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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
102/161

8-14

いつも閲覧ありがとうございます。

揚勝さんがツタに飲み込まれてゆく中、

私のハサミの中には揚勝さんがつないでくれた勝機がある。


これはセレブが用意してくれた除草剤だ。


これを使えばツタに対してかなりのダメージを期待できる。


もちろん貴重なものでこれしかないのだが。



大蛇に使うかレガ君を助けるのに使うか。


状況に応じて使う予定ではあったが

現状の二択ではギャンブル過ぎて使えない。



せめて何か転機があれば・・・!



だが、そんな私の願いも虚しく揚勝さんを追っていた

どんどん私の方へ集中してくる。




不味い。




この量は!




捌ききれない!!!




私を取り囲むように四方からツタが押し寄せて来たその時。



「な!!!」



いつの間にセリの足元まで来ていたスラ子が急襲をかけて

セリを体内に取り込んでしまう。



上手い!


私と揚勝さんに集中していたセリの隙をついたのだろう。


セリの指示によって動いていたツタの挙動に不和が生じる。


この生じた乱れに切り込みツタの包囲網を抜ける。




追撃に備え移動しつつ迎撃の体制を取るが。


・・・ふむ。


どうやらセリがツタを操っている為なのか

先ほどの様に私を追尾してくることはなく。


あたりを手当たり次第に攻撃している。



「な!!!」



再びスラ子が声をあげるとスラ子の体から

雪だるま式に四肢を封じられた私に向けて射出される。



「ひ!ひやあああぁーーーー!!!」



絶叫をあげながら緩い放物線を描き私へ飛んでくるセリ。


まさかの行動に驚きはしたがスラ子の意図はくみ取った。




正直偉そうで嫌な奴ではあったが、

不思議とそこまで嫌いにはなれなかったセリ。



こんな事にならなければ仲直りすることもできたかもな?



ただ、ごめん!



ごめんな!セリ!!!



私にも譲れないものがあるんだ!



割と酷い顔になりつつ私の間合いに入ったセリに

覚悟を決めてスキルを発動させる。




【斬:高周波ブレード】




私のハサミに伝わる『切った』という感触。


この感触が私に途轍もない罪悪感を感じさせる。


見知った相手を手にかけることがこんなに・・・。



くそ!



今はそれどころではない。


でもせめて弔うためにも・・・!


そう思って振り返る。






「う゛ーーー。」




マジか。


そこには泡を吹いて倒れているセリがいる。


もちろん五体満足である。


さっきまでツタやら大蛇やらを切り刻んでいたから

この謎スキルの特徴を忘れていた。



生き物に対して発動しない時があるんだよな。



何時ぞやの野党撃退時の事を思い出す。


あの時と同じように生体には

何の影響も与えなかったようだ。


無論スキルの発動と手ごたえもあったのだ。


あの大蛇を操っていただろう悪役衣装の制御媒体は

きれいさっぱりなくなっている。




・・・。



色々な意味でどうしようか?




ここに放置するのも危ない。


制御を失ったツタが暴れまわっているのもそうだし。


なんか毎度の事こんな目に合うこいつの尊厳的にも、

私の良心的にも手にかけてしまったと思った時と

同等以上の罪悪感を私に生じさせる。


そうして逡巡した結果。


ひとまず私の宿殻の中にしまうことにした。


もうどうにでもなれである。



その後私は除草剤を使いレガ君の救出と

宿殻のシンボルとなっていた樹の奪取に成功。



揚勝さんは。




「kwsk。kwsk!」



そうツタの中でにやつきながら寝言をつぶやいていた。


別に飲み込まれたからといって死ぬわけではないようだ。




・・・なんか。



なんかちょっとこのままでもいい気がしたので。



そっと。


そおっと、うごめくツタの中へかえしておいた。



後で!


後で必ず助けに来るから!!!



ゆっくりとツタの海へ消えゆく揚勝さんを背に

私たちは急ぎお嬢たちとの合流場所に向かうのであった。

カニ太郎自身やカニ太郎が使うスキルには設定上制約が付いています。


ツタや大蛇が斬れてセリが無事だったのは一応設定上は問題がないことになっています。


またツタ自体は触覚のみでカニ太郎達を襲っていたのはセリが操っていたから。


さらには初回にカニ太郎が絡まれたツタをスキルで切れなかったのも設定にそった表現。

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