行軍的なことを行うのだろう。


そして私はスラ子と今町を歩いている。


一週間何をしよう?


スラ子どうしたい?


問いかけてみるとスラ子は黄色になる。


え?え?どういう意味?ってか色変えられるの?


さらには体から5本の触手?を伸ばし丸を作る。


っは!そういうことか!?


金貨を用意して驚かせようと!?


そうするとスラ子は人間の顔を形成し

笑ってくる。


え!スラ子何それ!?覚えたの?



・・・すごい!



あ、でもすごい怖い!!!


スラ子、その笑顔あかんやつや!


笑顔でも恐怖を催すタイプのやつや!


今度ちゃんと練習しような。


でもすごい良い案が出た。


お嬢たちが必死になって稼いだが

目標金額にはあと少し足りない。


そんなときにカ二太郎さんが


っさ!


と金貨を差し出す。


「カ二太郎・・・!あんたって奴は!!!」


そういって見直される私の評価はうなぎのぼり。


私の時代がついに来る!!!


ひとまず近場に落ちていたぼろ板に


『金貨 5枚 仕事 くれ』


と掘り込み、それをもって町を歩く。


人間だったらとても出来ないが今の私は

ヤドカリである。


このぐらい平気。


それに仕事を探しながら観光も出来て

一石二鳥である。


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